ニュートラルな視点に戻してくれる本常識とは、十八歳までに身につけた偏見のコレクションのことをいう。
(『アインシュタイン150の言葉』P26より引用)
大人になるにつれ、無意識に思い込みや想像といった色眼鏡で世の中を見ることが増えてきたなと感じます。知ってるつもり、わかったつもりをなくして、子どものころのニュートラルな視点で物ごとを見ると、世界はどう見えるのでしょうか。
そんな疑問を感じたときや、子どもに自分の偏見を押し付けてはいないか心配になったときなど、ニュートラルな自分に戻りたいときに、ぜひ読みたい本があります。それは『なんで水には色がないの? 大人も知らない世の中の仕組み』です。
善悪ではなく、事実から考えるたとえば「どうして戦争がおこるの?」という質問には、こういう答えが書かれています。
富の独占のために侵略し、
自衛のために応戦する。
日本も無縁ではなくなっている
(『なんで水には色がないの? 大人も知らない世の中の仕組み』P64より引用)
ここでのポイントは「なぜ人を殺すの?」といった道徳の話にならないように気を付け、国家間の関係にフォーカスを当てることなのだとか。なぜなら、「単純な善悪で語れるほど戦争は簡単な問題ではない」からです。
そこで『ドラえもん』から、このような言葉も紹介しています。
「どっちも、自分が正しいと思ってるよ。戦争なんてそんなもんだよ」
(『なんで水には色がないの? 大人も知らない世の中の仕組み』P63より引用)
「自分だけが正しい」そう思いこんだ時点で、それは偏った見方なのかもしれません。この本は、そういった思いこみよりさきに事実に目を向け直すギアのようにも思えます。
知ることで世界が広がるこの本には、上記の戦争のように「わかっているつもり」のものだけでなく、「知らなかった」お話もたくさん載っています。
たとえばタイトルにもある「なんで水には色がないの?」や、「なんで宇宙には空気がないの?」といった知識的なことから、「こころはどこにあるの?」といった少し哲学的なアプローチまで、そのラインナップは多種におよんでいます。
最後に本のなかから「大人って、楽しい?」より、こんな言葉を引用したいと思います。
知ることで、世界はもっと楽しくなる
(『なんで水には色がないの? 大人も知らない世の中の仕組み』P187より引用)
ニュートラルに物ごとを見ることの楽しさが、人生を豊かにしてくれるのかもしれません。
[なんで水には色がないの? 大人も知らない世の中の仕組,アインシュタイン150の言葉]
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