若干9歳の時に蝶ネクタイの会社を立ち上げた男の子がいます。名前はボー。おしゃれな彼は蝶ネクタイが大好きで、みなにその良さを伝えたいと考えはじめます。彼の会社の名は「ボーの蝶ネクタイ(Mo's Bows)」。
いままでの蝶ネクタイというとカチッとしていて、赤や黒のモノトーンが多め。いかにも男性専用、という感じです。しかし彼の蝶ネクタイは、ペイズリー柄や水玉、チェックや花柄など、カラフルで自由で楽しくなるようなものばかり。すべてハンドメイドだから、形にあたたかさがあるのも魅力。女性がしても非常に新鮮で、フォーマル過ぎずに品の良いキュートさを演出、つければ即座に気分があがりそうです。
自分がつけたいものをつくった自分の欲しいイメージ通りの蝶ネクタイが近所で売っていなかったためという理由で蝶ネクタイビジネスをスタートさせたボー。おばあちゃんの工場の片隅で、自分で生地を裁断。それを縫いあわせて作ったのがきっかけで、彼の会社は瞬く間に大きく成長しました。
口コミで彼のうわさは広まり、アメリカの高級大型デパートで売られるだけでなく、ヴォ―グ誌やエルなどのファッション雑誌、さらにフォーブスなどのビジネス誌にも取り上げられました。
情熱と交渉力がひとを動かす交渉の場には必ず彼が足を運び、自慢の「蝶ネクタイ・スーツケース」を持参。なかにはすべてのコレクションが入っており、この魔法のスーツケースを見た顧客たちは目を大きくクルリ。こういった地道な人との付き合いにより、彼のビジネスは成り立っているのだそう。
新しいビジネスモデルのきっかけが何気ない日常の出来事からみつかることは、稀なケースではありません。彼の場合、運も大きくあるけれど。成功の秘訣が決してお金目当てでないこと。ひとを突き動かすのは先にもあとにもやはり大きな情熱なのだと、あらためて感じました。
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