いわさきちひろ しゃぼん玉をふく少女 1969年
見るものをいつもふんわりと優しい気持ちで包んでくれるいわさきひちろの絵には、時を経ても色褪せない普遍の輝きが宿っています。
いわさきちひろといえば、子どもを描いた独特のやわらかなタッチの水彩画が有名ですが、そんな彼女の絵に触れるなら「いわさきちひろ美術館」へ。
安曇野の美術館を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、じつは東京・下石神井にも作品を所蔵する美術館があるのです。
ちひろ美術館・東京/撮影 中川敦玲
「ちひろ美術館・東京」は、彼女が晩年を過ごした自宅兼アトリエ跡に建てられた美術館で、いわさきちひろの作品を中心に、世界の絵本画家の作品展示を楽しむことができる場所となっています。
また、いわさきちひろが生前愛用していたというソファに座って絵を観ることができる展示室や、忠実に復元されたアトリエスペース。そして、彼女が愛し育てた草花や樹木が植えられた「ちひろの庭」など、いわさきちひろを身近に感じながらゆったりとした時間が過ごせるようデザインされているのが特徴です。
(左)いわさきちひろ つば広帽子の少女 1970年 (右)いわさきちひろ 小鳥とあかちゃん 1971年
施設は完全バリアフリーで、絵本を楽しむのはもちろん小さな子どもが遊べるスペースがあったり、さまざまな方々が自由に楽しめる空間となっています。
美術館では現在「非戦70年 ひちろ・平和の願い」と題された企画展が開催されています。
いわさきちひろ 焼け跡を見つめる少年『わたしがちいさかったときに』(童心社)より 1967年
いわさきちひろが手がけた戦争をテーマにした絵本のほか、いのちの輝きをとらえた赤ちゃんや子どもを描いた作品を展示し、絵筆に托した願いを見つめ直すという企画です。
彼女が描く透明感あふれた表情の子どもたちは、「大切なことは何か」を問いただしてくれそう。子どもがいるお母さんにも教えてあげたい美術館です。
場所:東京都練馬区下石神井4-7-2
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