今回は日奈さんのごはん作りに欠かせないアイテムを紹介します。
ごはん作りの味方、愛着のある調理道具
誰にでも、それぞれに愛着ある調理道具があるはず。私にもたくさんのお気に入りがありますが、今日は以下の2つに絞ってみました。
炊飯はSTAUB(ストウブ)の琺瑯鍋で
STAUB「ラ ココット de GOHAN」(Mサイズ/16cm)「GOHAN」という名のとおり、ごはんを炊くときはこれでと決めています。本来は2合炊き用なのですが、私はいつもこれで3.5合を炊いています。
まず、ふたをせずコンロにセットして、沸騰するまで強火。沸騰したらふたをして弱火で10分。その後、火を止めて10分蒸らしてできあがり。炊飯器よりも短い時間でごはんを炊くことができます。途中、吹きこぼれることもなく、これがあればいつもおいしいごはんが食べられるという安心感を与えてくれる琺瑯鍋です。
丸みを帯びたフォルムは洗いやすく、洗剤をつけずに柔らかいスポンジで洗い流し、乾かします。ころんとしたかわいらしい形は、コンロ周りに出しっぱなしにしていても邪魔になりません。
深さがあるのでブレンダーもかけやすく、ポタージュを作るときにも活躍します。琺瑯は熱伝導が良いので、少しの水で野菜を蒸し煮にするときも、やわらかい味になるような気がします。
台湾で見つけた大レンゲ
もうひとつは大きなレンゲ。なんてことないようで、これが本当に使いやすい。
サイズが大きいので、おもにお玉として、スープや汁物をすくったり、和え物を和えたり。持ち手に角度がついたお玉よりも格段に扱いやすいです。STAUBの鍋と同様に、洗いやすいことも長く使い続けたいと思う条件かもしれません。
毎日出番のある大レンゲ(右)。小さいサイズも一緒に購入して愛用台湾で見つけてなんとなく買ってみたものが、今では私にとってなくてはならない存在になっています。使いやすさを共有したくて、再度台湾に行ったときには大量に持ち帰り、友人たちに配ったほど。
世の中にこれだけある調理道具のなかで、縁あってわが家に迎えたアイテムは、重い腰を上げて「キッチンへ向かおうか」という気持ちにさせてくれる“縁の下の力持ち”。これがあれば「今日のごはん作りも大丈夫」という安心感も持っていられます。
料理というと食材や味ばかりに重きを置かれがちですが、扱いやすい道具にこだわることも“ひと工夫”と言えるかもしれません。ぜひキッチンにあるご自身のお気に入りを、すぐ手に届くところに置いてみてはいかがでしょうか。
松本日奈(まつもと・ひな)
料理家。北イタリア留学中に現地の料理人やマンマから料理を学ぶ。オリーブオイルや白バルサミコなどの調味料を使い、シンプルで素材を生かした家庭料理を提案。レシピ開発やケータリング、ひな弁と活動の幅を広げる。自宅などで開催する料理教室は毎回キャンセル待ちになるほどの人気ぶり。目黒区鷹番にある食材店「ラ・プティット・エピスリー」を営む夫、ふたりの娘、愛犬と暮らす。インスタグラム
お知らせ
松本日奈さんが料理教室を開く目黒の食材店「ラ・プティット・エピスリー」が日本橋三越本店の「フランス展」に出店。日奈さんが愛用する調味料やギフトにもぴったりの食材が並びます。ぜひお立ち寄りください。
会期:2021年10月6日(水)~10月11日(月)
時間:10:00~19:00(最終日は18:00まで)
場所:日本橋三越本店 本館7階 催物会場にて
写真・文/松本日奈