みなさん、こんにちは。アストロ・コミュニケーターの景山えりかです。
この夏、宇宙をテーマにした展覧会やイベントが各地で開催されています。それらの切り口を見てみると、天文学や宇宙開発、芸術がほとんどです。しかし、宇宙をひも解くうえで忘れてはならないものがあります。それは、占星術です。
占星術と宇宙のつながり占星術と聞くと「誕生日で簡単に占える12星座占い」のイメージが強いと思いますが、本来の占星術はもっと複雑。占星術家は、天空を移動する惑星の動きを把握して、ホロスコープ(天体の配置図)を描き、そこから天と地のつながりを読み解かなくてはなりません。占星術には天文の知識が必要となります。かつては、天文学を研究する人たちが占星術をたしなみ、天文学と占星術が混然一体となっていた時代がありました。古代ローマの天文学者・プトレマイオスや、自作望遠鏡による天体研究で有名なガリレオ・ガリレイも、占星術家の一面を持っていたほどです。
いまでこそ独立したひとつの分野として知られる占星術が、天文学と軌を一にした歴史を持つことがわかると、星占いに対するイメージが変わってきますよね。金運や恋愛運といった個人を占う術としてだけでなく、もっと深くて広い宇宙観を占星術の世界に感じとれるはずです。
鏡リュウジさんが語る宇宙論占星術的な宇宙論について興味がわいてきたら、東京都現代美術館で開催される講演会「占星術のコスモロジー」がオススメ。登壇するのは、占星術研究家・翻訳家として活躍されている鏡リュウジさん。占星術の歴史や世界観から語られる宇宙論には、科学の目で見た宇宙と、私たちの心にある「内なる宇宙」をつなげるヒントが隠されているかもしれません。
宇宙の謎を解きあかそうとする欲求は、古代から現代にいたるまで私たち人類を突きうごかしてきました。その欲求という名のタネは、大地の奥深くにまで根を張りめぐらせ、枝分かれし、科学、宗教、芸術、哲学など、多面的な活動を生みました。それらは、現代社会において、ときに対極にあるようにみえますが、同じ根っこであり、ひとつのタネから生まれたものなのです。
ニュートラルな気持ちで、それぞれのコスモロジーに触れれば、宇宙の姿が見えてきそうです。
「占星術のコスモロジー」
日時:8月15日(金)19:00~20:00(開場18:45)
講師:鏡リュウジ(占星術研究家・翻訳家)
定員:先着100名、整理券制
会場:東京都現代美術館 企画展示室地下2階アトリウム(予定)
アクセス
参加費:無料(当日有効の展示観覧チケットが必要です)
※当日17:30より総合受付にて整理券を配布予定
※当日は21:00まで夜間開館を実施しています(最終入場20:30)
[東京都現代美術館]
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