すだちは「常温」で置かないで
かぼすやゆずなどと同じ香酸柑橘類で、和食の風味づけとして愛されているすだち。主な産地は徳島県で、流通しているすだちの9割以上を占めています。
ハウス栽培もされているので1年中手に入りますが、露地物のすだちの旬は8月から10月とのこと。爽やかな香りを保つためには、保存のしかたにコツがあるようです。
すだちは常温で置いておくと黄色くなり、すだちの独特の酸味や風味が損なわれてしまいますので、ビニール袋に入れて空気を抜き、冷蔵庫で保存しましょう。カットしたものは切り口にラップをかけることで乾燥を予防できます。
(「Diet Plus」より引用)
すだちがたくさんあるときは、冷凍保存もおすすめだと藤井さん。常温に少し置くだけで解凍できますし、凍ったまま皮をすり下ろすこともできて便利です。
「スダチチン」で脂質代謝が改善される?
ビタミンCが豊富なすだちは、紫外線のダメージを受けた肌のケアにも適した食材。ビタミンCは加熱すると壊れやすくなりますが、生のまま絞って使うすだちなら、ムダなくビタミンCを摂ることができます。
さらに、こんなうれしい情報も。
近年、徳島大学などの研究により、すだちの皮にはスダチチンというポリフェノールの一種に、脂質代謝を改善する効果があることがわかりました。すだちの皮は捨ててしまいがちですが、果汁よりも香りが豊かな部分です。
(「Diet Plus」より引用)
しっかり洗ってから皮を千切りにしたり、おろし金ですり下ろしたりすれば、お漬物や冷や奴などのトッピングにぴったりと藤井さん。鮮烈な香りがアクセントになるので、醤油などの塩分も減らすことができそうですね。
サッパリおいしい! すだちを使った和食3選
暑さで食欲が落ちがちな夏こそ、すだちの清涼感を活用したいもの。藤井さんおすすめのレシピがこちらです。
1.牛肉ときのこのすだち醤油和え
牛肉に豊富に含まれるアミノ酸のカルニチンは、脂肪を筋肉に運び、燃焼しやすくする働きがあるとのこと。あっという間にできる洒落た一品です。
2.鮭と舞茸の幽庵風蒸し焼き
夏の疲れを解消するビタミンB群がたっぷり。鮭と舞茸を1時間ほどタレにつけ、ホイルに包んで焼くだけという作りやすさがうれしいですね。
3.豆腐ときくらげのとろ~り干しエビあんかけ
ビタミンDが豊富なきくらげは、干しエビと合わせるとカルシウムの吸収を促進してくれます。せん切りのすだちの皮の香りを効かせた、おもてなしにも使える小鉢です。
ほんの少し添えるだけで、料理全体の印象をぐっと格上げしてくれるのがすだちの魅力。夏の食卓にぜひ取り入れてみてください。
藤井歩(ふじい・あゆみ)さん
管理栄養士。大学卒業後、給食委託会社・健康関連企業での勤務を経て、現在はフリーランスの管理栄養士としてオンラインでの栄養指導業務、特定保健指導、コラム執筆など栄養関係のさまざまな業務に携わっている
image via Shutterstock