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「香りにこだわっている!」という方でも、「日本の香りの歴史について自信をもって語れる!」という方は少数派ではないでしょうか?
日本では部屋、衣服、頭髪などに香をたきこめる風習が8世紀頃に貴族の間で流行し、源氏物語の時代には香りは愛情を伝える大切な手段でもありました。香についての教養があることが日本女性の品位・評価において重要な意味をっていた時代もあります。
…というわけで、今回は、茶道、華道と並ぶ3芸道のひとつ、日本独自の香の芸道「香道」について、Q&A形式でご紹介します。
Q:香道の歴史は?
A:香は6世紀中頃、中国より仏教とともに日本に伝わりました。日本書紀には595年、日本に「香木」が漂着したと記されています。
宗教儀式に用いられていた香木が、日本人の繊細な感性により、焚き、香りを聞いて鑑賞するものとして利用されるようになり、日本独自の芸道として発展。
室町時代、茶道や華道が大成するのとほぼ同時期に香道の作法も大成しました。江戸時代に入り、庶民の間にも広まり、現在の形に近いものになったといわれています。
Q:「聞香(もんこう)」「組香(くみこう)」ってなに?
A:一定の作法に則って香を聞くことを「聞香」といいます。
※香道では、香りを「嗅ぐ」という表現は使わず「聞く」といいます!
「組香」とは、2種以上の香木を一定の文学的テーマのもとで焚き、香りによりそのイメージをふくらませ、豊かな文学的世界を形成するもの。香木を聞き分け、それが何であったかをあてるというゲーム性も!利き酒に通じるものを感じます。
Q:香木にはどんな種類があるの?
A:「香木」は、伽羅、羅国、真那伽、真南蛮、佐曾羅、寸聞多羅の6種に分類されそれを「六国」と呼びます。これらの香木の香質を味覚にたとえて、辛・甘・酸・鹹・苦の5種類に分類したものを「五味」と呼びます。
Q:香を焚きだすために使われる道具「香の七ツ道具」って何ですか?
A:銀葉挟、香筯、香匙、鶯、羽箒、火筯、灰押の7つです。
Q:香を聞くための「香炉」の扱い方を教えてください!
A:香炉を右手でとり、聞筋(ききすじ)を自分に向け、左手の平に水平にのせます。
右手の親指、小指を香炉の縁にのせ、覆いかぶせ、香りを溜めます。
そして親指と人差し指の間から、香りを三息(深く息を吸い込むようにして3回)で聞きます。
※聞香では、席順に香りを聞いていきます。次客へは、香炉を手渡しするのではなく、右手を差し出すように次客との間に香炉を置きます。
【香道入門】お薦めの1冊、お薦めのお稽古
香道入門としてお薦めの1冊は、「香文化の伝道師」稲坂氏による香のエッセイ『香と日本人』。
香道を体験してみたい!という方にお薦めのお稽古は、創業430年の香の老舗「香十」主催の御家流香道 体験香会【会場:香間「香十庵」】。聞香・組香の鑑賞、お手前のお稽古、香道文化のお話を、入会金なし、1回5千円で気軽に体験できます。和室で正座は苦手…という方でもテーブル席での会もあるので、参加できそうです!
この他、和塾主催、御家流香道 第24代宗家 三條西堯水氏をお迎えしての『香を聞く』御家流香道体験会【日時:2013年1月12日(土)14時〜16時】もあります!
香りは目に見えませんが、今も昔も、人の心を動かす大きな力をもっています。
世界でも類を見ない香りの芸道「香道」の世界に、一歩足をふみいれてみませんか?
text by 神森 真理子(かみもり・まりこ)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
パリ大学で映像・アートビジネスの勉強をし、松竹(株)に入社。ベルギー・フランス生活を通じ、「日本文化の活性化」という生涯の目標を見出し、現在は日本文化の伝道師として、日本文化・食・アートの魅力を発信するイベント企画・プロデュース・執筆・講演などを多数手掛ける。日本を学ぶ大人の学校「和塾」世話人。+ART CLUB/「食とアートの会」主宰。「銀座なでしこ会」幹事。ワインコミュニティ「OWL」主宰。フードアナリスト1級・ワインエキスパート・利酒師。【ブログ】神森真理子の『食を!アートを!日本文化を!楽しもう』。【連載】日本酒を楽しむスマホマガジン「酒ゼミ」にて日本酒コラム執筆中!【監修】現代ビジネス:安倍昭恵「対談『日本の食』を考える」
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日本では部屋、衣服、頭髪などに香をたきこめる風習が8世紀頃に貴族の間で流行し、源氏物語の時代には香りは愛情を伝える大切な手段でもありました。香についての教養があることが日本女性の品位・評価において重要な意味をっていた時代もあります。
…というわけで、今回は、茶道、華道と並ぶ3芸道のひとつ、日本独自の香の芸道「香道」について、Q&A形式でご紹介します。
Q:香道の歴史は?
A:香は6世紀中頃、中国より仏教とともに日本に伝わりました。日本書紀には595年、日本に「香木」が漂着したと記されています。
宗教儀式に用いられていた香木が、日本人の繊細な感性により、焚き、香りを聞いて鑑賞するものとして利用されるようになり、日本独自の芸道として発展。
室町時代、茶道や華道が大成するのとほぼ同時期に香道の作法も大成しました。江戸時代に入り、庶民の間にも広まり、現在の形に近いものになったといわれています。
Q:「聞香(もんこう)」「組香(くみこう)」ってなに?
A:一定の作法に則って香を聞くことを「聞香」といいます。
※香道では、香りを「嗅ぐ」という表現は使わず「聞く」といいます!
「組香」とは、2種以上の香木を一定の文学的テーマのもとで焚き、香りによりそのイメージをふくらませ、豊かな文学的世界を形成するもの。香木を聞き分け、それが何であったかをあてるというゲーム性も!利き酒に通じるものを感じます。
Q:香木にはどんな種類があるの?
A:「香木」は、伽羅、羅国、真那伽、真南蛮、佐曾羅、寸聞多羅の6種に分類されそれを「六国」と呼びます。これらの香木の香質を味覚にたとえて、辛・甘・酸・鹹・苦の5種類に分類したものを「五味」と呼びます。
Q:香を焚きだすために使われる道具「香の七ツ道具」って何ですか?
A:銀葉挟、香筯、香匙、鶯、羽箒、火筯、灰押の7つです。
Q:香を聞くための「香炉」の扱い方を教えてください!
A:香炉を右手でとり、聞筋(ききすじ)を自分に向け、左手の平に水平にのせます。
右手の親指、小指を香炉の縁にのせ、覆いかぶせ、香りを溜めます。
そして親指と人差し指の間から、香りを三息(深く息を吸い込むようにして3回)で聞きます。
※聞香では、席順に香りを聞いていきます。次客へは、香炉を手渡しするのではなく、右手を差し出すように次客との間に香炉を置きます。
【香道入門】お薦めの1冊、お薦めのお稽古
香道入門としてお薦めの1冊は、「香文化の伝道師」稲坂氏による香のエッセイ『香と日本人』。
香道を体験してみたい!という方にお薦めのお稽古は、創業430年の香の老舗「香十」主催の御家流香道 体験香会【会場:香間「香十庵」】。聞香・組香の鑑賞、お手前のお稽古、香道文化のお話を、入会金なし、1回5千円で気軽に体験できます。和室で正座は苦手…という方でもテーブル席での会もあるので、参加できそうです!
この他、和塾主催、御家流香道 第24代宗家 三條西堯水氏をお迎えしての『香を聞く』御家流香道体験会【日時:2013年1月12日(土)14時〜16時】もあります!
香りは目に見えませんが、今も昔も、人の心を動かす大きな力をもっています。
世界でも類を見ない香りの芸道「香道」の世界に、一歩足をふみいれてみませんか?
text by 神森 真理子(かみもり・まりこ)
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パリ大学で映像・アートビジネスの勉強をし、松竹(株)に入社。ベルギー・フランス生活を通じ、「日本文化の活性化」という生涯の目標を見出し、現在は日本文化の伝道師として、日本文化・食・アートの魅力を発信するイベント企画・プロデュース・執筆・講演などを多数手掛ける。日本を学ぶ大人の学校「和塾」世話人。+ART CLUB/「食とアートの会」主宰。「銀座なでしこ会」幹事。ワインコミュニティ「OWL」主宰。フードアナリスト1級・ワインエキスパート・利酒師。【ブログ】神森真理子の『食を!アートを!日本文化を!楽しもう』。【連載】日本酒を楽しむスマホマガジン「酒ゼミ」にて日本酒コラム執筆中!【監修】現代ビジネス:安倍昭恵「対談『日本の食』を考える」
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