中国では、1月7日に七種類の野菜(若菜)の吸い物を食べて無病を願う習わしがありました。この風習が日本に伝わったのは平安時代の頃。当時は熱い吸い物として食べていましたが、室町時代以降に粥となり、江戸時代には今のように「春の七草」を食べる習慣が広まりました。
春の七草とは、
・せり……独特の芳香があり、食欲を増進。
・なずな……ぺんぺん草ともいわれ、利尿や解熱の作用があります。
・ごぎょう……別名はハハコグサ。風邪予防に効果的。
・はこべら(はこべ)……ビタミンAが豊富。利尿作用もあります。
・ほとけのざ……別名をコオニタビラコ。食物繊維が豊富。
・すずな(かぶ)……身が柔らかく、消化がいい。
・すずしろ(だいこん)……消化がよく、ビタミンも豊富。
質素な素材でありながら、カラダにいいものばかりですね。植物に秘められた自然のパワーを感じます。
七草粥は、1月6日の昼に七草を摘み、7日の朝に調理するのが正式。けれど、自分で春の七草を摘みに行くのは難しいですし、そもそも新暦では季節が早すぎて春の七草はそろえにくいもの。
もともとは七種類の野菜を使っていたわけですから、調理する際には冷蔵庫にある残り物の青菜を代用してもかまいません。七草以外でもOKとなれば、昔の風習も気軽に楽しめますよね。近頃は、スーパーなどに行けばパック詰めされた七草セットが手に入るので、上手に活用するのもおすすめです。
お正月のごちそうやお酒で疲れた胃腸にやさしい七草粥。一年の無病息災を願いながら、自然の恵みをゆっくりと味わってみてはいかがでしょう。
photo by Thinkstock/Getty Images
text by 景山えりか(文筆家/アストロ・コミュニケーター)
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ライフスタイル誌を中心に、ナチュラルコスメ、ハーブ、ホリスティック医療などの取材記事を多数執筆。MYLOHASではオープン当初よりライターとして参加。その一方で、アストロ・コミュニケーターとして、星空や天体ショーの楽しみ方、月や星の文化、宇宙系グッズやイベントなどを各種メディアで紹介。星や宇宙を「自分に関係のあること」として楽しんでもらえるように多方面で活動中。著書に『自然とつながる暮らしかた 空の向こうは私のうちがわ』(講談社)。
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