【シャンプーのCMに登場する女性たちの歩き方】を真似する
Richard Wiseman氏が『The As If Principle』で提唱しているのが、"あたかも自分が幸せであるかのように振る舞うことで、本当に幸せになれる"ということ。
シャンプーのCMに登場する女性が、髪をゆったりと優雅に揺らしながら歩くシーンをよく見かけますが、この歩き方こそ"幸せへの近道"だと彼は言います。実際、ある研究者によれば、普通に歩いている人に比べ、たった3分間だけでも、大きく手を振り、大股で歩いた人の方が、幸せな気分を実感したという研究結果が出ています。
大股で、わざわざ頭を揺らして......道端で突然こんな歩き方をはじめる勇気はないかもしれませんが、家のなかでならちょっとした気分転換になりそうです。
「あたかも自分が幸せであるかのようにふるまってみる」というところは、すぐにでも実践できそう。確かに不幸そうにしていると幸運は寄ってきそうもないですね。
【自分へのご褒美より、人にプレゼントを!】
Adam Grant氏が、成功について説いている著書『Give and Take』によると、"人への寛大さこそ、自分の成功を後押しし、敗北から遠ざけてくれる"と伝えています。どんなに難しい状況でも、いつもと変わらずに振る舞うことこそが大切だとか。
ハーバード大学の研究によれば、人に3~15ユーロ程のプレゼントを贈ると、自分に同じものを買った場合よりも多く幸せを感じられるという研究結果が出ています。
自分へのプレゼントを我慢して、いつも他人へのプレゼントを買うというのは、ちょっと難しいかもしれません。でも、500円のケーキや2,000円のマッサージオイルなどちょっとしたものでも両親や友人、パートナーにプレゼントしたとき、その喜ぶ顔に幸せを感じますよね。ということは、このロジック、あながち噓でもなさそうです。
【ポジティブな性格でない人は悲観的になってもよい】
Heidi Grant Halvorson氏が、成功について説いている著書『FOCUS:Use Different Ways of Seeing the World for Success and Influence』によると、"世の中には「勝つためにプレーする人」と「負けないようにプレーする人」の2タイプが存在する"と説いています。そして、その違いは、モチベーションの上げ方の違いにもつながるのだそうです。
たとえば、「悲観的な傾向を持つ人で、常に"負けないように"振る舞う人」にゲームをさせ、モチベーションの変化を見る実験がありました。その人に「あなたが勝った」と伝えた途端、ゲームに対するモチベーションが失せてしまうことが判明しました。一方、「あなたは負けそう」と伝えると、"もっと上手にやろう"とモチベーションをあげる傾向が見られたのだそうです。
つまり、もともとポジティブではない性格の人は、"無理してポジティブになろうとせず、悲観的になってもよい"ということ。
このロジックは、「幸せになるためには、いつもポジティブな気持ちでいなければいけない」という、一般的な思い込みとは真逆! ときには無理に明るく振る舞わなくてもいいのかと目からうろこ。ただ、「悲観的になってもよい」というのは、いつでもどこでもというわけではなく、あくまでも"モチベーションをあげられる分野"だけにした方がよさそうです。そうでないと、幸せどころか、いつもネガティブな暗い人になってしまいそうですもんね。
幸せになるため、成功するためのちょっと変わった「珍」戦術。こういった発想の転換こそが幸せへの道、とも言えそうです。
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(下野真緒)