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『NEWSを疑え!』第240号(2013年9月12日号)
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【価格】1,000円/月(購読料のうち半分は、研究所の活動に対する維持会費とお考えいただき、ご理解をいただければ幸いに存じます。)
【最新発行日】2013/9/12
【発行周期】毎週月曜日、木曜日
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【今回の目次】
◎ストラテジック・アイ(Strategic Eye)
◇◆こう打開せよ!こじれる沖縄米軍基地問題
◆ただちに実行すべきは危険性の除去
◆キャンプ・ハンセン陸上案とは
◆地位協定改定にはリサーチが不可欠
◎セキュリティ・アイ(Security Eye)
・ロシアの対シリア提案で低下した米国の威信
(静岡県立大学グローバル地域センター特任助教・西恭之)
◎ミリタリー・アイ(Military Eye)
・お粗末だったロシアの弾道ミサイル警戒網(西恭之)
◎編集後記
・日本警察の警備能力が試される東京五輪
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◎ストラテジック・アイ(Strategic Eye)
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◇◆こう打開せよ!こじれる沖縄米軍基地問題
国際変動研究所理事長 軍事アナリスト 小川 和久
Q:沖縄の米海兵隊普天間基地に新型輸送機オスプレイの追加配備が始まりました。ところが、場所こそ米軍基地内でしたが、沖縄で空軍の救難ヘリが墜落、米軍のヘリやオスプレイに対する沖縄県民の不信感が募り、沖縄の米軍基地問題がこじれにこじれています。小川さんの考えを聞かせてください。
小川:「普天間基地のオスプレイは、2012年10月に最初の12機が配備されました。2013年7月30日には山口県の米軍岩国基地に追加配備の12機が陸揚げされ、8月上旬には普天間基地に移動して合計24機となる予定でした。ところが、2機が移動した直後の8月5日、沖縄の海兵隊基地キャンプ・ハンセン内の山中で嘉手納基地に所属する空軍の捜索救難ヘリコプターHH60が墜落・炎上するという事故が起こりました」
「嘉手納基地は乗員4人のうち1人が行方不明と発表。例によってマスコミは、オスプレイと救難ヘリ墜落事故に関係があるかのように報道しました。ヘリが墜落するのだからオスプレイだって墜落しかねない、とても危険だ、というニュアンスですね。この状況下でオスプレイの追加配備を強行すれば、沖縄県民の感情が爆発しかねません。そこで米軍はただちに追加配備を延期すると決めました。もっとも1週間後の8月12日には再開し、日本政府も『日本が判断する筋のものではない』(小野寺五典・防衛相)という姿勢で、沖縄では抗議集会が開かれました」
「私は、ヘリが墜落した翌8月6日の朝、テレビ朝日の『モーニングバード』に出演してコメントしました。その直後、沖縄のある町の町長で、沖縄県北部の首長を束ねている知人から、『番組を見た。明日、沖縄県の町村会として首相官邸などを訪ねるのだが、会えないか』と電話がありました。昔からよく知っている人ですから、7日に軽いランチをとりながら、情報と意見を交換したのです」
「この町長が言いたいことは、『いったい沖縄はどうすればいいの』ということに尽きました。彼は、私が17年前から主張しているキャンプ・ハンセン陸上案について、これならばいけると評価してきた人です。読者の皆さんは意外に思うかもしれませんが、沖縄のリーダーたちは、主義や所属政党に関係なく、いわば右も左も、そのような現実的な判断をする人が少なくありません」
「しかし、それでも17年間、普天間基地は1ミリも動いていない。その間に積もりに積もったのが、沖縄県民の日本政府への、そしてヤマトへの、『不信感』と『無力感』です。いくら県民大会を開いても、参加する人だけはいても、無力感が充満しています。日本政府や米軍にいくら抗議しても何も変わらず、普天間はじめさまざまな問題が放置されているからです。沖縄のリーダーたちは、そんな無力感にさいなまれながら、それでも自分たちはいったいどうすればよいのか、と苦悶し、模索しているのです」
「どうすればよいか。これについて、私も専門家の端くれですから、さまざまな処方箋を書くことができます。しかし、まず必要なことは、テレビ番組でもコメントしたように、立場を問わず日本政府に対する不信感一色に染まった沖縄県民の心を開き、信頼を回復することだと思います。日本政府は17年間、普天間問題について何もしないどころか、不信感を募らせることしかやってきませんでした。あえて、そう言います。しかし、安倍晋三首相の『頭の下げ方』しだいで沖縄県民の気持ちは大きく変わるはずだ、と私は考えています。安倍さんはそれができる政治家だ、とも思っています」
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