それはハワイ島・プナ。なぜなら、世界一の活火山キラウェアの麓に広がる自然がむき出しのその地域では、「大地に根ざした暮らし」を送ることができるから。
ここでは、多くの人たちがソーラーで電気を作り、雨水を貯め、野菜や果物を自分たちの手で育てる自給自足生活をしています。また、温暖な気候のもと、パパイヤ、バナナ、ココナッツなど、栄養豊富な「スーパーフード」がたくさん収穫できることから、ローフーディストたちにとっての聖地でもあります。
そんな「プナ」に飛び込んだ「フツーの女のコ」、未央さんの目線で書かれた『はだしのハワイ―大自然に学ぶナチュラルライフ』。
日本風に言うならば、未央さんは「アラフォーのシングル・マザー」。地元のヘルスフードストアでオーガニックの食材を使った調理を担当しながら、プナならではの(日本で暮らす人間から見るとかなり)ワイルドな生活と、母親としての悩みと葛藤と喜びに120%の情熱を注ぎながら暮らしている様子が、いきいきと描かれています。
プナのヘルシーな食生活として、「ローフード」をいきなり100%採用するのではなく、自分の体と相談しながら少しずつ取り入れればいいとか、彼女にとって身近な存在である「オーガニック」食品のこと、ホメオパシー、ホオポノポノなどなど、気になるキーワードもたくさん出て来ます。
また、この土地で暮らす人たちの哲学やライフスタイルにも触れられています。30年前の噴火で家が溶岩の中に埋もれてしまったベスは、こう語ります。
「何があっても受け入れること。許すこと。それが大事。」
その言葉を受け、未央さんは「受け入れ、許すと、自分の中に平和が宿」ると記しています。また、ハワイのクプナ(長老)、アンクル・ロバートとそのパートナーの紅子さんはこう語ります。
「万が一、島に飛行機や舟が来なくなって物流が途絶えてしまっても、自分たちで食べ物を確保できれば生き残れる。現状の経済システムのなかで生きるって、お金がなくなったらどうしよう、電力が消えたらどうしよう、物が手に入らなくなったらどうしよう、という恐怖や不安と常に背中合わせでしょう?自給自足の暮らしは、それらの恐怖を消し去ってくれる。アンクルたちはお金に支配されない昔ながらの生き方を実践しているの」
今の日本に生きる私たちには、とても深く響きますよね。自然と共存する生き方とは、身も心も「ロハス」な生き方であると教えてくれます。一見ワイルドすぎる生活が、じつは最先端な暮らし方なのでは……?とも思えてきました。
巻末にはプナ地区の観光ガイドも掲載されていて、写真家・岩根愛さんの写真も素敵な、今までにない濃厚なハワイのガイド本です。
Photos by 岩根愛
[はだしのハワイ―大自然に学ぶナチュラルライフ]
著者:未央
出版:エディシォンドゥパリ
価格:1,680円(税込)
text by 石川裕子
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ハワイ島で写真教室・ウェディングや記念写真を撮影するフォト・エージェンシー「三日月カメラ」代表。大手新聞社にて報道カメラマンとして勤務後、ハワイ島へ。ハワイ州マッサージ・セラピストライセンスを持ち、レイキも施す「揉んで癒せる」スピリチュアル系フォトグラファー。猫とウクレレをこよなく愛し、夜な夜なサザンを弾き語っています。
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