そんな名作を生み出した、かがくいひろしさんの未発表作絵本『うめじいのたんじょうび』が2016年1月に刊行されました。
大人も子どもも楽しめる名作の数々
かがくいさんといえば『だるまさん』シリーズだけでなく、野菜たちが相撲をする『はっきよい畑場所』や、遺作となった『まくらのせんにん そこのあなたの巻』など、身近なキャラクターたちと、ほっこり癒される絵、そして大人も子どもも笑ってしまう動きのあるお話で愛され続けています。
そんななか唯一未刊行であった『うめじいのたんじょうび』。みんなに誕生日をお祝いされた「うめじい」の、なんともいえずおだやかな笑顔。思わず待ち受け画面にしたいくらいに印象的です。
お年寄りへの尊敬の念が描かれた作品
かがくいさんの奥様、加岳井久美子さんはこうコメントしていました。
「『うめじいのたんじょうび』は、講談社絵本新人賞の応募作品。うめじいを車いすに乗せ、みんなで押すシーンがありますが、お母さんを献身的に介護していた彼の姿そのもの。お年寄りへの尊敬の念もあり、誰にでも優しく接していました」
特別支援学校で教師を務めながら生徒たちに紙の造形や人形劇を披露していたという、かがくいさんのあたたかな人柄にふれるこの作品。核家族化がすすむ今だからこそ、読んであげたい一冊です。
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