国宝 鳥獣人物戯画甲巻(部分)平安時代・12世紀、京都高山寺(4/28〜5/17まで展示)
相撲をとるカエル、追いかけっこをするウサギとサル......楽しげに遊ぶ動物たちの絵巻物、鳥獣戯画。みないちどは目にしたことがある躍動感あふれるこの絵が、100年ぶりの大修復をへて公開されます。
ナゾの多い絵巻物国宝 鳥獣人物戯画甲巻(部分)平安時代・12世紀、京都高山寺(5/19〜6/7まで展示)
文化財とされる鳥獣戯画ですが、いつ、だれが、なんの目的で描いたのかはわかっていません。おそらく複数の絵師によってそれぞれちがう時代に描きつがれたものだと考えられていますが、ナゾの多い絵巻物です。
わからないことだらけのこの絵には、素敵なメリットがあるように私は思います。それは情報に影響されず「ただ眺める」ことができること。描かれた背景や作者について自分だけの想いをもって絵と対峙(たいじ)できるのです。
自分をふりかえるきっかけに国宝 鳥獣人物戯画丙巻(部分)鎌倉時代・13世紀、京都高山寺(5/19〜6/7まで展示)
動物たちが的を弓矢で射ていたり、人間の儀礼を真似してふざけていたりするようすは、描かれた目的がわからないだけに、自分で面白さを発見できそう。カエルが仏像の真似をして座り、動物たちがありがたそうに拝んでいるさまを見れば、困ったときだけ神頼みをする我が身をふりかえって、思わず苦笑い......。
動物が人間の真似ごとをしてくれることで、ふと自分を客観視できる。日頃の行いを見直すチャンスにもなるかもしれません。
開催日:2015年4月28日(火)から6月7日(日)
時間:9:30~17:00(入館は閉館の30分前まで)
※ただし、会期中の金曜日は20:00まで、土・日・祝休日は18:00まで開館
場所:〒110-8712 東京都台東区上野公園13-9 国立博物館 平成館