「30代からのコスメ探しは、20代と同じではダメ。30代以降に必要なコスメの探し方があるのです」と語るのは、化粧品開発者でコスメ成分アドバイザーの尾崎幸子さん。
「20代の肌は活動が活発で回復力があり、マイナスの影響を受けにくいため、極端を言えば、軽く保湿するだけのスキンケアでも問題ありません。しかし30代以上になると、肌自身の力が減少し、化粧品が持つマイナス要因(肌に合わない等)を肌が感じやすくなります」
30代からの自然派化粧品選びは、つけた瞬間の心地よさやパッケージの可愛さ、人気だけでなく、「数か月、数年後、になりたい理想の肌」を基準に、自分に合う成分、製品を見極めることが大切になるそう。
まずは、「30代からの自然派コスメの選び方」を尾崎さんに教えていただきました。
なりたい肌で選ぶ! 正しいコスメ成分の見分け方(1)うるおいたっぷり! ぷるぷる肌になりたい人には......
ヒアルロン酸、コラーゲン、セラミド、オリーブオイル、ホホバオイル、スクワランなどをはじめとする保湿成分が、成分表記の最初の方に記載されているものが良いです。商品に記載されている成分表記は、多く入っている成分から順に書かれていることが多いからです。
メジャーなヒアルロン酸やコラーゲン、セラミドは動物性である場合が多く、植物性よりも効果が高いとされていますが、植物性にこだわりたい人は、
・植物性ヒアルロン酸:
ポリグルタミン酸(納豆のネバネバ成分)、シロキクラゲエキスなど
・植物性コラーゲン:納豆エキスなど
・植物性セラミド:コメエキス、ユズ種子エキスなどの成分を選ぶとよいでしょう。
他にも、植物系だとアロエベラ、ヘチマ、キュウリ、ヨクイニン、果物系だとベリー系やリンゴなど、保湿効果を持つものが多くあります。ただし、先に挙げたものよりは保湿効果が穏やかになります。
(2)見た目年齢キープ! エイジレスな肌を目指すなら......
コラーゲン、プラセンタ、セラミドなどは、保湿以外にもハリ感などのエイジングケアが期待できます。ですが、一般的に動物由来の方が多いので、植物由来にこだわる場合は、先にお話しした植物性のコラーゲン、プラセンタ、セラミドや、乳酸菌を元に作られた乳酸球菌培養液(ミルク由来プラセンタ)などが良いでしょう。
最近注目されている、乳酸菌、酵母、納豆、麹、米、乳酸桿菌発酵のブドウ・セイヨウナシなどの「発酵コスメ」も、エイジングケアには非常におすすめ。感触が軽いながらも効果が高く、もっちりした、若々しい肌感を目指せます。
保湿にしてもエイジングケアにしても、大事なのは「濃度」です。決まった容量の中に成分を入れ込むわけですから、種類が増えれば1つあたりの量は減ってしまいます。多くの成分が入っているオールインワンタイプより、配合成分の種類が多すぎないものをラインで使う方が、それぞれの成分濃度が高くなるので、30代からの肌にはおすすめです。
(3)効果も気になるけど、安心な成分で美肌を目指すなら......
人によって食べ物のアレルギーの有無があるように、コスメ成分も100%安心と言い切るのは難しいところ。ただ、使用する上で気分良く使えることが美容効果に影響するのも確か。そういう意味でも、安心な成分を選ぶことは大切だと思います。
次は、安心な成分かどうかの目安にしやすい「オーガニック認証の見分け方」について伺いました。
化粧品開発者/コスメ成分アドバイザー・尾崎幸子さん
文系の大学を卒業後、人材ビジネスに10年間従事するも、シャンプーのPRに関わったことを機に化粧品に興味を持ち、大手化粧品メーカーの開発などを手掛ける、化粧品開発コンサルタント・岩田宏氏に弟子入り。化学の基礎から化粧品処方までを学び、2013年11月、自ら開発したジェネリックコスメ「MUQ」を発売。自身が皮膚疾患を抱えていることもあり、身体に優しく、正しく機能する化粧品を現在も開発中。日々ビーカーを片手に実験に勤しみながら、客観的に正しいコスメ情報を発信すべく、「コスメ成分アドバイザー」としても活動中。
photo by Thinkstock/Getty Images
(Ricky)