女性の美について、私たちを考えさせてきたことで有名な「ダヴ」のキャンペーン。ときには標準体型で下着姿の女性たち。ときには初老の女性の健やかな笑顔。美への気づきを与えてくれる、素敵なものばかりです。

まわりの目が美のモノサシ?

美とは誰が決めるのか。最近のキャンペーン「Choose Beautiful」では、世界5か所(サンフランシスコ・上海・デリ・ロンドン・サオパオロ)で、興味深い実験が行われました。

「平均」と「美人」の2つのゲートが用意された建物。その文字を見て、困惑する多くの女性たち。「美人」側をくぐることに躊躇した多くの女性たちは、同伴の女性とともに「平均」のドアをくぐります。ひとりで建物の前までやってきたある女性は、背を向けてその場から逃げる場面も。

のちに行われたインタビューでは、女性たちから後悔の声が多く聞かれました。

「(『平均』のドアを通った女性は)気分が悪かった、自分のことを『平均だ』と決めたのは、他の誰でもない自分自身だから」

Healthより引用

満足することがなく、足りないところを探してしまう引き算の美。本当に目指す美は、まわりが認めてくれる「世間の美」でもあるからです。現状の自分が好き、と言おうものなら、まわりから浮いてしまうかもしれないという恐れも手伝って、「自信=おごり」と無意識に捉えてしまうのです。

「美しさ」を認めたとき

娘を連れた母親が、堂々と「美人」のゲートをくぐります。そして「平均」ゲートへ向かおうとする娘の手をひき、一緒に「美人」ゲートへ足を向ける。この様子がとても微笑ましいのです。

毎日「平均」のドアをくぐる女性たちも、ある日勇気を出して「美人」のドアを通ります。すると、こぼれるような満面の笑顔に! とても印象的な瞬間です。

ダヴのメッセージは「『私は美しい』と感じることは、女性が活力を感じるために必要な、個人のチョイスである」ということ。胸にせまるものがあるキャンペーンです。

Health

woman via Shutterstock

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