• このエントリーをはてなブックマークに追加
【のりこえねっと通信0053号】本日21時より『韓国の「反日教育」は本当か(中・高校編) 吉方べき×安田浩一』 放送です!
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

【のりこえねっと通信0053号】本日21時より『韓国の「反日教育」は本当か(中・高校編) 吉方べき×安田浩一』 放送です!

2014-10-27 16:30
    【のりこえねっと通信0053号】本日21時より『韓国の「反日教育」は本当か(中・高校編) 吉方べき×安田浩一』 放送です!
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ■■■■■-ヘイトスピーチとレイシズムを乗り越える国際ネットワーク-
    ■■■■
    ■■    のりこえねっと通信 0053号 2014年10月27日発行
    ■■
    ■                        ◆転送歓迎◆
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ★メールアドレスのご変更等は、info@norikoenet.org までご連絡下さい。
    ――――――――――――――――――――――――――――――――――

     賛同者の皆さま のりこえねっと通信をお読みの皆さま

     昨日、在特会などの差別者集団の犯罪がまた一つ暴きだされました。彼ら
    は8月15日に、靖国神社のあり方を問う市民団体のデモ隊を襲撃する活動後
    に、飯田橋の居酒屋で打ち上げをしてたのですが、その居酒屋にたまたま入
    ろうとしたカウンターの仲間たちに遭遇。無抵抗のカウンターに殴る蹴るの
    暴行を加え、一人に肋骨骨折の重傷を他の仲間にも軽傷を負わせました。こ
    のヘイトクライムに対し、あろうことか桜井在特会会長は「しばき隊が女性
    を襲い14針もの重傷を加えた」というデマをでっちあげて、自分たちの犯罪
    を糊塗しようとしました。それらの言いわけが全くデマであったことが、こ
    れで明らかになったわけです。この襲撃が恐ろしいのは、夕方のデモ隊襲撃
    行動の際に桜井が「○○○(デモ隊の名前)を殺せ」と殺人扇動していたこ
    と、その扇動に煽られた桜井の仲間たちが「朝鮮人帰れ!」という罵声と共
    に、暴行を加えたことはまさにヘイトクライムと言わざるをえません。警察
    は全くの微罪でカウンターを逮捕したことを反省し、このレイシスト集団を
    徹底的に取り締まるべきだと考えます。
    報道や事実経過などのまとめは以下をご覧ください。
    http://togetter.com/li/736700

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――
    〈今号の目次〉
    1.のりこえねっとTVのお知らせ
      韓国の「反日教育」は本当か(中・高校編)  吉方べき×安田浩一
    2.10月20日日のりこえねっとTV報告
      【沖縄4時間SP】基地と沖縄とヘイト 知花昌一×辛淑玉
    3.今後の反レイシズム情報
    4.今週のヘイト街宣・デモ Pick Up
    5.新聞・雑誌記事・Webより
    6.のりこえねっと動画アーカイブ公開
    7.11月2日「東京大行進2014-差別のない世界を、子どもたちへ。」
      ご案内
    8.のりこえねっと声明「大阪でのヘイトスピーチ対策に関して」
    9.編集後記

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――
    ●1.のりこえねっとTVのお知らせ
     
    ★タイトル:韓国の「反日教育」は本当か(中・高校編)吉方べき×安田浩一

    ◎放送日時 10/27(月) 21:00-22:00(予定)

    ◎ニコニコ生放送入口URL http://live.nicovideo.jp/watch/lv197641985
    ◎YouTube 生放送入口URL https://www.youtube.com/watch?v=JMikq2_cnVo

    日本で報道される、韓国のいわゆる「反日教育」。
    その姿は本当なのか。
    8月25日放送の第2弾。今回は「中・高」の教科書をもとに 検証します。
    ゲストは、ソウル在住16年の吉方べきさん。
    聞き手はジャーナリストの安田浩一さんです。

    <出演>
    吉方べき(よしかた・べき)
    ソウル在住16年の言語心理学者。韓国・漢陽サイバー大学講師。
    群馬大学医学部中退。1999年からソウル在住。
    ソウル大学で認知・言語心理学を研究しつつ
    大学やサムスン電子人材開発院・医療機関などで教鞭を執る。
    2005年、朝鮮日報日本語版立ち上げに参画(?08年)。
    翻訳・通訳を通じた日韓の架橋的活動も多い。2児の父。
    ツイッター:https://twitter.com/tabisaki/
    ブログ:http://tabisaki.tumblr.com/

    安田浩一(やすだ・こういち)
    ジャーナリスト
    1964年静岡県生まれ。週刊誌記者を経て、フリーライターに。
    外国人労働者問題などを取材。
    代表作、『ネットと愛国』(講談社)では、
    2012年度の講談社ノンフィクション賞と
    日本ジャーナリスト会議賞をW受賞。
    近著に『ヘイトスピーチとネット右翼』(共著・オークラ出版)、
    『なぜ、いまヘイト・スピーチなのか』(共著・三一書房 )がある。

    ◆視聴方法について、前回よりYouTube Liveで中継を始めました。こちらは
    会員登録もいりませんので、お気軽にご覧できます。以下のニコニコ動画と
    合わせてご覧ください。

    【視聴方法】
     ▼初回にニコニコ動画に会員登録が必要です。(一般会員は無料です)
      http://www.nicovideo.jp/

     ▼メールアドレスとニックネーム、性別、年齢等のプロフィール、
      パスワードを登録してください。
     ▼そして、以下にアクセスするとのりこえねっとTVをご覧いただけます。
      http://ch.nicovideo.jp/norikoenet-tv

    ※ブロードバンドのインターネット環境、もしくはLTE通信環境のスマート
    フォンなどからもご覧頂けます。あらかじめタイムシフト予約をしていると
    放映後1週間以内はいつでも見ることができます。

    ◆皆さまへのお願い

    現在、のりこえねっとTVはニコニコ生放送( http://live.nicovideo.jp/)
    のトップページ番組表に掲載されておりません。
    Twitter、公式サイトにて告知しておりますが、ニコ生のトップページ番組
    表に掲載されると目に留まりやすく、さらに視聴者が増えると思われます。
    番組表に掲載されるためには、【タイムシフト予約】の人数が200名を
    超えなければなりません。ぜひ、みなさまのご協力が必要です。
    拡散・周知も続けて頂けますよう何卒お願い致します。

    ※次回の放送は、11月1日(土)午後5時より、東京大行進2014年前夜祭
    スペシャルとして放送します。2日には東京大行進2014を生中継し、3日月曜
    日の放送はお休みします。

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――
    ●2.10月20日のりこえねっとTV報告
    「【沖縄4時間SP】基地と沖縄とヘイト 知花昌一×辛淑玉」

     初めに辛さんが、なぜ沖縄と基地とヘイトなのか語ります。昨年1月、オス
    プレイ配備反対の東京行動が行われ、演壇に上がった沖縄全市町の首長・全
    党派が反対の建白書を首相官邸に届ける途中でヘイトスピーチに遇った。基
    地反対に投げかけられた言葉はゴキブリ・ドブネズミ・売国奴・反日非国民
    だった。沖縄はアジアの中心部に位置し、日本全土の0.6%の面積に在日米
    軍基地の約75%が存在する。沖縄本島の約20%を基地が占め、それも平坦な
    良い場所ばかり。普天間基地は米国本土では許されない立地で、世界で最も
    危険な基地といわれる。これまでの爆音や落下物被害などに加えてオスプレ
    イまで配置することに反対する沖縄に、鳩山首相は県外移転を約束した。そ
    れが反故にされて辺野古移転案となったことに沖縄の全市町村が反対して建
    白書提出となった。

     オスプレイ反対建白書提出は高見盛の引退記事より小さい

     そして、建白書提出時に同行取材していた沖縄タイムスの安部記者にSkype
    でお話を伺います。参加者は自民党系の首長が多く、いわば基地を支えてき
    た側だがそれでも限界に至ったということであり、何でこんなことを言われ
    なければならないのかと憤っていた。支えるのはもう限界だと声を上げたら
    罵詈雑言を浴びせられたのだから衝撃は大きかっただろう。
     また沖縄では歴史的なことだとして東京行動に各社も同行し、沖縄タイム
    スは銀座で号外の配布もした。ところが東京のメディアでの1面トップは高
    見盛引退の記事であり、東京行動については中の方に写真もない小さな記事
    だけだったことに保守系の人も落胆し、沖縄と東京の温度差をかなり感じ
    た。理を尽くして訴えても無視され続けるのは差別だろうし、建白書のキー
    ワードはまさに「差別」だった。オスプレイをそれでも押しつけるのは差別
    以外の何物でもないと記されており、そこに保守系を含めた全首長が署名し
    たことの意味を考えて欲しい。安倍首相は会いはしたが政策につながること
    はなかった。

    また沖縄に限って言えば、安倍政権ができて辺野古建設を是が非でも進める
    との姿勢の強さと圧力の強さは明らかに比例している。なぜそれほどやりた
    いのか取材する側としても、また市民も感じている。そもそも新基地の必要
    性についての検証もないまま米国の言われるままにやっている不毛さを常に
    感じている。自分は東京出身ではあるが、いくら声を上げても聞いてくれ
    ず、保守系の人々までが差別だと言わざるを得ないことを本土の側は受け止
    めて欲しいと語ります。いまは基地受け入れを表明する仲井間知事も4年前
    は差別に近いと言っていた。個人の問題というよりも、県民が言わせている
    のであり、それだけ怒りが大きくなっているということだ。

    まもなく行われる県知事選について安部さんは、沖縄では基地をどうするの
    か何度も問われてきたと語ります。名護の市民投票やその後の選挙でも何度
    も答えを出してきており、問われているのは沖縄ではなく本当は本土の側だ
    ろう。いまは県知事が基地を受け入れているからいいかも知れないが、選挙
    で受け入れないという知事が誕生したときに本土の側はまだ無視し続けるの
    か、オスプレイが自分の隣に来るまで無視し続けるのかが問われていると思
    う、と。

    知花さん「今回の県知事選は新基地を巡る県民投票だ

     安部さんとの会話を終えてスタジオの会話に戻ります。知花さんは、今回
    は新基地を巡る県民投票だとし、だから反対の県知事が生まれたら日本政府
    を含めて無視することはもうできないと語ります。それでもやるなら独立し
    かないという声がどんどん大きくなるだろう、と。そして捕まってもいいと
    の思いでみながやってきたし、65歳以上はみな捕まろうというのがある。捕
    まっても年金組で生活の心配はない、体はがたがたでも口は達者、酒タバコ
    は制限されて健康にいいし生活も規則正しいからと笑います。自分もカヌー
    隊でブイを乗りこえると拘束される。すでに60人くらいが拘束されたが一人
    も逮捕はされていない。逮捕したらもっと沖縄民衆が集まるのでそれを恐れ
    ているのだろう。
     また知花さんは、基地の存在は知っていても日米地位協定をわかってない
    本土の人が多いと語ります。安保によって駐留する米軍を守るための協定で
    あり、何を犯しても沖縄の警察が逮捕できない酷いものだ。レイプや殺され
    てしまう事故でも不起訴かせいぜい軽い罰ですむ。辛さんは、米国でインタ
    ビューしたときに米兵が米国でできないことをしたいと言い、かつ何をして
    も逮捕されないと知っていると言っていたが、それが地位協定だと応じま
    す。知花さんは、95年に少女暴行事件が起こり10万人が集まって地位協定改
    定を要求したが、20年後のいまも変わっていない。米国は重大な事件につい
    て、沖縄にではなく日本政府に好意的配慮をするというだけだと批判しま
    す。経済的利権がらみのことがあって米国のポチのようになっているのだろ
    う。原発もそうだが、迷惑施設と言うことで見えないところに押し込めてい
    る。そこで被害があり犠牲が出ても、それを見せないあるいは目を背けてい
    る。それをわかってきた沖縄は10万人集会を4回やった。沖縄140万人の10万
    が一か所に集まるというのはどんなに大変なことか、その思いを受け止めて
    対等に司法で裁くこともないまま20年間そのままだと力をこめます。
     
    知花さん「国のために国民が存在する使い捨て状態に」

     知花さんは、01年対テロ特措法成立・03年イラク戦争勃発で修学旅行激減
    との年表を指し、テロ対策ということで機関銃が基地外の住民に向けて設置
    され、その武装米軍を日本から来た機動隊が守っているのだからては当然の
    ことと述べます。辛さんは、修学旅行の代わりにディズニーランドに行かず
    に、巻き込まれるかも知れないそこに暮らしている人がいる事実をきちんと
    見るべきと付け加えます。また知花さんは、04年沖国大にヘリ墜落を指し
    て、基地外なのに日本警察権力が入れずに地位協定によって米軍が処理した
    ことを指摘し、安倍首相は4・28を主権回復の日として去年は祝ったが、主
    権の上に米国の主権があるということだと批判します。そして沖国大事件の
    ときには県民が死なねば政府は動かないのかと思ったが、いま考えてみると
    殺されても動かないだろうと語ります。国を守ることが住民を守ることでは
    なくなり、国のために国民が存在する状態になっているので使い捨て、一部
    の犠牲はしかたないことになり、まさに沖縄戦と同じだと指摘します。
     
     辛さん「沖縄戦はガス室のないホロコースト」

     知花さんは、ガス室のないホロコーストと辛さんが表現し、県民の4人に
    1人が犠牲になった沖縄戦はやらなくてもいい戦争だったとし、沖縄からす
    ると天皇には戦争責任と戦後責任があると語ります。前者は本土防衛の捨て
    石作戦を沖縄で展開しとことと44年2月の御前会議で止めるチャンスがあっ
    たにもかかわらず止めなかったことであり、その結果として広島・長崎・沖
    縄があった。後者は20~50年間米国が領有することが望ましくそれを日本国
    民は許すだろうというマッカーサーに届けられた天皇のメッセージが明らか
    になったが、それが反映したのが52年のサンフランシスコ講和条約であり同
    時スタートの安保条約だ。この4・28を安倍首相は主権回復の日と言ったが
    くそ食らえだ。その国民の中に入っていない沖縄にとっては屈辱の日であり
    闘いの日なので祝うことなどできないこと、しかも主権さえないのにと憤り
    ます。

    次に名護市議の東恩納琢磨さんにSkypeがつながり辺野古の状況について伝
    えていただきます。今日もカヌーが何十隻と出て大浦湾を埋め尽くした。調
    査は進んでいるが深いところのボーリング調査はまだの状態だ。?自の豊後
    も住民に対する威圧のために来ている。誤解されやすいが、現在は地盤の強
    度を調べる調査段階であって工事段階ではない。調査によって構造物の内容
    や規模が変わり、それにもとずいて設計段階に入るので、調査を長引かせれ
    ば自ずと工事も止まる。だから工事は止められると考えている。

    ジュゴン裁判は、沖縄が世界にネットワークを広げて結びついてきた結果と
    して米国の良心と組んでやった初めての裁判であり、県民がいくら叫んでも
    政府は聞く耳を持たないが外国から言われるとすぐぺこぺこするのを利用し
    ようという裁判だった。また日本では初めての裁判は前例がないとしてほと
    んど門前払いとなるが、米国の人々は前例がないから私たちが取り組んで道
    を拓いていくと言った。米国の常識はそこが違うと思った。そうやって世界
    とつながっていくことで、日本政府が沖縄のことを考えてくれればいいと
    思った。

    辺野古の座り込みは3000日以上になる。沖縄の先人が沖縄の運動は鈍角で長
    く続けていくしかない、鋭角だと折れてしまうと言ったのを思い出し、折れ
    ないようにどう目的を達成するか、またそれによって問題を抱えるほかの地
    方も一緒に取り組んでもらえるきっかけになる、そんな感覚であきらめずに
    できることを長くやっていこうと思う。これまでの知事選挙は経済中心で辺
    野古は争点にならなかったが今回は辺野古が焦点化し、それに決着をつける
    知事が生まれるかどうかという選挙。その結果に政府も戦々恐々としている
    だろう。

    「憲法の上に安保と地位協定がある」
     
     東恩納さんとの報告を終えてスタジオの会話に戻ります。
    辛さんは、沖縄のように長期にわたって主権もない状態で外国軍の基地が存
    在し続けるのは異常だと語ります。しかもNOと言えないのはなぜか。辺野古
    で維持し続けねばならないという基地は植民地だ。どういう形で物事が進め
    られているのか。すべて憲法で決まるのではなくその上に安保があり地位協
    定があり、さらにその根本には日米合同委員会がある。その構造から西山事
    件に見られるように密約が現実のものとなっている。知花さんは、憲法が保
    障する財産権に立って反戦地主として裁判をしたが、その上に安保があって
    負ける。憲法の上に安保と地位協定がある、このことはみなにわかってもら
    わないと困る問題だと肯きます。
     さらに辛さんは、こうした形で基地を維持するのは国際的にはすでに終
    わったことだと続けます。米国をここまで野放しにしたのは日本であり、金
    も土地も命も米国に差し出し、言われるままにしてきたがゆえに米国は調子
    に乗ったのだろう。思い遣り予算を差し出してへつらい続け、知らないとこ
    ろで物事を決めていくことがエリートの役割だった。米国の思惑は日本は言
    うままになる二等国であって欲しいということだ。日本にとっての国体は戦
    前は天皇、戦後は米軍とセットになった天皇であり、そこから金をもらって
    いた自民党の使命はそれを守り続けることに他ならず、その使命がある限り
    基地は永遠に押しつけられるだろう。戦争をしたいときにすぐできるよう日
    本の中でスタンバイすることができるのだから。
     そして、沖縄のヘイトスピーチは国家の保険のついたヘイト、つまり政府
    が闘いたい相手を叩いていると指摘します。おかしな団体が韓国・朝鮮、在
    日、反原発、少子化や事実婚、沖縄などを叩いているに過ぎないとは考えな
    い。国家の先兵であり、彼らこそが「売国奴」であり、向かう相手が違って
    いる。知花さんは、彼らは沖縄に向かって売国奴・非国民と言うが民主主義
    を壊そうとする者こそがそうだと肯きます。続けて辛さんは、多くの命が奪
    われ、その人々を提供してきた官僚は売国奴ではないのかと問います。強者
    におもねり、自分の命が助かりたいがために声を上げられない者たちを提供
    し続ける構造は一貫している。戦前・戦後そして今の段階になってもなお続
    ける。日本の政府や官僚がどこかで人間として気がつかない限り世界の戦争
    を止められないだろう。なぜなら日本は米国と一緒に戦争をやってきたし、
    米国は日本がいるからこそ戦争ができたのだから。

    「集団的自衛権と特定秘密保護法は国の形を見事に変える」

     さらに辛さんは、公然と米国とともに闘えることになる集団的自衛権と、
    12月10日から施行される特定秘密保護法はこの国の形を見事に変えると警告
    します。秘密を扱える人を国籍ではなく出自でわける。だから誰が日本人な
    のかというときに国家が決めることになる。ではいま誰が敵なのか。福島・
    沖縄・在日だ。国家の敵となった後に残るのは死刑台だ。秘密保護法の見え
    ない恐ろしさがここにある。また基地・原発はもちろん、非常時にはどこか
    らどこまでが秘密になるかわからない。紛争地帯でトヨタ車をよく見たが、
    本当に危機的状況になれば車をつくるネジまでも秘密になり得るのだ。民事
    も軍事も関係ないからあらゆるものに規制をかけることができ、あらゆるも
    のから排除することができ、首にもできる。これは暴走する。生きていくた
    めに、そして人殺しをさせないためには政治の首根っこをしっかり押さえな
    ければならない。
     また辛さんは、多くの人々を騙そうと、自民党は負けたくないから突然翁
    長陣営の支持に回るかも知れないと指摘します。知花さんは、選挙で翁長さ
    んが勝ったとしてもすぐ基地撤去はしない、さまざまな方法で基地を維持し
    ようとするし強行しようとすると語ります。民意として基地はいらないと表
    現してもそこに入り込んでくる。だから選挙で勝てばいいということではな
    く、勝ってからまた大きな闘いが必要だ。沖縄は闘い続けることでしか自分
    たちのアイデンティティを守れないと強調します。
     最後に辛さんは、選挙の結果に対して沖縄はもうちょっと頑張れという本
    土の人を見るとむかつく、また態度を変える人にもむかつくがそれを批判す
    る本土の人にさらにむかつくと語り、つまりそうせざるを得ないように本土
    が落とし込んでいることを知らないといけないと述べます。知花さんも、本
    土の労組が勝利することは諦めないことと辺野古に張っていったがクソッと
    思うと語ります。そして辛さんが、知ったことを放置するという罪に国籍は
    関係なく、それをどう乗りこえていくのかが大きな課題と述べて終わりました。


    ――――――――――――――――――――――――――――――――――
    ●3.今後の反レイシズム情報
    --------------------------------------------------------------------
    ★公式サイト 学習会カレンダーにも順次掲載致します!
    http://www.norikoenet.org/workshop.html#callendar
    ★集会・デモ・カウンター・セミナーなどのお知らせを掲載します。
    日時、会場、タイトル及び内容、主催者、主催者の連絡先などを400文字以
    内で、お送り下さい。件名に「のりこえねっと通信掲載希望」と明記して下
    さい。

    1)保険証に“女”って、ダメですか? ~間違いだらけの性同一性障害~
    日時:11月15日(土)14:00~
    場所:島根県雲南市チェリバホール
    講師:上田知優さん(のりこえねっと紫の風代表)
    参加費:無料
    主催:のりこえねっと紫の風


    ――――――――――――――――――――――――――――――――――
    ●4.今週のヘイト街宣・デモ Pick Up

    カウンター行動(抗議行動)される際は、十分お気をつけ下さい。
    経験が少ない方は、複数での参加をお勧めします。

    1)大嫌韓デモ in 東京
    ●日時:11月2日(日)12:30デモ出発
    ●集合場所 練成公園(東京都千代田区外神田6-11-19)
    【最寄り駅】
    東京メトロ 銀座線末広町駅徒歩3分
    ●主催:在日特権を許さない市民の会 東京支部
    ※東京大行進2014と同時刻で行われます。カウンター行動を恐れての実
    施か?


    ――――――――――――――――――――――――――――――――――
    ●5.新聞・雑誌記事・Webより

    1)女性閣僚の辞任相次ぐ安倍内閣 高市早苗氏が推薦文を寄せた「ヒト
    ラー選挙戦略」とは?

    The Huffington Post  10月21日

     政治資金をめぐる問題で10月20日に辞任した小渕優子経産相に続き、松島
    みどり法相も自身の選挙区で「うちわ」を配布していたとする問題で辞任し
    た。鳴り物入りだった安倍内閣の女性閣僚たちへの批判が相次いでいるが、
    海外メディアでも、女性閣僚とネオナチ団体との関係や靖国神社参拝につい
    ての報道が続いている。
     特に女性閣僚の一人、高市早苗総務相については、ネオナチ団体の代表男
    性とのツーショット写真を撮っていたことが明らかとなったほか、1994年に
    出版され、ユダヤ人人権団体から批判を受けて2カ月で絶版となった書籍
    「ヒトラー選挙戦略」(小粥義雄著、千代田永田書房)に推薦文を寄せてい
    たことから、ナチズムとの関係性を指摘する海外メディアが少なくない。
     ハフィントンポストでは、「ヒトラー選挙戦略」を入手。何が問題視され
    ているのか、あらためてその内容を読んでみた。

    ■ヒトラーをかわいくキャラクター化、「?」のデザインも

    「ヒトラー選挙戦略」の著者は、小粥義雄氏。略歴によると、1948年静岡県
    生まれ、成城大学経済学部卒業、衆議院前尾繁三郎事務所を経て、この本を
    刊行した時には自民党東京都支部連合会事務局広報部長を務めていた。
     まず、本書の冒頭に引用されているのは、「ヒトラーの遺言」という文
    言。「余にとって日本は、変わることなく盟邦であり、友人でありつづける
    であろう」とヒトラーと日本の親密性を伝える言葉だ。随所に、ヒトラーが
    かわいく描かれたキャラクターが登場、扉絵には「?」がデザインとしてあ
    しらわれているのも特徴的だ。
     まず、「なぜ、ヒトラーなのか」という説明を冒頭に行っている。

    私たちは短期間に国論を統一、政権を奪取して第三帝国を建設したヒトラー
    は、現代選挙を考えるうえで、とても重要な教えを私たちに示しているんだ
    と思います。(P2)

    大衆の側に立って、大衆の声を聞き、大衆の心に訴えた政治手法は、混迷の
    時代、大衆文化時代の今日、「ピタリ」とあてはまる政治戦略ではないで
    しょうか。

    ヒトラーの残した独裁政治、ユダヤ問題など歴史的評価は後世に譲るものと
    して、ヒトラーがすすめた、白か黒か、敵か味方かをはっきりさせ、この敵
    と徹底的に戦う政治戦略は、選挙での「当選」か「落選」かの結果と同じ論
    理なのです。(P3)

    「ヒトラーの歴史的評価を後世に譲る」という断りで、ヒトラーを取り上げ
    ることへの免罪符にしたのかもしれないが、政治感覚の欠如と言わざるをえ
    ない。
    (略)

    ■「まっ白なイメージのなかからヒトラーを見て」

     通読すると、著者が選挙活動を行ってきた経験から書かれた候補者への
    メッセージだが、なぜわざわざヒトラーを持ち出す必要があったのか疑問を
    覚える。「あとがき」では、次のように説明している。

    「ヒトラーは大嫌い」

    ヒトラーという名前を口に出しただけで、拒絶反応を示す人がいます。ドイ
    ツでは、いまだにヒトラーはタブーとされています。しかし、このままみん
    なが嫌いと言って避けていたのでは、むしろ何も知らない人たちが、ネオ・
    ナチ運動に走ってしまうのではないでしょうか。(P164)

    まず、大勢の人たちにヒトラーを知ってもらいたい、そのためには、黒いイ
    メージよりも、まっ白なイメージのなかからヒトラーを見て頂きたいと思い
    ます。ヒトラーのキャラクターイラスト、?マークのデザイン化などあらた
    な創意工夫を試みてみたのです。(P165)

     どんなに説明しようとヒトラー礼賛ととられても言い逃れができない本書
    は、ユダヤ人人権団体などから「この本はヒトラーを正当化しすぎている」
    などの抗議を受けて、発刊2カ月で絶版が決まった。
     高市氏はこの本に推薦文を寄せていたことが、インターネットメディア
    「インターナショナル・ビジネス・タイムズ」のイギリス版などで報道。高
    市氏は国会議員になった翌年に、この本について「候補者と認知された瞬間
    から始まる誹謗、中傷、脅迫。私も家族も苦しみ抜いた。著者の指導通り勝
    利への道は『強い意志』だ。国家と故郷への愛と夢を胸に、青年よ、挑戦し
    ようよ!」と推薦文を書いていたという。
     これについて高市氏の事務所は「推薦文については記憶がなく、コメント
    できない。本人も著者を知らない」とコメントしているという。
     しかし、20年前に出版されたものとはいえ、多くの問題をはらんだ本書を
    推薦したことは現役閣僚として批判されることだろう。内容を吟味せずに推
    薦文を寄せていたのだとしても、政治家として脇が甘いと指摘されても仕方
    ない。安倍内閣には、今後も内外の厳しい視線が注がれる。

    http://www.huffingtonpost.jp/2014/10/21/hitlersenkyo_n_6019042.html?utm_hp_ref=tw

    ----------------------------------------------------------

    2)ヘイトスピーチ「普遍的価値観に反する」 日本学術会議が報告
    朝日DIGITAL 10月21日

     学者らが政策を提言する政府の特別機関「日本学術会議」は9月、在日外
    国人らへの差別をあおるヘイトスピーチなどの排外的言動を問題視する報告
    を発表した。政府やメディアに、こうした言動を抑制し、周辺国との緊張関
    係を和らげるよう求めている。学術会議が外交に関わる問題で報告や提言を
    出すのは、近年では珍しい。
     報告をまとめたのは、世界各国の政治や文化の状況に詳しい「地域研究委
    員会」のメンバー。ヘイトスピーチは、日本と周辺国との緊張関係の結果で
    あると同時に、関係悪化の原因だと指摘。「人種、信条、性別などを問わず
    平等に人権が尊重されるべきであるとする、普遍的価値観に反する」とした。
     各界の指導者に、日本が「国際社会との平和的共存と協力関係を、第一に
    望んでいることを再確認」し、発信することを期待。特に政府には、差別を
    なくし人権や基本的自由を守るための「社会制度の整備」を要望した。
     海外ではヘイトスピーチやメディアがあおることを放置した結果、差別的
    な空気が常態化し、ささいな衝突をきっかけに大規模紛争やテロにつながっ
    た事例が珍しくないという。同委員会委員の小松久男・東京外国語大特任教
    授は「ナショナリズムの暴発に対して危機意識を持つべきだ」と話す。(高
    重治香)

    http://digital.asahi.com/articles/DA3S11412515.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11412515

    ----------------------------------------------------

    3)橋下大阪市長と在特会・桜井会長の会談に在日女性が懸念抱く
    NEWSポストセブン 10月21日

     10月20日、大阪市の橋下徹市長と「在日特権を許さない市民の会」(在特
    会)の桜井誠会長が、大阪市役所で面談した。以前から「ヘイトスピーチを
    大阪市内でやめてもらえるなら直接僕が対応してもいい」と発言していた市
    長と、桜井会長の面談は当初30分の予定だったが、橋下市長が「帰れ」と桜
    井会長に言ったことで、8分程度で終了した。

    「君たちね、ごろつきメディアを呼んだつもりはないんだよ!」

     開始前、白いニットベストに白シャツ姿の桜井会長は、記者に向かって怒
    声を発した。先に入室していた桜井会長は、会議室以外での場所で取材カメ
    ラを向けられていたことに対し、「恥を知れ恥を!」と激高。水を打ったよ
    うに静まり返る記者陣を前に、約6分に渡って共同通信や、慰安婦問題に絡
    めて朝日新聞などを名指しで批判した。その間、記者席の後方にいた在特会
    関係者が、「記事書いている風の、ボンクラばかりや」とつぶやいていた。

     16時を5分ほどまわったタイミングで橋下市長が入室し、長机4つ分以上の
    スペースをあけた状態で向かい合った。橋下市長が「先に言ってもらったら
    いいんじゃない?」と口火を切ると、桜井会長は「いろいろ言いたいことは
    あるけど、ヘイトスピーチについてお伺いできます?」と質問。「僕の意見
    を聞くんじゃなくて」と橋下市長が返すと、「あんたが言い出したことだ
    ろ」と反論した。すると橋下市長は「民族や国籍をひとくくりにしてな、評
    価をするような発言はやめろ」と、鼻白んだ表情を浮かべた。

     桜井会長は、橋下市長に「お前」と呼ばれたことで再度激高。席を立ちあ
    がり詰め寄ろうとするものの、会場に待機していた私服警官に制止されたこ
    とにも腹を立て、「それでも男かよ!」と声を荒らげた。

     その後橋下市長は「特別永住制度に文句があるなら、それを作った国会議
    員に言え」「参政権を持ってない在日韓国人の人に言ってもしょうがないだ
    ろ」「弱いものいじめばっかりするんじゃなくて、強いものに言え」「今度
    の統一地方選挙で訴えたらいいじゃないか」などと発言。

     それに対し桜井会長はすでに議員に伝えていること、市長になんの権限が
    あってヘイトスピーチ云々と言うのかということ、政治家はこの世でもっと
    も醜悪な人種だと思っていることなどを伝えた。

    「勘違いするなよ」(橋下)
    「何がだよ!」(桜井)
    「帰れ帰れ」(橋下)
    「みっともねえったらありゃしないな。いい逃げか?飛田新地に帰れ!(桜井)

    と、最後まで双方言葉を荒らげたまま、会話も平行線のまま終わる結果と
    なった。大阪市の風俗街である「飛田新地」がここで出てきた理由は、過去
    に橋下市長が飛田料理組合の顧問弁護士を務めていたことに由来する。
     橋下市長は京都朝鮮学校襲撃事件における、差別発言を認めた大阪高裁で
    の判決を引合いにだし、「ああいう下劣な発言はやめろ。裁判所に認定され
    ている事実だ」と訴えた。しかし特別永住制度を廃止したいという考えに対
    しては、なぜその制度が生まれたかの歴史的なバックグラウンドを説明する
    こともなく、「文句があるなら国会議員に言え」と答えるにとどまった。
     また「あんたが言うヘイトがどうのこうのってデモがあるなら日付言って
    くれる?」と言う桜井会長に対し、大阪市内で在特会会員から「射殺する」
    と言われた在日がいることや、2013年2月に鶴橋で少女が「在日くそチョン
    コのみなさんこんにちは。いつまでも調子にのっとったら、鶴橋大虐殺を実
    行しますよ!」と叫んだことなど、具体例を挙げていさめることもなかっ
    た。終始、桜井会長の発言が目立つ面談だった。

    「桜井会長の舞台みたいになってるのが、腹立つ」

     そう語るのは面談を取材していた、フリーライターの李信恵さんだ。李さ
    んはヘイトスピーチで名誉を傷つけられたとして、8月に在特会と桜井会
    長、まとめサイト「保守速報」を相手取り、合計2750万円の民事訴訟を起こ
    している。
    「途中で橋下市長が打ち切って帰るのは想像できたし、桜井会長が出てきた
    瞬間につかみOKみたいになるのは、いつもの街宣と同じこと。日頃デモなど
    を見ている人間からしてみたら、今回の一連の発言も『場の空気をつかんで
    見せ場を作ってるな』と思いました。でも今日は報道陣がいっぱい来てたか
    ら、気合入れてきたんやろうなって」
     李さんは今回の面談が予定調和で終わり、ニュースなどで報道されて在特
    会の名前が認知されること、編集された動画がネットにアップされて、「橋
    下市長とやりあった在特会」とみなされることを「嫌だ」と感じている。
     さらに橋下市長が昨年、「当時、慰安婦制度が必要だったことは誰でもわ
    かる」などと発言して物議をかもしたことを、ヘイトスピーチ問題に取り込
    むことで帳消しにして、結果在特会も市長もwin-winの関係で終わることを
    危惧しているという。そこで李さんらも、被害者側の声に耳を傾けてほしい
    と面談を要請したものの、市長は現段階ではその意思はないとしている。
    「橋下市長がヘイトスピーチに取り組んでくれるのはありがたいし、朝鮮学
    校の裁判のことには言及したけど、一方で朝鮮学校の補助金を凍結したりと
    か、特別永住者を見直すとか、差別の下支えをするような発言もしてきた。
    結局それも、きれいなヘイトスピーチみたいなものではないかと思う。もし
    かしたら、そういうところをつかれるのが嫌だったのではないか」(李さん)
     確かに「死ね」「殺せ」だけがヘイトスピーチではないし、マジョリティ
    同士の罵り合いも、ヘイトスピーチとは言えない。自分では変えられない属
    性をもとに、マジョリティがマイノリティの尊厳を棄損することが、ヘイト
    スピーチだ。桜井会長は橋下市長とは「二度と会うことはない」と言い残した。

    http://www.news-postseven.com/archives/20141021_283054.html?PAGE=2

    -----------------------------------------------

    4)ヘイトスピーチ対策   山内康一
    BLOGOS  10月21日

    大阪市の橋下市長が「在特会」の会長と市役所で面談したと報道されていま
    す。結果はケンカ腰の罵倒合戦に終わって、成果があったとは言えません。
    ヘイトスピーチの規制を検討する点で、橋下市長に賛成したいと思います。
    橋下市長の主張で珍しく賛同できます。
    ヘイトスピーチは「表現の自由」とは、切り離して考えるべきだと思いま
    す。他者の自由を侵害する自由はありません。
    他方で「おまえみたいな差別主義者は大阪にはいらない」と橋下氏が発言
    し、それも差別じゃないかと思います。よその自治体も迷惑かもしれません。
    ヘイトスピーチをする人たちの特色は、理性的な対話が成り立たないことで
    す。現実には存在しない特権と戦おうとし、ムダなエネルギーを注いでいます。
    反知性主義の権化のような人たちが、合理性や人権感覚と無縁の主張をし、
    それがヘイトスピーチと呼ばれます。この人たちの説得は難しいでしょう。
    ヘイトスピーチ対策として取るべきは、対話というよりも、啓発や教育で
    す。ヘイトスピーチの支持者を増やさない、ヘイトスピーカーたちを孤立化
    する、ということを目標にすべきです。
    人権や批判的思考を小中学校で教えて、非合理的な主張にだまされないよう
    に、健全な社会人に育てることが大事です。
    いわゆるシチズンシップ教育という要素が、大切な時代になってきていると
    思います。健全な市民を育てる教育こそが大事で、英語や道徳教育より優先
    だと思います

    http://blogos.com/article/96887/

    -----------------------------------------------------

    5)舛添都知事:橋下市長と在特会会長の罵声面談で不快感
    毎日新聞 10月21日

     大阪市の橋下徹市長と、在日コリアン排斥を訴える「在日特権を許さない
    市民の会」(在特会)の会長が20日に市役所で面談し、ヘイトスピーチ
    (憎悪表現)を巡り怒号を浴びせ合ったことについて、東京都の舛添要一知
    事は21日、「あまり見たくない映像だった」と不快感を示した。
      舛添知事は同日の定例記者会見で「片一方は公人。やっぱり品格があった
    方がいいんじゃないか。『お前』とか『あんた』とかいう言葉遣いは、あん
    まり愉快な感じがしなかった」と苦言を呈した。テレビで2人の面談の様子
    を見たという。
     ヘイトスピーチについては、舛添知事は法規制の検討を安倍晋三首相に求
    めており、会見でも「とてもじゃないが、国際社会の受け入れるところでは
    ない」と批判。「(東京五輪開催の)2020年までには、都民、国民の良
    識で自然になくなっていく状況を望みたい」と訴えた。橋下市長と在特会の
    桜井誠会長の面談では双方が声を荒らげて詰め寄り、警備関係者が制止する
    場面もあった。【武本光政】

    http://mainichi.jp/select/news/20141022k0000m040048000c.html

    ---------------------------------------------------

    6)民主・維新の幹事長ら会談 「ヘイトスピーチ」問題で共闘確認
    FNN 10月22日

     民主党と維新の党の幹事長らは、22日、国会内で会談し、民族的差別をあ
    おる、いわゆる「ヘイトスピーチ」の問題について、規制の強化が必要だと
    して、今後、両党で共闘していく方針を確認した。
     民主党の枝野幹事長は「両党とも、ヘイトスピーチは許されるものではな
    い。国際標準に照らした、しっかりとした対応をしないといけないという基
    本認識は一致していることは、確認できた」と述べた。
     会談には、民主党の枝野幹事長と、維新の党の小沢国会議員団幹事長のほ
    か、両党の国会対策委員長らも同席した。
     この中では、維新の党の橋下共同代表が、ヘイトスピーチの規制を訴えて
    いることについて、民主党側が評価し、規制の強化に向けて、今後、両党で
    共闘していくことで一致した。
     また、大臣を辞任した小渕・松島両氏に対しては、今後も国会での説明責
    任を求めるとともに、安倍首相の任命責任についても、追及していく方針を
    確認した。

    http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00279291.html

    -------------------------------------------------------

    7)橋下徹「在日の特別永住者制度を見直す」 これでヘイトスピーチも差
    別もなくなる?
    J-CASTニュース 10月22日

     在日韓国・朝鮮人らの特別永住者制度について、維新の党共同代表で大阪
    市長の橋下徹氏が、見直して一般永住者制度への一本化を目指す考えを示し
    た。特別扱いしなくなれば、ヘイトスピーチも差別もなくなるのではないか
    というのだ。
    「在日特権を許さない市民の会」会長との罵り合いになった面談で、橋下徹
    氏は、「文句があるなら、国会議員に言え」との発言を繰り返した。その国
    会議員を抱える政党代表を意識してか、橋下氏は、面談翌日の2014年10月21
    日、在特会の主張を受けたかのような発言をした。

    「ほかの外国人と同じように制度を一本化していく必要がある」
    在日韓国人らについて、「特別扱いすることは、かえって差別を生む」と記
    者団に答え、在特会のヘイトスピーチで標的の1つになっている特別永住者
    制度を問題視したのだ。報道によると、橋下氏は、ほかの外国人と同じよう
    に制度を一本化していく必要があるとの考えを示した。つまり、特別永住者
    制度を止めて、一般永住者制度だけにするということだ。
     特別永住者制度とは、連合国との戦争状態を終結させた1952年のサンフラ
    ンシスコ講和条約発効で、日本国籍を失った人たちとその子孫が対象になっ
    ている。長く永住が制度化されていなかったが、91年になって入管特例法が
    施行されて導入された。
     特別永住者は、2013年末に38万人強おり、そのほとんどが韓国・朝鮮人
    だ。一方で、在日韓国人には、戦後に密航してきたケースがかなり多いとさ
    れている。
     ネット上などでは、税金・公共料金の減免や生活保護の優遇といった「在
    日特権」があるのではないかとの疑念もくすぶり続けている。実際、三重県
    の自治体で住民税が半額にされていたことなど問題が発覚したことはある
    が、実態はよく分かっていない。

    http://www.j-cast.com/2014/10/22219051.html

    --------------------------------------------------------

    8)北星学園大脅迫:北信越の男捜査へ 元朝日記者退職求める
    毎日新聞 10月23日

     朝日新聞の従軍慰安婦報道を巡り、元朝日新聞記者(56)が非常勤講師
    を務める北星学園大(札幌市厚別区)に今年9月、元記者を辞めさせなけれ
    ば危害を大学に加えるとの脅迫電話がかかっていたことが捜査関係者への取
    材で分かった。電話の発信履歴などから北信越地方に住む男の関与が浮上
    し、警察当局は近く本格捜査に乗り出す方針を固めた。北星学園大と、別の
    元朝日新聞記者(67)が教授を務めていた帝塚山学院大(大阪狭山市)に
    は同様の趣旨の脅迫文書が届いており、関連を慎重に調べる方針。
     捜査関係者によると、脅迫電話は9月12日夕方、北星学園大の代表番号
    にあった。男の声で「(元記者を)まだ雇っているのか。ふざけるな。爆弾
    を仕掛けるぞ」との内容だった。男は一方的に怒鳴り、電話はすぐに切れた
    という。
     一方、北星学園大への脅迫文書は5月29日と7月28日、学長や教授会
    などに宛てて複数郵送された。「非常勤講師を辞めさせなければ、天誅(て
    んちゅう)として学生を痛めつける。くぎを混ぜたガスボンベを爆発させ
    る」などとパソコンで打ったとみられる文字で書かれ、茶封筒に計20本以
    上の虫ピンが入っていた。
     更に、帝塚山学院大にも9月13日、「(別の元記者を)辞めさせなけれ
    ば学生に痛い目に遭ってもらう。くぎを入れたガス爆弾を爆発させる」との
    脅迫文書が届いた。別の元記者は文書が届いた日に教授を辞職した。
     北海道警と大阪府警は一連の脅迫について威力業務妨害などの疑いで捜査
    していた。
     朝日新聞の従軍慰安婦報道を巡っては8月の特集記事で、韓国・済州島で
    女性を強制連行したとする吉田清治氏(故人)の証言を虚偽と判断した。帝
    塚山学院大に勤めていた元記者がこの虚偽証言に関する記事を書いたとされ
    ていた。一方、北星学園大の非常勤講師の元記者も慰安婦報道に関わったと
    された。

    http://mainichi.jp/select/news/20141023k0000m040128000c.html

    --------------------------------------------------------

    9)在特会桜井誠氏、橋下市長と対談?ヘイトスピーチはなぜ起こる??
    Credo 10月23日

     先日、ヘイトスピーチという人種民族差別的言動を巡って、大阪市長の橋
    下徹氏と在特会(在日特権を許さない市民の会)の会長である桜井誠氏が対談
    した。この対談映像は様々な議論を引き起こしている。
     公の場であること忘れているのではないかというほどに、互いに自分の意
    見をぶつけ合い、対談は破綻。予定では30分の対談だったが、10分足らずで
    終わった。

    事の発端

     事の発端は朝鮮学校をめぐる次のような出来事であった。
    発端は在特会が大阪市内の朝鮮学校周辺で街頭宣伝活動によって授業が妨害
    されたとして、学校を運営する京都朝鮮学園が「在日特権を許さない市民の
    会」(在特会)と会員ら9人に街宣活動の禁止と損害賠償を求めた訴訟した
    ことがこの対談の始まりであった。
     結果として裁判長は、学校の半径200メートル以内の街宣禁止と約
    1226万円の支払いを命じた一審京都地裁判決を支持し、在特会側の控訴
    を棄却した。当時の裁判長森宏司氏はこの街宣行動やその様子をインター
    ネットで公開したことに対して「社会的な偏見や差別意識を増幅させる悪質
    な行為」と述べている。
    引用元:在特会に二審も賠償命令=朝鮮学校への街宣禁止―ヘイトスピーチ訴
    訟で・大阪高裁|時事ドットコム

     この問題が発端で紆余曲折を経て対談に至ったわけだが、そもそもなぜこ
    のようなヘイトスピーチが生じるのかについてこの記事では考えてみたい。

    ヘイトスピーチとは

     まず初めに、ヘイトスピーチの定義を説明する。
     ヘイトスピーチ(Hate Spe ech)とは、人種・宗教・性的志向・性別な
    どの要素に起因する「hate(憎悪・嫌悪)」を表す表現行為を指す語であ
    り、いわゆる「差別用語」に加え、偏見や憎悪に満ちた文章・発言のことを
    指す。
    引用元:小谷順子「Hate Speech規制をめぐる憲法論の展開―1970年代までの
    アメリカにおける議論」『静岡大学法政研究』第14巻1号(2009)
     さらにこのヘイトスピーチは人種差別撤廃条約4条において、差別思想の
    喧伝を禁止する法律を制定するよう加盟国に義務づけている。
     20世紀の半ば以降、過激な人種差別思想の台頭に直面した国々は、これを
    深刻な事態として受け止めた。そして、こうした差別思想にもとづく憎悪表
    現を規制すべく、人種差別撤廃条約4条において、差別思想の喧伝を禁止す
    る法律を制定するよう加盟国に義務づけた。 現在、イギリス、フランス、
    ドイツ、カナダなどでは、この条文を履行すべく憎悪表現を規制する法律を
    設けている。一方、アメリカは、表現の自由の保障を最大限に保障しようと
    する判例法を背景に、第4条に留保を付して表現規制を回避するかたちで条
    約本体に加入しており、現在も憎悪表現を規制する立法は行っていない。ア
    メリカ同様、日本も同条に留保を付して加入しており、憎悪表現を規制する
    立法を行っていない。
    引用元:憎悪表現(ヘイト・スピーチ)の規制の合憲性をめぐる議論 小谷
    順子 / 憲法学|SYNODOS

    ヘイトスピーチの原因

     このようなヘイトスピーチの原因を断定することはできないが、ヘイトス
    ピーチがネガティブな意識に起因していることは確かだ。そのような意識は
    いくつかの概念によって説明する事ができる。
    ?エスノセントリズム
     これは日本語で自民族中心主義、自文化中心主義と訳される。言葉通り、
    自分たちの保持している文化が他国の文化より優れているという考え方であ
    り、このエスノセントリズムは自分たちの文化は全ての現実において中心に
    位置しているという仮定の基、成立している。エスノセントリズムを定義し
    たウィリアム・グラハム・サムナーは著書「Folkways」のなかで以下のよう
    に述べている。

    各集団はそれぞれ固有の自尊心や自負心をもち、自己を優れたものとして誇
    り、その神性を称揚し、よそものを軽蔑の眼で眺める。それぞれの集団が自
    集団のフォークウェイズのみが正しいものと考え、もし他集団が違った
    フォークウェイズをもつ場合は蔑みの感情を起こさせる。(フォークウェイ
    ズとは集団の共有する観衆・習俗を示す言葉である。)(文献1)
    ?素朴実在論 (Naive Realism)

    我々は普段、世界には我々の知覚や思考から独立した対象があり、我々の感
    覚的経験はその対象についてのものであると考えている。たとえば、今私が
    窓の外の木を見ているとしたら、私の経験は私の心から独立した現実に存在
    する外的な対象である木についてのものであり、私はその木に直接気づいて
    いると考えている。ここでは、このように、我々の経験は心から独立した対
    象についてのものであり、我々はそれに直接気づくことができると考える立
    場を素朴実在論と呼ぶ。

    引用元:素朴実在論、幻覚、選言説 横山幹子(Mikiko Yokoyama)

     つまり、我々は素朴実在論者として感覚的な経験で対象を認識する。自分
    の目で見た世界を全ての世界と解釈し、逆に、自分の目に見えない世界は意
    識の中で排除される傾向にあるという考え方である。

    ステレオタイピング

     ステレオタイピングは上記の二つに比べて聞き覚えがあるのではないか。
    エスノセントリズムはステレオタイピングと供に語られる事がよくある。こ
    のステレオタイピングは自分の文化以外の文化圏の人々を不公平に、集団的
    に、ネガティブにカテゴライズする強い傾向を持つ。
     この概括は文化圏の全ての個人に適用される。(在日朝鮮人は全員悪いや
    つだ。)そしてこの概括はある事件や経験、人によって定義される。(在日
    朝鮮人は全員悪いやつだ。なぜならあのような殺人事件を起こしてしまうか
    ら。)
     ステレオタイピングはネガティブな感情だけではなく、ポジティブな感情
    も含まれている。しかしながらたいていのステレオタイプは人種、宗教、民
    族起源、国籍、性別、社会経済的ステータスなどに基ついていることが多い。
     ステレオタイピングを定義したアメリカのジャーナリスト、ウォルター・
    リップマンは以下のように述べている。
     事件そのものと思い込んで語っているものが、実はその事件の変形であっ
    たりすることが非常に多い。意識の中にある事実が、与えられた事実そのま
    まである場合はごく少ないように思われる。意識の中にあるほとんどの事実
    は、部分的に潤色されているように思われる。

    私たちは見てから定義しないで、定義してから見る。(文献2)

     これらがヘイトスピーチ、クライムを起こす全ての要因と断言することは
    できないが、対象についてネガティブな意識を構成するプロセスのなかで少
    なからず影響を及ぼしている。これは日本人の在日朝鮮人に対するイメージ
    にも適用され、逆に在日朝鮮人の日本人に対するイメージにも適用される。

    認識が悪を生み出す

     2001年のアメリカ同時多発テロの直後、イスラム教徒たちのアメリカ国内
    でヘイトクライムの被害者数は前年と比べて160倍に上昇したと言われている。
    参考:2001 FBI Hate Crime Statistics Act (HCSA)

     全イスラム教徒がテロを起こすわけではないとわかっていても、このデー
    タから事件の前後でアメリカ人のイスラム教徒への認識は大きく変化してい
    る。このテロ事件は、一部のイスラム教徒によって行われた。
     しかしながら、イスラム教徒基本的な理念として(それが予期せぬことで
    あっても)自殺行為は禁止されている。(文献3)つまりこの事件を起こし
    たは一般的なイスラム教徒であるとは言えないはずだ。このヘイトクライム
    の上昇は集団を一部の個人(過激派)によってネガティブに定義した結果で
    あるように思える。
     これは今まさに起きている在特会のヘイトスピーチにも当てはまる。何か
    しらの事件を起こした一部の在日朝鮮人への認識によって集団のイメージが
    ネガティブに構成されてしまっている。

    そして、私たちは見てから定義しないで、定義してから見る。

     このステレオタイピングの定理に基づくと、在特会の人々が持つ在日朝鮮
    人イメージを構成する要素はメディア等から受け取った情報であり、その情
    報が現実認識を歪ませており、そもそも彼らが言う”在日朝鮮人”は現実には
    存在しない可能性もある。
     面談では橋下氏の言葉遣いや態度に違和感を覚えるものの、彼は「民族や
    人種を一括りにするな」「特定個人を指摘しろよ」といったような発言をし
    ていた。もしもこのような言葉が視聴者に届いていれば、彼がプレスを呼ん
    で在特会の会長と対談をした価値はあったのかもしれない。

    http://credo.asia/2014/10/23/hate_speech-2/

    ---------------------------------------------------------------

    10)【北星学園大への威力業務妨害事件】 「くぎ」「ガス」など酷似 
    大阪の脅迫文も関連捜査
    47NEWS 10月25日

     従軍慰安婦報道に関わった元朝日新聞記者が教員を務める北星学園大が脅
    された事件で、新潟県の男(64)が逮捕された。北星学園大と、別の元記
    者(67)が勤めていた大阪の大学には、似たような脅迫文が届いており、
    北海道警などは関連の有無を慎重に調べている。
     北星学園大に脅迫文が届いたのは今年5月29日と7月28日。中には複
    数の虫ピンと「くぎを混ぜたガスボンベを爆発させる」と書かれた文面が
    入っていた。
     一方、大阪府の帝塚山学院大には9月13日、「くぎを入れたガス爆弾を
    爆発させる」といった、よく似た内容の脅迫文が学長や学部長宛てに複数届
    いた。元記者は当初、慰安婦問題の記事を最初に書いたとされていた人物
    で、脅迫文が届いた当日に自ら退職した。
     大阪府警の捜査幹部は「くぎやガスといった文言が似ている」として、同
    じ人物が関与した可能性を示唆。北海道警は大阪の事件との関連についても
    調べを進めている。
     朝日新聞をめぐる「言論テロ」には厳しい目が向けられている。新聞労連
    は「意に沿わない記事を書いた取材者を社会から排除しようとする行為は、
    言論の封殺につながる」との声明を今月9日に発表。日本ペンクラブも15
    日、「言論や学問の自由を暴力によって封じようとする行為は断じて許され
    ない」との声明を出した。

    ▼「これで収束するのか」 大学励ます団体、不安も

     北星学園大(札幌市厚別区)への威力業務妨害事件で23日、厚別署が容
    疑者を逮捕したことを受け、脅迫を受けた大学を励まそうと10月に結成さ
    れた市民団体「負けるな北星!の会」の関係者からは「これで脅迫が収束す
    るのか」「徹底的に捜査してほしい」などの声が上がった。
     脅迫電話などで名指しされた朝日新聞の元記者は、会を通じて「ほっとし
    たが、このような卑劣な行為は許されない。今後の捜査を見守りたい」とコ
    メントしている。
     呼び掛け人の一人、北星学園大の 小野有五 (おの・ゆうご) 教授は
    「2枚の脅迫文も同じ人が送ったかどうかは分からない。今後模倣犯が出る
    かもしれず、警察には徹底的に捜査してもらいたい」と訴えた。
     会の賛同者で、北星学園大の卒業生でもある北海道労働組合総連合(道労
    連)の 小田島佳枝 (おだじま・よしえ) 女性部事務局長は「暴力的なや
    り方は社会的に許さないという風潮が広がってほしい」と強調した。
     賛同者で、札幌市に住むフリーライターの男性は「ヘイトスピーチを見逃
    してしまうような社会では、言論へのテロにさらされる可能性は残ってい
    る。容疑者の逮捕はいいことだが、安心はできない」と警戒した。

    http://www.47news.jp/47topics/e/258641.php

    ------------------------------------------------------------------------

    11)<在特会>傷害容疑 メンバー1人含む5人逮捕 警視庁
    毎日新聞 10月25日

    ◇ヘイトスピーチ反対の団体メンバーと鉢合わせ

     ヘイトスピーチに反対する団体のメンバーに集団で暴行したとして、警視
    庁公安部は25日、「在日特権を許さない市民の会」(在特会)のメンバー
    1人を含む男5人を傷害容疑で逮捕し、東京都千代田区にある在特会の本部
    事務所など関係先数カ所を家宅捜索した。暴行現場には在特会の桜井誠会長
    もいたとみられ、公安部は今後事情を聴く方針
     逮捕されたのは、在特会のメンバーで三重県四日市市みゆきケ丘2、職業
    不詳、伊藤広美容疑者(54)や、在特会と友好関係にある右派系市民団体
    幹部で京都府宇治市槙島町、運送業、山本雅人容疑者(50)ら計5人。
     伊藤容疑者の逮捕容疑は今年8月15日午後9時ごろ、東京都千代田区飯
    田橋4の路上で、ヘイトスピーチに反対する団体の男性(39)の首を絞め
    軽傷を負わせたとしている。山本容疑者ら4人の逮捕容疑は同団体の男性
    (28)に暴行し、胸の骨を折る重傷を負わせたとしている。
     公安部によると、この日、現場近くの飲食店で在特会関係者らの懇親会が
    あり、数十人が店から出てきたところ、ヘイトスピーチに反対する団体のメ
    ンバー9人と鉢合わせになりトラブルになったという。【岸達也】

    http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141025-00000034-mai-soci


    ―――――――――――――――――――――――――――――――――
    ●6.のりこえねっと動画アーカイブ公開のお知らせ
       すべての番組が見られるようになりました

     のりこえねっとTVも放送を開始してから11か月が経過し、内容について
    も、多くのゲストの方の協力を得て、ヘイトスピーチ・レイシズムに対抗す
    る番組として、中身のあるものができたのではないかと考えております。
     しかし、のりこえねっとTVは、ニコニコ動画の生放送を利用しているた
    め、アカウントを作成しログインしなければ視聴できず、放送後1週間で視
    聴できなくなるということもあり、多くの方に見て頂けませんでした。

     そこで、のりこえねっとでは公式サイトに動画集として「のりこえねっと
    動画アーカイブ」ページを公開し、これまで放送してきた番組をアーカイブ
    として見られるようにしました。
     このアーカイブのほとんどの番組には、放送の詳細レポートもあわせて掲
    載してありますので、これを読むだけでも概要がわかります。
     以下のURLをクリックするとご覧いただけます。のりこえねっとの公式サ
    イトトップページからも「動画アーカイブ」のボタンがあります。

    ●2014年4月~10月分はこちら
     http://www.norikoenet.org/movies.html

    ●2013年11月~2014年3月分はこちら
     http://www.norikoenet.org/movies_2.html


    ――――――――――――――――――――――――――――――――――
    ●7.11月2日「東京大行進2014-差別のない世界を、子どもたちへ。」
       いよいよ今度の日曜日です みんなで参加しよう!

     昨年ヘイトスピーチとそれに対する抗議が増える中、1963年のワシントン
    大行進(キング牧師らの主導により開催され、アメリカ公民権運動のひとつ
    の到達点となったデモ行進)50周年にもリスペクトしつつ、「差別撤廃 東
    京大行進」と銘打ち、約3000人の参加者とともに「人種差別撤廃条約の誠実
    な履行」を日本政府に求める行進が行われました。今年もこれを受け継ぎ、
    「差別撤廃」と「ヘイトスピーチ反対」を訴えるデモ行進が行われます。今
    年のテーマは「差別のない世界を、子どもたちへ。」となっています。
     のりこえねっとも趣旨に賛同し、参加・協力しています。ぜひ皆さんもご
    参加いただけますようお願いします。

    日時:11月2日(日)12時00集合 12時30分出発
    場所:新宿中央公園・水の広場出発(東京都新宿区西新宿2-11)
    (アクセス)JR・小田急線・京王線 新宿駅から徒歩約10分
    東京メトロ丸の内線 西新宿駅から徒歩約5分
    都営大江戸線 都庁前駅から徒歩1分
    http://www.city.shinjuku.lg.jp/seikatsu/file15_02_00001.html
    内容:当日は4つのブロックに分かれて、行進します。のりこえねっとは差
    別反対東京アクションとともに第2ブロックを担当し、東京都に対し、「人
    種差別撤廃条約を履行し、都条例でヘイトスピーチへの対策を行うこと」を
    要求します。強力な演説と湧き上がるシュプレヒコールが都庁のある新宿に
    轟きます。
    ※デモ行進の趣旨にあったプラカードや横断幕の持ち込みは大歓迎ですが、
    国旗、団体旗(主催団体や各ブロックの運営団体のものを除く)に関しては
    お断りしております。特定の国家、政党、宗教などを支持するデモではあり
    ませんので、ご注意ください。
    主催:TOKYO NO HATE

    ★東京大行進 2014 呼びかけPVができました。
    https://www.youtube.com/watch?v=Ekx5M-Metuc
    ぜひリンクを広めて下さい。

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――
    ●8.のりこえねっと声明「大阪でのヘイトスピーチ対策に関して」

     のりこえねっとは、10月20日の橋下大阪市長と桜井在特会会長の面談を受
    けて、以下のような声明を発表しました。

     去る2014年10月20日、大阪市役所内にて、橋下徹大阪市長と「在日特権を
    許さない市民の会」(以下、「在特会」)桜井誠会長との会談がなされた。
     会談の場では、橋下市長から、桜井誠に対し、「おまえみたいな差別主義
    者は大阪にはいらない」「民族をひとくくりにして語るな」等、在特会の主
    張が差別にあたることが明言された。

     巷間よく言われるように、この会談はおよそ「議論」の体をなしていな
    かったが、そのことを私たちはまったく問題としない。所謂「ヘイトスピー
    チ」(人種・民族的マイノリティに対する侮蔑表現・差別扇動表現)は表現
    の自由の範疇に属するものではなく、相互に意見を交換して「議論」するべ
    きものではないことは当然である。また、ヘイトスピーチへの対抗言論を平
    穏にかつ効果的になすことは不可能に等しいため、会談での橋下市長の口調
    が穏当と呼べるものではなかったということに関しても、私たちは問題とし
    ない。
     私たちは、橋下大阪市長からレイシズム団体会長に対して、ヘイトスピー
    チを「やめろ」という正義の言明がなされたことを歓迎する。

     ただし、行政の長による人種差別・ヘイトスピーチ禁止の宣言が、レイシ
    ズム団体の長を大阪市役所内に招いて行われる必要はまったくない。また、
    人種差別・ヘイトスピーチ対策を検討するにあたっては、被差別当事者であ
    るマイノリティが受けている深刻な被害の実態調査や、行政と被差別当事者
    との間での意見交換こそ求められている。
     私たちは、橋下市長がヘイトスピーチ対策に関しての被害当事者との市長
    面談を、現在に至っても行っていないことをきわめて遺憾におもう。

     人種差別・ヘイトスピーチ問題に限らず、事実に基づく認識こそが社会問
    題解決の基盤であり、デマこそがヘイトの温床である。
     橋下市長は、桜井誠との会談翌日の10月21日、「ヘイトスピーチ対策とし
    て、特別永住資格の見直しを考える」「特別扱いというのは、逆に差別を生
    む」等の発言をしたと報道されている。
     言うまでもなく、差別主義者たちの主張する「在日特権」など存在しない
    し、在日韓国・朝鮮人等らが有する特別永住資格は何ら「特権」ではない。
    したがって、ヘイトスピーチ対策と在日韓国・朝鮮人の特別永住資格とには
    何の関係もない。
     「特別永住資格」とは、1991年に旧植民地出身者を対象として制定された
    「日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関
    する特例法」を根拠とする在留資格に過ぎず、これを「特権が与えられてい
    る」という意味での「特別扱い」と呼ぶことはできない(なお、「特別扱い
    が差別を生む」との言明はたんに誤りであり、正義にかなってもいない。)。
     にもかかわらず、橋下市長がヘイトスピーチ対策と関連づけて「特別永住
    制度」に言及し、結果的に差別主義者たちの悪質なデマを助長したことにつ
    いて、私たちはきわめて遺憾におもう。
     私たちは、大阪市のヘイトスピーチ対策が、上記のようなデマを回避する
    ことはもちろん、差別被害の実態を十分に把握したうえで遂行されることを
    期待する。

     最後に、かかる「ヘイトスピーチ対策」の具体策として、私たちは、大阪
    市長をはじめとする大阪市に対し、人種差別撤廃・ヘイトスピーチ禁止のた
    めの条例策定を求める。
     大阪市内において、「特定個人」ではなく人種・民族的マイノリティ集団
    (「不特定人」)に対するヘイトスピーチを規制する条例は存在しない。そ
    のため、先の会談での行政からレイシズム団体への正義の言明が、日本国内
    における法律や条令等の法的根拠を欠くという不合理な事態が生じている。
     私たちは、議論の余地なく明らかである不正義に対して、にもかかわらず
    正義を実行するための国内法規範が存在しないという現今の事態に懸念を表
    明するとともに、このような事態を解消するため、引き続き活動を推進する
    ものである。

    2014年10月23日

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――
    ●9.編集後記

     いよいよ来週の日曜日、「東京大行進2014-差別のない世界を、子どもた
    ちへ。」が行われます。新大久保にあるのりこえねっと事務所でも、差別反
    対東京アクションの皆さんが、連日プラカードや装飾作りなどで作業してい
    ます。のりこえねっとの事務所もこういう形で利用が広がれば、うれしい限
    りです。
     今週金曜日の夜は、60~80年代韓国労働運動において活躍した女性労働者
    の手記・インタビューの読書会の日です。月1回で韓国語で書かれた書籍を
    持ち回りで訳して、読んでいます。私の実力ではなかなか厳しいものもあり
    ますが、当時の闘いの息吹に触れることができることは、喜びでもありま
    す。辞書がひける程度の力があれば参加できますので、興味のある方はぜひ
    お問い合わせください。
    (か)

    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ★メールアドレスのご変更等は、info@norikoenet.org までご連絡下さい。
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ■のりこえねっと通信 0053号 2014年10月27日発行
    info@norikoenet.org
    発行:のりこえねっと事務局
    運営団体:のりこえねっと

    〒169-0072
    東京都新宿区大久保2-7-1大久保フジビル 311 ペンの事務所気付
    Tel.03-5155-0385/Fax.03-5155-0383

    公式サイトURL http://www.norikoenet.org/
    Twitter https://twitter.com/norikoenet

    ◆お問い合わせは、上記の公式サイト、最上部の各種
     「お問い合わせフォーム」よりご連絡下さい。

    (C) のりこえねっと All rights reserved.
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


    コメントを書く
    コメントをするにはログインして下さい。