緑茶をよく飲む人は長生きできる?
10万人を超える成人を対象にした大規模な調査で、緑茶をよく飲む人は健康で長生きできる可能性が高いという研究結果が中国から報告されました。緑茶を週3回以上飲んでいる人は、週3回未満しか飲まない人に比べて心筋梗塞や脳卒中になる割合が低く、50歳時点の余命も約1年長いことが明らかになったということです。解析対象になった100,902人は、研究の開始時点で心血管疾患やがんにかかっていない人たちです。研究チームは質問票を使い、対象者の飲茶習慣だけでなく生活習慣や病歴などに関する情報を集め、体重、血圧、コレステロール値を測定して、緑茶の摂取量と心血管疾患、全死亡リスクとの関連を調べました。
週3回以上緑茶を飲む人は、心疾患や脳卒中リスクが20%低かった!
追跡期間中(中央値で7.3年)、心筋梗塞や脳卒中などの動脈硬化性の心血管疾患が3,683件発生しましたが、緑茶を週3回以上飲む人は、週3回未満の人に比べて心疾患や脳卒中の発症リスクが20%低く、心疾患や脳卒中で死亡するリスクも22%低く、全死亡リスクは15%低いという結果でした。
さらに、緑茶を週3回以上飲む人では、50歳時点から冠動脈心疾患や脳卒中を発症しないで過ごす期間が1.41年長く、余命も1.26年長いことも明らかになりました。
研究リーダーは、「緑茶、紅茶、白茶はいずれも同じチャノキから作られますが、紅茶に比べると緑茶にはフラボノイドと呼ばれる抗酸化物質が多く含まれています。また、実験では、緑茶抽出物が炎症を鎮め、血管・心臓の細胞機能を向上させることも示されています」と説明しています。
これまで多くの研究が、緑茶を飲むことが、良好なコレステロール値や体重のほか、心疾患や一部がんのリスクの低下と関連していることを示しています。しかし、今回の研究も含め、どれも対象者の日常を観察した結果をまとめたものなので、緑茶にそのような作用があることを証明できたわけではありません。
専門家は、「今回の研究では食事全般、運動習慣、喫煙、教育レベルなどが考慮されていますが、それでも結果に影響するあらゆる要素をコントロールすることは不可能です」と研究の限界を指摘しています。
その一方で、「緑茶による健康効果はさまざまな国の研究で多数報告されています。緑茶は抗酸化物質が豊富なノンカロリー飲料で、好きな人はどんどん飲むべきでしょう」と話しています。ただし、「カフェインが含まれているので、飲み合わせの問題がある薬を服用している人や、不眠症の人は注意が必要です」ということです。
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HealthDay News 2020年1月9日/Copyright © 2019 HealthDay. All rights reserved.(参考情報)Abstract/Full Text/image via shutterstock