競馬界では毎年、 約7,000頭のサラブレッドの子馬が生まれ、競走馬として育てられます。しかし、レースで勝ち上がれなかったり、活躍できなくなる4歳以降になると、生涯で最低1000万円以上はかかるという引退後の飼育費用をまかなうことが難しく、実はそのほとんどが食肉用などとして「殺処分」に。
種馬や乗用馬になれるのはごくわずか。 現役時代の華やかさとはうらはらに、天寿(20~30歳)を全うできる確率は1%もない......というのが引退後のサラブレッドを待ち受ける過酷な現状です。
上質なマッシュルームを育てて飼育費用をねん出そんなサラブレット達の引退後の受け皿となり、かつ良質な野菜を生産することができる夢のようなビジネスモデルがいま脚光を浴びています。岩手県八幡平市の「ジオファーム・八幡平」では4棟のハウスで年間50トンのマッシュルームを出荷していますが、なんとこのマッシュルームは馬糞でつくった堆肥で栽培されているのです。そしてその収益により現在12頭の引退馬の飼育を実現しているのだそう。
馬糞堆肥は牛糞や鶏糞と比較して水分量が少ないため非常に軽く、また匂いがしないため活用しやすいのだそうです。
また、マッシュルームは古代ギリシャ、古代ローマの時代から馬糞などに自然に生えたものを利用してきたので、このマッシュルームの生産方法はまさに理にかなったもの。
ジオファーム・八幡平内の「馬と人との共存・共栄推進協会」では、今後、マッシュルーム以外の農作物にも馬糞堆肥を活用していくほか、馬糞堆肥の生産と活用を全国へ広げて、より多くの元競走馬の居場所作りをしていきたいそうです。
サポーターになると馬糞堆肥や野菜がもらえる馬と人との共存・共栄推進協会では、 クラウドファンディングで馬糞堆肥推進サポーター「BAFUN(ばふぁん!)」を募っています(2015年7月16日~8月28日)。
1,000円から募金を受け付けていて、1,000円募金すると、馬糞堆肥18Lが、3,000円募金すると馬糞堆肥を使って生産したマッシュルームや加工品がもらえます。
1,000円募金するともらえる馬糞堆肥18L
3,000円募金するともらえる馬糞堆肥で育てたマッシュルームや加工品
馬糞堆肥は土に対して3割ほどまぜると土がふかふかになって、根の張りが良くなるのだそう。ベランダのプランターで育てている野菜に試してみたいです。
(織田愛)