ちょっと変わったルームシェアの物語が、テラハロスの人にとって、新しい刺激になるかもしれませんよ。
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■部屋も男もシェアしちゃう!?
恋する女の子のリアルな心理を描く、加藤千恵さんの『その桃は、桃の味しかしない』(幻冬舎文庫)の主人公は、どこにでもいるフリーターの女の子。
しかし、ニートの女の子と一緒に、妻子持ちの40代男性の愛人となって「住んでる場所も彼もシェアする」という奇妙な三角関係のストーリーなんです。
「平井さんもまひるも、はっきり口にはしなかったけれど、わたしの使う部屋は、以前も誰かが使っていたらしかった。きっと何度か、同じことが繰り返されているのだろう。」
(本文より抜粋)
1番だらしないのは男ッ! 不倫のためにルームシェアする男性なんて、実際にいたら勘弁してほしいところですが、本人たちは気楽で、意外と楽しいのかも?
既婚者はもちろんですが、愛人同士でもルームシェアって絶対ありえないな~と思いつつ、私も設定に引き込まれてしまいました。
■「いまだけの楽しさ」が切ない
「来年、ここでわたしたちは、三人で暮らすことになるのだろうか。まひると、わたしと、平井さんとまひるの子どもで。(中略)
もう、どこまでが現実なのかわからない。ただでさえ現実感の薄れた生活の中で、想像してみる新しい生活は、すりガラスを何枚も重ねた向こう側にあって、ぼんやりとしか形を捉えられない。」
(本文より抜粋)
「楽しくてもいつかは出ていかなきゃいけない」というのがルームシェアの定義。
主人公たちが一緒に花火をしたり、のんきに食卓を囲んでいる様子は、仕事も恋も含めて「ずっと同じ場所にはいれない」という切なさがあふれてきます。
私も残りのページが少なくなるごとに「え~どうなるの、どうなるのッ!?」とハラハラしてしまいました。
正直なところ私はテラハの放送をほとんど見逃していたんですが、見た人にはもっと楽しめる1冊になると思いますよ!
summer holiday image via Shutterstock