脳を内から活性化
この実験では、35人の被験者をマインドフルネス瞑想コースを3日間集中的に受けるグループと、そうでないグループにわけ、瞑想プログラム前と後の脳スキャンと、血液検査の結果を分析しました。
その結果、
スキャナー検査によれば、瞑想を行ったグループでは、注意と実行制御を司る脳の重要な部分において、脳ニューロンのつながりが著しく発達することが観察されました。
(Le Parisienより翻訳引用)
一般に、脳のニューロンは、何かを記憶したり、思考したり、五感を刺激することでつながっていくことが知られています。この研究を見ると、瞑想には、そういった普通の「学習」を上まわる、脳を活性化する力があるとわかります。
カフェグローブの「心を落ち着けるだけじゃない。老化防止にも瞑想が効果的」の記事でお伝えしましたが、瞑想中の脳は、じつは普段よりも忙しく、非常に「覚醒」した状態なのです。
実際、瞑想中は脳の温度もあがると聞いて、最初は驚きましたが、脳が内部から変革されている最中なのだと考えれば、不思議のない話です。
ストレス耐性があがる
また、今回の研究でもうひとつ観察されたのは、瞑想組では、炎症反応のマーカーであるインターロイキン-6が減少したという事実です。
研究者によれば、マインドフルネスによって、脳のストレス対処能力が上がり、それにより、ストレスが引き起こす問題である炎症などが減ったものと考えられます。
(Le Parisienより翻訳引用)
瞑想というと、リラクゼーションの効果がよく取り上げられますが、じつは、それだけでなく、ストレス耐性自体も強くなるということでしょう。
最近は科学の世界でも、頭(心)と身体が密接につながっていることが、よく取りざたされるように思います。瞑想が、古くから宗教の世界などで行われてきたことや、昔の人が、科学の証明のない時代から「病は気から」と悟っていたことなどを考えると、人々が、直観と経験で伝えてきたものには、やはり意味があるんだなぁと、感心せずにはいられません。
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