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──ライフハッカー[日本版]より転載

料理のレシピを決めるとき、マヨネーズほど、使うか使わないか、使うとしたらどの程度使うか、といった議論の種になるものはありません。スプーンについたマヨネーズをよろこんでなめるほどマヨネーズ好きの私は、「マヨネーズが多すぎる」と思うことはほとんどありません。

でも、ポテトサラダ入れるマヨネーズの量に関しては、ちょっと違うかもしれません。

本当なら美味しくできたはずのポテトサラダもマヨネーズを入れ過ぎると台無しになることはマヨラーの私でさえ認めます。マカロニサラダやコールスローとは違って、ポテトサラダにマヨネーズを入れ過ぎてしまうと取り返しがつきません。

茹でたマカロニは最終的にはマヨネーズを吸収してくれますし、コールスローサラダの場合は、キャベツから出る水分がマヨネーズをじわじわ薄めてくれます。でも、ジャガイモにはどちらの効果も期待できません。つまり、ドレッシングの量は絶対間違ってはいけないのです。

どうやら、完璧なポテトサラダを作る秘訣は、マヨネーズを多めに入れることでもサワークリームをちょっと入れてみることでもないようです。完璧なポテトサラダに必要なのは、ジャガイモの塊に絡みつくぐらいとろみがあり、ポテトサラダのベースとなる材料をまとめる安定感のある乳化したドレッシングです。

でんぷんを少し加えると、とろみがある安定した乳化ドレッシングが簡単にできます。そのでんぷんが調理されて完全に水和されるとき──つまり、ポテトサラダのジャガイモを茹でるときにこの現象が起こります。

今日は、このでんぷんをうまく使って美味しいポテトサラダを作るレシピを2つご紹介します。

1.ジャガイモのゆで汁でコクを出すレシピ

Photo: A.A. Newton

パスタのゆで汁と同じように、ジャガイモのゆで汁にはでんぷん質と塩分が含まれているので、これを使うと美味しいソースができます。料理研究家のJulia Childさんは、少量のジャガイモのゆで汁を使うと、マヨネーズをそれほどたくさん入れなくてもクリーミーなポテトサラダができることに気づきました。

このレシピは、いろいろなものをたっぷり入れたポテトサラダが好きな人向けです。普段のポテトサラダに入れる定番のセロリとタマネギに加えて、ベーコン、固ゆで卵、刻んだピクルスを入れ、ドレッシングにはマヨネーズとサワークリームの両方を使います(私はそれだけでは物足りなくて、マスタードも少し入れました)。

Juliaさんのポテトサラダは、ポテトサラダの良さを最高に引き出しており、でんぷん質を含んだジャガイモのゆで汁でコクが増し、マヨネーズは予想よりずっと少ない量ですみます。このできあがりに対して、「こんなに少ないマヨネーズでこのコク?」と言っている自分に驚いている私です。

<材料>

ユーコンゴールド(日本でいうメークインタイプ)かレッドポテト(皮が赤いタイプのポテト):1.5ポンド(約680g・好みで皮をむいておく) リンゴ酢かピクルスの漬け汁:1/4カップ(味付け用に別途少々) ベーコン:1/4ポンド(約110g・さいの目に細かく刻む) 卵:2個 セロリの茎:2~3本(薄切りにする) 大きめのエシャロットか小さいタマネギ:1個(薄切りにする) コーニションか好みのピクルス:1/2カップ(みじん切りにする) マヨネーズ:1/4カップ(味付け用に別途少々) サワークリームか全脂肪ギリシャヨーグルト:1/4カップ(味付け用に別途少々) イエローマスタードかディジョンマスタード:大さじ3 ネギ:1束(薄切りにする) ピクルス:1本(みじん切りにする) 塩胡椒:少々

<作り方>

1.ジャガイモを約2インチ(約5㎝)の塊に切って鍋に入れ、ジャガイモがひたひたに浸かるぐらいの冷水を入れます。塩は大胆に入れましょう。私は2クォート(約1.89L)の水に対して大さじ2杯の塩を入れましたが、もっと入れてもいいでしょう。

2.鍋を煮たてて、ジャガイモの角が取れて、ほろほろ崩れるようになるまで15〜20分煮ます。ゆで汁を1カップ別に取っておき、あとはジャガイモの水を切ります。

3.まだ熱いジャガイモにゆで汁と酢(またはピクルスの漬け汁)をそれぞれ1/4カップ入れ、さらにたっぷりの黒コショウを加えます。混ぜたら、そのまま室温で少なくとも15分間放置します。

でんぷん質たっぷりのゆで汁はすぐにとろみが出ます。5分ぐらい休ませたらこんな感じになります。
Photo: A.A. Newton

4.その間に、残りの材料を準備しましょう。ベーコンは油を敷かないフライパンに入れて中火から弱火でカリカリに焼き、卵は好みの固さで茹で、野菜とハーブはみじん切りにします。

5.ベーコンはよく水気を切り、固ゆで卵は皮をむいてみじん切りにして、セロリ、エシャロット、ピクルス、マヨネーズ、サワークリーム、マスタードと一緒にジャガイモに入れてかき混ぜ、塩、コショウ、酢かピクルスの漬け汁で味付します。好みで、マヨネーズやサワークリームを少し足してもいいでしょう。

ポテトサラダは台所のシンクで作るのが好きです。こんなにいろいろな具を入れました。
Photo: A.A. Newton

6.出来上がったポテトサラダは少なくとも1時間冷蔵庫で冷やして、食べる直前にハーブを入れます。作った当日が一番美味しいですが、余っても冷蔵庫で2〜3日もちます。

2.時短派におすすめ! ピューレでクリーミーに仕上げるレシピ

Photo: A.A. Newton

ジャガイモのゆで汁を使う裏ワザは気が利いていますが、正直私はあまり使いません。ジャガイモは電子レンジで調理することが多いからです(暑い日は、なるべく短時間でなるべく涼しいやり方でポテトサラダを作りたいので、電子レンジは便利です)。

というわけで、ゆで汁は使えないので、電子レンジで調理したジャガイモの一部を油と酢を使ってピューレにして、濃厚でクリーミーなジャガイモ風味のドレッシングを作ります

このテクニックは、マヨネーズベースのレシピでも効果的ですが、ドイツ式のポテトサラダのような酢を使うレシピでは、その効果が最大限に発揮されると思います。(ちなみに、伝統的なドイツ式ポテトサラダには、少なくともベーコンかスペックと呼ばれる豚肉加工品が入っているのですが、ここではビーガン向けのレシピをご紹介します。)

重くならず、甘味があってクリーミーで、ポテトの風味がしっかり主張しています。このレシピは、マヨネーズを使いたくない人向けですね。

<材料>

ユーコンゴールド(日本でいうメークインタイプ)かフィンガーポテト(指でつまめるような小さなポテト):1.5ポンド(約680g・皮つきでも皮無しでも可) ピクルスの漬け汁かリンゴ酢:1/4カップ(味つけ用に別途少々) 植物油:1/4カップ(必要に応じて増やしてもOK) 好みのピクルス:1/2カップ(みじん切りにする) 大きめのエシャロットか小さい白タマネギ:1個(薄くスライスする) セロリの茎:2~3本(薄くスライスする) 新鮮なネギかパセリ、パクチー:1束(刻んでおく) 塩胡椒:少々

<作り方>

1.フォークでジャガイモをそれぞれ数回つつき、1インチ(約5㎝)の高さまで水を入れた電子レンジ対応の大きいボウルに入れます。

2.ボウルを部分的にラップか電子レンジ対応プレートで覆い、ジャガイモがすっかり柔らかくなるまで、ときどきかき混ぜたりひっくり返したりしながら、5分間加熱します。電子レンジから取り出したら、十分冷めるまで置いておきましょう。

3.小さいジャガイモ2~3個(あるいは大きいジャガイモ半個)を取り出し、大きい計量カップかボールに入れて、ピクルスの漬け汁(またはリンゴ酢)と植物油をそれぞれ1/4カップずつ入れたら、ミキサーでとろみが出てクリーミーになるまでピューレにします。

Photo: A.A. Newton

4.ランチドレッシングを作るときと大体同じようなやり方です。とろみが足りないときは、ジャガイモを少し足し、滑らかさが足りないときはピクルスの漬け汁を足しましょう。味見して、必要なら酢、塩、胡椒を足して味を調えます。

Photo: A.A. Newton

5.残りのジャガイモはボールの中で細かく砕いて、塩、胡椒、ピクルスの漬け汁かリンゴ酢を振りかけます。ポテトドレッシング、刻んだピクルス、エシャロット、セロリを加えてよく混ぜます。

6.塩胡椒で味を調え、冷蔵庫で最低1時間は冷やします。食べる直前にハーブを混ぜます。このサラダは作ってすぐに食べても美味しいですが、2日目か3日目の方がさらに美味しくなります。

Photo: A.A. Newton

いかがでしょうか。クラシックなポテトサラダを作る対極的な2つのレシピをご紹介しました。どちらもジャガイモのでんぷん質の力で美味しくなっています。

ここに書いてある通りに作れば、どちらのレシピもうまくいきます。もちろん、ここでご紹介した裏技を応用して、自分の好きなレシピを補強しても構いません。いずれにしても、ポテトサラダの天国を味わえますよ。

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Photo: A. A. Newton
Source: Kitchn
A.A. Newton – Lifehacker US[原文
訳:春野ユリ

ライフハッカー[日本版]

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