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ランニングを始めたばかり。でも、いつかフルマラソンに挑戦したい! そんな女性のために、青学駅伝部トレーナーの中野ジェームズ修一さんが「走れる体」の作り方を伝授。簡単なスクワットを積み重ね、“走らずに走れる脚をつくる”レイヤートレーニングの最終回をお届けします。

いよいよラスト、5セット目!

ここまで「A+B+C+D」の4種類のトレーニングを行ってきましたが、今回のE「ランニングマン・ニーリピーター」でいよいよラストです。

中野ジェームズ修一 :

短時間でマラソン向きの持久力のある脚をつくるには、疲労がたまっていくなかで動かし続けていくというトレーニングが必要です。走り込みはやりすぎると関節や骨を傷めたり、ケガをすることもありますが、それらにインパクトがかからないレイヤートレーニングならその心配も少なくなります。
マラソンに耐えるスタミナのある脚になるために、ぜひチャレンジしてください。

それでは早速、トレーニングスタート!次のA~Eの運動を、片脚ずつ続けて行ってください。

A「両手を膝の上で組んだワンレッグ・スクワット」

1.右脚を後ろに下げ、両手を左脚の膝の上で組む。左脚の膝は床に対して垂直にし、膝がつま先より前に出ないように注意する。

2.そのまま上体を持ち上げる。左脚に体重を乗せたまま、背中で天井を押すようなイメージで。

3.左脚の位置をずらさないように注意しながら、1の姿勢に戻る。1~3の動作を続けて20回行う。

B「手を床につくワンレッグ・スクワット」

1.左脚を大きく前に出して、右脚を後ろに引く。両手は床につける。

2.左脚に体重を乗せた状態で、体をゆっくり上に持ち上げていく。膝がつま先より前に出ないように注意する。

3.ゆっくり1の姿勢に戻る。1~3の動作を続けて20回行う。

C「片足を浮かせるワンレッグ・スクワット」

1.左脚の膝を立て、両手を床につける。

2.ゆっくり左膝を伸ばしながら、右脚を持ち上げ後方に伸ばす。

3.軸になっている左脚の膝を曲げながら、両手、右のつま先の順番で床につけて1の姿勢に戻る。1~3の動作を続けて20回行う。

D「ワンレッグ・バランス・スクワット」

1.左脚の膝を立て、両手を床につける。

2.ゆっくり左膝を伸ばしながら、同時に両手を持ち上げる。この状態でバランスをとる。

3.軸になっている左脚の膝を曲げながら、両手、右のつま先の順番で床につけて1の姿勢に戻る。1~3の動作を続けて20回行う。

E「ランニングマン・ニーリピーター」

1.左脚を前に出し、右脚を後ろに引く。体重は前の左脚に8割、右脚に2割かけるイメージで。

2.右脚の膝を持ち上げて下ろす。手は、上げた脚の反対側の手を持ち上げて下ろす。ランニングのイメージで、1~2の動作をリズミカルに繰り返す。

3.20秒休息し、反対側の脚でもA+B+C+D+Eを同じように行う。

じつは……これで終わりではありません

いかがでしたか? 5つのトレーニングを無理なく続けてできた方は、かなりの強者。ぜひ自信をもってください。

しかし、じつはレイヤートレーニングはこれで終わりではありません。

第2回でご説明した、こちらの表を覚えていらっしゃるでしょうか。

レイヤートレーニングの方法

1セット目:A
2セット目:A+B
3セット目:A+B+C
4セット目:A+B+C+D
5セット目:A+B+C+D+E

この流れで、1セット目から5セット目まで、どんどん続けてトレーニングを行うのが真のレイヤートレーニングなのです。

つまり、完全版は次のようになります。

レイヤートレーニング完全版の流れ

A(片脚ずつ)

20秒休息

A+B(片脚ずつ)

20秒休息

A+B+C(片脚ずつ)

20秒休息

A+B+C+D(片脚ずつ)

20秒休息

A+B+C+D+E(片脚ずつ)

終了!

ここまで行って、時間にして約20分。強度的には1分のレイヤートレーニングで1km換算のイメージで構成していますので、ちょうど20km、ハーフマラソンと同じくらいの負荷を脚にかけたことになります。

中野ジェームズ修一 :

レイヤートレーニングは最初はラクに感じられても、後半にいくほどきつくなってきます。ご自分の今日の体調と相談しながら、少しずつレベルアップすることが大切です。

疲労がたまってくると簡単な動きもどんどんつらくなってきますが、このつらさこそ脚が鍛えられている証拠! マラソン本番でも、きっとあなたを支えてくれるはずです。

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中野ジェームズ修一さん

スポーツモチベーションCLUB100最高技術責任者、PTI認定プロフェッショナルフィジカルトレーナー、米国スポーツ医学会認定 運動生理学士(ACSM/EP-C)フィジカルを強化することで競技力向上や怪我予防、ロコモ・生活習慣病対策などを実現する「フィジカルトレーナー」の第一人者。「理論的かつ結果を出すトレーナー」として、卓球の福原愛選手やバドミントンのフジカキペアなど、多くのアスリートから絶大な支持を得ている。2008年の伊達公子選手現役復帰にも貢献した。2014年からは、青山学院大学駅伝チームのフィジカル強化指導も担当。早くから「モチベーション」の大切さに着目し、日本では数少ないメンタルとフィジカルの両面を指導できるトレーナーとしても活躍を続けている。自身が技術責任者を務める東京神楽坂の会員制パーソナルトレーニング施設「CLUB 100」は、「楽しく継続できる運動指導と高いホスピタリティ」が評価され活況を呈している。主な著書に『世界一伸びるストレッチ』(サンマーク出版)、『青トレ』(徳間書店)などベストセラー多数。

撮影/中山実華

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