水にそっとつけて、その気化熱で涼をたのしむ「水うちわ」。その昔、船遊びの際に長良川の水につけて扇いだという風流な説話もあるのだとか。
現代ではポリエステル素材のものや、水につけたまま凍らせるステンレス製の「氷うちわ」などもありますが、今回は岐阜県の伝統工芸品としての美しい「水うちわ」をご紹介します。
一枚一枚手描き&手作り見た目が透けて涼しげですが、これは雁皮と呼ばれる植物の皮を使って漉く、とても薄い「美濃手漉き和紙」を使用しているからこそ出せる透明感です。その和紙にちょうちんの絵付け職人さんが一枚一枚丁寧に、手刷りで絵付けをしているのだそう。
さらに水に濡れても破れない強さを出すために天然のニスが塗られているのだとか。でもあまり水につけると白濁してしまうようなので、ふだんは普通のうちわとして使用するなど、たいせつに扱いたいものです。
実際に涼が体感できるエコなうちわというだけでなく、美術品としてお部屋に飾っておくだけでもステキな「水うちわ」。夏のプレゼントとしても喜ばれそうです。
[水うちわ.com , 家田紙工株式会社 , 雅覧堂 , 茶屋長三郎彌助]