ヨガのクラスで、必ずレクチャーされるのが「呼吸」について。

呼吸は、目には見えないけれど、私たちが産まれてから死ぬまで、休むことなく繰り返されている大切な生命維持活動。それなのに、意外と上手に行えていないことも多く、その代表的な例のひとつ「浅く、早い呼吸」が引き金となって、様々な不調を引き起こすことにも。

特に現代人は、刺激やストレスにさらされているため、心身のこわばりから呼吸が浅くなりがち。逆を言えば、正しい呼吸さえマスターできれば健康だけではなく、人生の質までが劇的に変化させることもできるはず。その方法はとてもカンタン。普段、無意識に行っている呼吸を意識的に行うだけ!

ここでは、横隔膜(肺の下部)を使い、お腹を出したりへこませたりしながら行う、「腹式呼吸」をヨガの教えと共にご紹介していきます。


「腹式呼吸」のメリット

体内の浄化作用
肺は体のガス交換の要。腹式呼吸は加齢と共に萎縮する肺の下部を活用するので、肺を健全に保つ働きに効果あり。また、全身に気(※プラーナ)を巡らせ、体の浄化作用を助けるので「ヨガを始めたら風邪をひかなくなった!」という人も。
※「プラーナ」とは、サンスクリット語で「気・生命エネルギー」を表す言葉。

女性特有の悩みの改善
横隔膜を動かすことで内臓のマッサージにも。その他、血液やリンパ液の循環を促すことで、主に下腹部の血液循環が悪くなることが原因のひとつと言われている、子宮内膜症や生理不順、冷え性や便秘の改善なども見込める。

心の不安を解消
深い呼吸(特に吐く息)が脳を刺激することで、リラックスを司る副交感神経を優位に立たせ、脳からセニトロンという物質を排出する。セニトロンは爽快感をもたらし、ストレスや痛みを押さえる働きがあり、不安感を拭い去る。


正しい「腹式呼吸法」にチャレンジ!

(1)背筋を伸ばし、楽な姿勢で座ります。肋骨の下部に手を当てリラックスしながら息を吐く(この時に上半身の力を、完全に抜くようなイメージ)

(2)息を吐くごとに、肋骨が内側に狭まり、お腹が軽く凹む(強く息を吐ききろうとしないこと)

(3)吸う息が始まったら、肋骨が左右に広がり、お腹が軽く膨らむ様子を意識して吸気を深める

(4)慣れてきたら肋骨を触れずに(両手は楽な位置に)、呼吸と共にお腹膨らむ感覚、凹む感覚に意識を向ける

※はじめて行う場合は、吐く息を大切に行いながら、まずは体の力を抜くことを優先に行いましょう。体の力が抜けない場合は、ベッドに寝転んだ状態で行ってもOK。

呼吸をコントロールすることは、心身のコントロールにつながります。"心と体の懸け橋"いつでもどこでも簡単に始められる腹式呼吸で、毎日を健やかに謳歌しましょう!

photo by Thinkstock/Getty Images

(村上華子)

RSS情報:http://www.mylohas.net/2013/07/031409post_2185.html