二十四節気の「大雪」の期間となりました。富士山には真っ白な雪が積もる頃。平地でも雪が降るような寒さを迎えます。
師走に入り、仕事納めに向かっていつもより忙しい日々を迎えて大忙し! の方も多いでしょう。そういう時は自然と「疲れを癒すもの」、「縁起をかつぐもの」にぐーっと気持ちが向いてきます。そこで、注目したい12月の縁起のいい木が「南天の木」。英名は「HEAVENLY BAMBOO(ヘブンリーバンブー)」、天国の竹です。
昔から重宝されていた「南天」日本では「難を転じる」、「成る天」の音によって、昔から魔よけの力や抗菌・防腐効果ががあるといわれ、家の庭に一本は植えてある、なじみ深い木でした。現在でも、縁起を担ぐ箸として箸の材料にしたり、含まれる咳止め成分から南天のど飴に。意外なところで南天は今も活躍しています。
抗菌効果ありで料理の彩りに◎南天といえば鮮やかな赤い実が印象的ですが、葉も美しく色づきます。特に日当りのよい場所のものは紅葉がほんとにキレイ。
和もののイメージが強い木ですが、鉢植えにすると洋風の表情を見せる便利な一鉢に。例えば防腐効果のある葉を一枝折ってお弁当の彩りやおかずのアクセントにすれば、食べ物の魅力をグンと品よく引き立ててくれる優れもの。ハレの日のお赤飯も、年末年始のお重やお弁当の上に南天の葉をのせるのも、縁起かつぎであるとともに抗菌力があるからなのです。昔は水がない時に、抗菌力のある葉を利用して手にすりつけて手洗いのかわりにする、という利用方法もあったようです。
魔除けのおまなじない他にも、悪い夢を見たときに、その夢を南天に語りかけると災いを避けられる、悪い夢を避けるために、枕の下に南天の葉をしのばせるとよい、といういい伝えがあります。縁起のよい初夢を見るのに利用してみるといいかもしれません。
南天は寒い時期にはお花屋さんで扱っていることも多いですが、植木のオンラインショップでも宅配してもらえます。飾っておくだけでも美しく、幅広く活躍してくれる南天の木、一鉢あればいくつもの楽しみ方ができます。
(広田千悦子)