源泉数・湧出量ともに日本一を誇る別府温泉。別府市内には、鉄輪温泉や明礬温泉など、泉質や趣が異なる8つの温泉郷が分布し「別府八湯」と呼ばれています。

spring」展の会場、スピカの様子。什器の古道具も販売しているものが多いです。

そんな大分県別府市で、3月9日~3月31日まで、展覧会を開催中。メンバーは、東京と別府を行き来しながら出版・広告の分野を中心に活動をおこなうイラストレーターの網中いづるさん、大分県杵築市の工房「wakako ceramics」で作陶をおこなう陶芸家の坂本和歌子さん、フレンチアメリカンがコンセプトで代々木上原に所在するセレクトショップ「THE M.B」のオーナー兼バイヤーの坂内麻里子さん。そして、文筆家の。職種の異なる4名で、合同企画展をおこなうことに。会場は「SPICA」という、雑貨と古道具の店。

坂本和歌子さんの器に、網中いづるさんが絵付けした「spring」展のための作品。私が考えた言葉を、器の名前に。この3つは、私が購入したものです。

温泉を英語で表すと「hot-spring」。それから、会期が春のはじまり、3月ということで、展示名を「spring」展に。今回のために創作・制作したものを中心に、絵画、器、言葉、本、生活雑貨、Tシャツ、春や温泉地を思わせるさまざまを展示・販売しています。

旅館やホテルの多い別府で、温泉タオルをつくり続ける老舗「別府タオル」で、「spring」展オリジナルタオルをつくりました。温泉に入ったあと、濡れたタオルをしまって帰れる温泉バッグ(ナイロンバッグ)とセットです。

4人揃って会場に立つイベントに合わせて、4度目の別府へと旅立ちました。4日間の滞在中、大分でものづくりをおこなう職人さん作家さん、それらを大切に扱う店との出会いも多く、帰路につく頃は旅行カバンもぱんぱんに。中身はもちろん、大分メイドの品々です。

温泉につかったあとは、楽な服装で過ごしたいもの。温泉地で寛げるように、Tシャツも作成。柄は、水玉とユニコーン。幼児~大人まで、色もサイズも豊富です。

地熱でぽかぽか温かい温泉地では、道端で猫が気持ちよさそうに眠っている風景をよく見かけます。そこで、ねこ缶もつくりました。茶葉やコーヒー豆だけでなく、ねこのカリカリを入れても。

マスキングテープが10個収納できる缶。「spring」展オリジナルカラー。

温泉だけでなく、真竹の生産も日本一の大分。別府では竹細工が伝統的に生産され、職人さんの数もたくさん。竹細工の学校もありますが、私の友人はお師匠さんに付き、竹細工の勉強をはじめました。さらには、網中いづるさんの長年の友人が、今年の1月に別府竹細工の専門店「bamboo bamboo」をオープンしたこともあって、私も自然と竹細工の美しさや繊細さに惹かれるように。日常的に使用できる雑貨類から、規模の大きな芸術作品まで、広く深い竹細工の世界。「bamboo bamboo」のオーナー・中村友紀さんに、作家さんやつくり方の違いを伺いながら、橋・スプーン・箸立てを購入しました。

別府竹細工の専門店「bamboo bamboo」。かご・バッグ・アクセサリー・台所道具など、たくさんの竹細工が並んでいます。

別府で竹細工を勉強中の友人がつくった竹のカゴ。いただいたパンを入れて、食卓に。

拙著『はじめましての郷土玩具』でも紹介している、別府の郷土玩具「豊泉堂」の土人形。職人さんを訪ねて、直接購入。左から「姫だるま」「福獅子」「鳩笛」。

別府の公衆温泉は、100円からと破格の入湯料。多くの人は毎日のように、近所の温泉に通っているそう。温泉付きのマンションも、別府では珍しくないそうです。温泉も食も豊かな町。東京から移住する人が増えているというのも頷けました。

この春、湯治がてら別府へ赴く方がおられましたら、ぜひ「spring」展へ、お立ち寄りを!

[別府・スピカ「spring」展] 

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