しかし、今、新しいケトダイエットが登場して話題になっています。誰がいつケトダイエット2.0と名付けたのかは定かではありませんが、ケトダイエットのファンの間で徐々に広まりを見せており、Instagramでは#keto2とハッシュタグがつけられ、数多くの投稿があるほど。
では一体ケトダイエット2.0の内容はどういったものなのでしょうか。多くのダイエッターを惹きつける魅力はどこに? そもそも、微調整が加えられてもなおケトダイエットと呼べるのでしょうか。栄養管理士にそこのあたりを聞いてみました。
ケトダイエット2.0は何が変わったの?
image via shutterstockケトダイエット2.0をより理解するために、まずはケトダイエットの基礎知識をおさらいしましょう。
「ケトダイエットとは超低炭水化物ダイエットとも呼ばれ、脂肪摂取量を増やし、体が脂肪をエネルギー源とするようにするというものです」とキートリー・メディカル・ニュートリション・セラピーの院長である登録栄養士のスコット・キートリーさんは説明します。
人によって多少変わってきますが、一般的にこのダイエットでは、カロリーの60~75%を脂肪分、15~30%をタンパク質、5~10%を炭水化物にします。
たとえば、1日2000kcalを摂るとすると、ケトダイエットをする人なら、炭水化物の摂取量は1日50g以下。人によってはそれよりさらに摂取量を抑えることも(分かりやすく例を挙げると、中サイズのりんご1個に含まれる炭水化物は25gです)。
「そうすることで、体がエネルギー源として炭水化物を使えなくなるケトーシスという状態にもっていきます」とキートリーさん。その代わりに体は脂肪をエネルギー源にするようになります。そして体が脂肪を分解するときに、ケトン体が生成されるのです(ここからケトダイエットの名前がつきました)。
脂肪分が豊富な食事を摂ると、満腹感をより得ることができ、空腹をあまり感じずにダイエットに取り組むことができます。
ケトダイエット2.0はすこし緩めのアプローチ
image via shutterstockこの改良版のケトダイエットには特に決まったルールはありません。しかし、ケトダイエット2.0に取り組んでいる人は、カロリーの50%を脂肪分、30%をタンパク質、20%を炭水化物にしていることが言われています。
「それにより、ケトダイエット2.0では、たとえば2000kcal摂取する人は、オリジナルのケトダイエットの2倍にもあたる1日100gも炭水化物を摂れることになります」とキートリーさん。
もうひとつの重要な点として押さえておかなければいけないのが、炭水化物の摂取を20%にまで増やすと、ケトダイエットとは呼べなくなる点です。なぜなら「その場合、体がケトーシス状態になるのは不可能だからです」と管理栄養士で『Healthy in a Hurry』の共著者であるカレン・アンセルさんは言います。
ケトダイエット2.0で食べてよい食品は?
image via shutterstock本来のケトダイエットと同様に、ルールの範囲内であれば何を食べてもよいとされますが、糖類、フルーツ、豆類、穀物の摂取量はかなりセーブされます。
ケトダイエットの重大な問題点として多くの栄養士が指摘するのは、飽和脂肪酸の多量摂取。ベーコンやバターといった飽和脂肪酸が多く含まれる食品の罠にはまってしまう人が少なくないのだとか。
体重だけに関していえば、これらの食品でやせることはできます。しかしこのような食品ばかりを摂ることは、心臓にもさることながら健康によいとはいえません。
しかしケトダイエット2.0では、フルーツ、野菜、脂肪分の少ないタンパク質を食事に多く取り入れられ、よりバランスのとれたダイエットとなっているようです。もちろん、本来のケトダイエットでもこれらの食品を制限範囲内であれば摂ることはできます。しかしケトダイエット2.0ではその制限が緩めで、豆や大麦などのより健康的な複合炭水化物もより多く摂ってよいとされています。
アンセルさんによると、ケトダイエット2.0のもうひとつの利点として、食物繊維の摂取量を増やせることがあります(食物繊維の摂取が限りなく少ない本来のケトダイエットと比べて、という意味で)。そのおかげで、満腹感が得られ、病気のリスクも減り、便通も改善します。
次回の『Prevention』に続きます。
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Korin Miller/Keto 2.0 Is Here to Make the Low-Carb Diet Way Better for You—And Easier to Follow/STELLA MEDIX Ltd.(翻訳)