週刊『夏野総研』vol.562【「テレワーク反対派」への大反論】

▼第562号
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　2023/12/12

夏野剛メールマガジン 週刊『夏野総研』
　　　　　　　　　　　vol.562
　　　　【「テレワーク反対派」への大反論】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
《目次》
01.時事ネタ解説
02.先週の出来事
03.Reading the world
04.Q&A
05.Product Lab
06.Good Food Good Life
07.時事ネタキュレーション
08.編集後記

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
【01.時事ネタ解説】
　日々のニュースも見方を変えればいろいろなことが見えてくる。当コーナーは未来を読むためのニュースを、私が解説していくものです。
……………………………………………………………………
《国内ニュース》
----------
◆「できるだけ多くのGPU提供」を要請　岸田首相、NVIDIAフアンCEOと面会
https://bit.ly/3t8OgTB
〈要約〉
　NVIDIAのCEOは日本の企業との提携とGPUの供給に関して岸田首相から要請されたことを明らかにし、全面協力を約束。日本が生成AIの開発において重要なパートナーとなる見通しを示した。

〈コメント〉
　生成AIの高まる需要の中で、NVIDIAはまさにゴールドラッシュ時代に一番儲けたスコップを売りのような存在になっているのは確かだ。だが、GAFAMなども自力で開発を進めているだろう。
　そこで、NVIDIAが日本市場に布石を打つ狙いがあると考えられる。
　一方で、岸田首相が供給を要請したという動きには違和感を覚える。必要性が高まっているからとはいえ、これは基本的に民間の事業。コロナワクチンならいざしらず、総理が要請するようなことではないと思うけど。

----------
◆Xが日本にアプリ開発拠点、アメリカ以外で初　CEOインタビュー
https://s.nikkei.com/3Nno66f
〈要約〉
　米XのCEOが日本に初のアプリ開発拠点を設ける計画を明らかに。中小企業の広告需要を取り込み、経営の立て直しを目指す。

〈コメント〉
　Xが日本に開発拠点を設置するのは戦略的に妥当な選択だと思う。Xはアメリカで生まれたサービスにも関わらず、最も熱心なユーザーベースは日本にあるからだ。
　それに加えて円安の影響で日本への投資が容易になっている背景もある。
　だからこそ、開発拠点を日本に置くという選択は、文化的にも経済的にも妥当な判断。

----------
◆ワンピースや幽☆遊☆白書　Netflix「日本漫画の実写化」で攻勢
https://s.nikkei.com/3Nno8uT
〈要約〉
　Netflixは、日本の漫画の実写化に挑戦し、現在「ONE PIECE」に続き「幽☆遊☆白書」の配信を計画している。日本の作者と協力し、視覚効果を活かし世界観を再現する。競争が激しい動画配信市場で独自作品への投資を増やしている。

〈コメント〉
　以前、コンテンツ産業の海外のVIPに「日本のコンテンツは非常に多様性があり、海外で非常に高く評価されている」と褒められたことがあった。
『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』しかり、「日本の原作×海外の制作スタッフ」という座組みで作品が量産される体制が整いつつある感じだ。
　だが、ワンピースの実写化は、実際にかけた予算に見合ったクオリティではなかったと思った。次の試金石となるのが『幽☆遊☆白書』であり、どうなるか注目だ。