コスメ成分アドバイザーに聞く！ オーガニック認証の見分け方【vol.2】
vol.1では、「理想の肌を叶える、成分の賢い見分け方」についてお伝えしました。
vol.2では、安心な成分かどうかを見極める際の目安にしやすい、「オーガニック認証の見分け方」について、引き続き化粧品開発者でコスメ成分アドバイザーの尾崎幸子さんに、教えていただきます。
じつは曖昧な「オーガニック」表記自然派コスメというとオーガニックをイメージする人も多く、オーガニックと名がついていれば安心と思われる方も多いですが、日本ではオーガニックとしてコスメを販売する明確な基準がありません。例えば、オーガニック認証を受けた原料（成分）を1%だけ配合し、その他99%がケミカルな成分だったとしてもオーガニックを強調して販売することが可能なのです。
製品がオーガニック認証されている場合は、「製品認証」と記載されていたり、HP等で説明が入っています。どの団体に認証されているかも記載されています。原料の一部のみがオーガニックの場合は「オーガニック成分配合」「オーガニック認証成分使用」などと記載されています。
オーガニック認証の見方さらに、フランスの有名な認証団体「エコサート」に製品としてオーガニック認証がされた場合は、95％は自然原料だと判断できます。
ドイツの団体「BDIH」ではパーセンテージは決まりがないものの、合成色素、合成香料、シリコン、パラフィン、その他石油製品、エトキシ化物質は使用しないとの基準があります。
このように認証団体によって基準は様々ですので細かく気にしたい場合は団体の基準も確認するのが良いです。その他、有名なオーガニック認証団体についてはこちらをご覧ください。
★ドイツの新しい認証団体「ネイトゥルー」
オーガニック成分の比率により星の数で分類しています。
星1つ：オーガニック成分70％未満
星2つ：オーガニック成分70％以上
星3つ：オーガニック成分95％以上
その他合成香料・合成色素、石油系原料不使用など細かな基準があります。
★オーストラリアの認証団体「ACO」
オーストラリアの認証団体。製品認証の場合、95％がオーガニック成分であることが基準です。残りの5％もオーガニック以外の自然な成分である必要があり、厳しい基準になっています。
★アメリカのオーガニック認証「USDA」
USDAはアメリカの農務省の略で、NOP（National Organic Program）という制度でオーガニック認証をしています。製品としてこのロゴを使えるのは2パターン。100％オーガニック成分か、95％以上オーガニック成分の場合。他にもあと2段階の基準もありますが、その場合はロゴは使用できません。
95％以上の場合、残りの5％は米国使用認可合成物質および使用禁止自然物質リストで認められたものとなります。
動物由来の成分はオーガニック認証されないオーガニック認証されるものは植物由来の成分になります。同じ自然由来成分でも動物由来の成分はオーガニック認証されません。動物由来のヒアルロン酸、コラーゲン、プラセンタなどは、オーガニックというくくりでは出会えない成分です。
いつも美容雑誌などで情報収集しているつもりでしたが、成分について、ここまで知ることができる機会はなかなかありませんでした。
ここまでで、「理想肌を叶えるための成分」、「安心な成分を探す目安」が分かってきました。
次は、自然派コスメに使われる防腐剤はどのようなものか、そして避けた方が良い成分は何か、について伺いました。
化粧品開発者/コスメ成分アドバイザー 尾崎幸子さん
文系の大学を卒業後、人材ビジネスに10年間従事するも、シャンプーのPRに関わったことを機に化粧品に興味を持ち、大手化粧品メーカーの開発などを手掛ける、化粧品開発コンサルタント・岩田宏氏に弟子入り。化学の基礎から化粧品処方までを学び、2013年11月、自ら開発したジェネリックコスメ「MUQ」を発売。自身が皮膚疾患を抱えていることもあり、身体に優しく、正しく機能する化粧品を現在も開発中。日々ビーカーを片手に実験に勤しみながら、客観的に正しいコスメ情報を発信すべく、「コスメ成分アドバイザー」としても活動中。
photo by Thinkstock／Getty Images
（Ricky）