本日から立冬がはじまります。

あちらこちらに冬の気配を感じて冬の冷たい風にぐっと身体も気持ちも引きしまってくる頃です。その一方で、ときおり訪れるあたたかで柔らかな小春日和。幸せな雰囲気にほっと幸せを感じます。

厳しい寒さは苦手の方も多いでしょうけれど、いつもは忘れがちな「ぬくもり」の心地よさ、ありがたさを満喫できるのも冬の季節のよいところです。

心に染みわたる色彩

冷たくなっていく空気とはうらはらに燃えるような色に輝きはじめるのが木々の紅葉です。それはまるで冷たい季節にさらされる私達の心を慰めてくれるかのよう。北の紅葉はハッとして戸惑うほど鮮やかで、色が胸の中に染みわたっていくような美しさです。

それはまるで北国の長く厳しい冬を越えていくためのプレゼントのよう。本格的な冬の訪れを前に紅葉を見に行けば、強力な色のパワーをカラダに取り入れることができるでしょう。

江戸時代の人々も「紅葉合」といって黄色や橙色、赤色に色づく紅葉を見ながら句を詠むことを愉しんだようですが、「楓」が流行して、ちょっとした色やかたちの違う種類を作り当時すでに100種ほどの楓があったというから、並々ならぬ気持ちの入れこみようが伝わってきます。

都会での紅葉の愉しみ方

忙しくて遠出して紅葉を見に行く時間がないという方におすすめなのが街路樹の紅葉。通勤途中の街路樹など、もう一度見回してみてください。

ちなみに街路樹は色づきが美しい種類を選んで植えていることも多いので、遠出して紅葉見物することに劣らず眺めて愉しむことができます。アメリカフウ、イチョウ、トウカエデ、タイワンフウなど......美しく紅葉する葉の街路樹はいろいろ。

無機質な灰色の道路にはらりと落ちている色づいた落ち葉にも注目。ダークな色合いの道路のおかげで、色づいた葉の美しさが際立ち、都会ならではの紅葉の愉しみができます。

料理のあしらいにも

落ちたばかりの美しい葉を手に入れたらおうちに持ち帰ります。

昔ならではの保存は押し葉ですが、美しい色合いを長持ちさせたい時は冷凍保存がおすすめ。使う時は自然解凍してちょっとしたお料理のあしらいに使うと季節の喜びをもう一度愉しめますよ。

(広田千悦子)

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