ミライ: フツクロウさん、フツクロウさん。大変です。
フツクロウ: ホ?
ミライ: 今回は、私たちだけでやってくれと、中の人が。
フツクロウ: ホッ? どうしたんじゃい。
ミライ: このシリーズ始めるために、動画800万本以上のデータがあるニコニコデータセットいじりだしたら、何年も停滞していたロングテールの研究が進み始めたらしく、そっちに熱中しているようです。ほら、
ミラフツ、ロングテール研究最新情報目次
ここに、ニッチ度だ、複雑ネットワークだとか連投してます。
フツクロウ: ホホ。お盛んじゃの。ホイじゃわしらだけでやるかの。
ミライ: やりましょ〜! ゼロから学ぶロングテール(その5)です! フツクロウさん、今回はなんですか?
フツクロウ: 「ロングテールは、ヒトの多様な欲望を満たす」じゃ!
ミライ: ん? それロングテール研究最新情報のほうにも同じタイトルがありましたね。
フツクロウ: ホウじゃ。あっちは数式で書いてあるが、こっちは数式を使わずに説明してみるぞ。
ミライ: わぁい。あっちは、ちんぷくまんぷくちんぷんかんぷんですもんね。さっそくお願いします!!
フツクロウ: ホイきた。前回、こんなグラフが出てきたの。
ミライ: はい。例えば再生数が5ケタの動画は全部合わせて何回再生されているかというグラフですね。
フツクロウ: そうじゃ。このグラフで起こっていることを単純にしたのがこれじゃ。
ミライ: 箱がいっぱい並んでますね。
フツクロウ: うむ。一つの箱が一つの動画に対応しておる。各動画の再生数は箱の大きさと数字で示してある。
ミライ: 一番上の動画は再生数8回ですね。
フツクロウ: ホウじゃ。その下の再生数4回の動画は何本あるかの。
ミライ: 2本ですね。
フツクロウ: その再生数4回の動画の合計再生数は?
ミライ: 4×2で8回ですね。
フツクロウ: その通りじゃ。他のはどうかの。
ミライ: 再生数2回のは4本で全部で8回、再生数1回のは8本でやっぱり全部で8回ですね。
フツクロウ: ホじゃ。ニコ動のグラフでは、10倍ずつで区切ったが、この例で2倍ずつで区切ってグラフを書くとこうなる。
ミライ: 真っ平らですね。
フツクロウ: ニコ動の例では釣り鐘型じゃが、より理想的なロングテールではこのように真っ平らになる。このようになるということは、再生数8回の動画1本に対して、再生数1回の動画は、ここではたった8倍じゃが、「無数」にあるということじゃ。
さて、このとき、どの動画が誰に見られているかを、図では模式的に示してある。下段にAさん、Bさんとふってあるが、それぞれの名前の上にある動画を見ているとする。たとえば、Bさんは水色で塗られた動画を、Eさんは黄色で塗られた動画を見ているんじゃ。
ミライ: ふむふむ。
フツクロウ: たとえば、一番上の動画は全員が見ておる。再生数2回の水色の動画はAさんとBさんが見ておる。再生数4回の黄色の動画はどうじゃな?
ミライ: えと、Eさん、Fさん、Gさん、Hさんですね。
フツクロウ: ホのとおりじゃ。さらに詳しく見よう。AさんからHさんはそれぞれ4回動画を見ておる。それぞれ見ている動画は違うが、それぞれ、再生数8回、再生数4回、再生数2回、再生数1回の動画を1回ずつみておるの。
ミライ: はい。
フツクロウ: それがヒトの欲望じゃ。