手術をしたら、目の中に泡が……!?
米国で放送されている朝の情報番組『Today』の司会であるサバンナ・ガスリーさん。目の手術を受け、最近とても大変な思いをしたことがニュースになりました。近況報告をしたサバンナさんは順調に回復していると話すのですが、担当医によると、サバンナさんの目の中には泡が入り平常とはいえない状態になっているというのです。
息子の投げたおもちゃで失明寸前に……
「網膜裂孔(眼底一面に広がる、光や色を感じる神経細胞の膜に穴が空いてしまう状態)」の手術を受けた1週間後、サバンナさんは『Today』に電話で出演して、術後の回復状況について報告しました。
「すべてうまくいっている」というサバンナさんですが、術後は3週間もうつむいた姿勢で安静にしなければいけないそう。People誌のインタビューでも語っており、どれほど大変なことかは容易に想像できます。
サバンナさんは番組内で、うつむいた姿勢でいなければならなかったことが、術後最も苦しかったと話しました。サバンナさんの眼科医である、ドナルド・デ・アミーコ医師も番組に出演し、サバンナさんの回復状況を話しました。そしてデ・アミーコ医師は状況をさまざま説明したなかで、特に「目の中に気泡が入っている」という状況についても解説していました。
この投稿をInstagramで見るSavannah Guthrie(@savannahguthrie)がシェアした投稿 - 2019年11月月27日午前7時40分PST
2018年11月に、サバンナさんは、息子のチャーリーが投げたおもちゃが目に当たり網膜が大きく破れてしまったと自身のインスタグラムに載せていました。サバンナさんは一時的に視力を失い、それからは視力回復のために何度も手術を受けたのです。
目に泡が入っているってどういうこと?
image via shutterstock「奇妙に聞こえるかもしれませんが、サバンナさんが受けたタイプの手術では通常のことなのです」とUCLA医療センターの眼科医であるビビアン・シバヤマ医師は言います。
サバンナさんが受けた網膜裂孔を治療するための手術は「網膜硝子体手術」と呼ばれます。「網膜の処置をするために、眼内の透明な液体を吸引除去します。そして網膜の剥離を治した後、特別なガスあるいはシリコンオイルを眼内に注入。内側から網膜を押さえ圧着させます」(米国眼科学会によると、ガスの気泡は再手術で除去されます)とシバヤマ医師は説明します。
気泡がどのように働くかと言えば、「気泡は剥離してしまった網膜に圧をかけて、網膜を正しい場所に戻し、再度接着させるのです」とオハイオ州立大学臨床眼科准教授のアーロン・ジマーマン医師は説明します。「気泡は上に上がることから、患者がうつむいた姿勢になることで、眼底に圧がかかります」
ウィリス・アイ・ホスピタルの医局長を務め、網膜手術を専門とする眼科医であるジュリア・ホーラー医師も「網膜関連の手術でガスはよく使われます。気泡には表面張力効果があり、眼内空間に注入すると、接着させたい網膜にやさしく安定的に圧がかかります」と解説します。
無事に網膜が接着すると、気泡は「血中に溶け込んでいきます」とホーラー医師は言い、どれくらいでなくなるかは、使用されたガスの種類や気泡の大きさで異なります。「1か月かかることもあれば、6、7日でなくなることもあります」と、ホーラー医師。「気泡は眼内に満たされる液体で置き換わっていくのです」(米国眼科学会によると、シリコンオイルで満たされる場合には、気泡は再手術で取り除かれます)。
医師の指示どおり、サバンナさんはできるだけ安静に過ごす日々。タブレットでNetflixを一気にみたり、靴下の引き出しを整理したり、できるだけうつむいた姿勢を保つように努力しているそう。「確かに、気泡の位置を保つためには動かないのが一番ですが、まったく動いていけないわけでもありません」(ホーラー医師)。
かなりハードな状況のようですが、サバンナさんは「すべてうまく行くはず」とポジティブにとらえているようです。
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Korin Miller/Even After Retinal Surgery, Savannah Guthrie Still Has a ""Bubble"" in Her Eye/STELLA MEDIX Ltd.(翻訳)