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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「スティーヴン・キングの描く「善と悪」」
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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「スティーヴン・キングの描く「善と悪」」

2018-03-10 07:00

    岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2018/03/10

    おはよう! 岡田斗司夫です。

    今回は、2015/08/09配信「無職の夏でも大丈夫!オタキングSUMMER2015!」の内容をご紹介します。
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    2015/08/09の内容一覧

    スティーヴン・キングの「善と悪」

     えーとね、スティーヴン・キングっていう作家が『ドクター・スリープ』って本を書いて、ついこの間、読み終わったところなんですけども、面白かったんですよ。これが小説版『シャイニング』の続編だったんですね。
     『シャイニング』の小説って、みんなね、読んでないでしょ?
     『シャイニング』ね、映画を見た人はすごく多いんだけども、原作読んだ人ってもうほんとにいないんですね。
     で、『キャリー』も同じなんですよ。もうブライアン・デ・パルマ版とかの『キャリー』を見た人は多いんだけども、『キャリー』を読んだ人はもうほとんどいないっていうですね。
     スティーヴン・キングって、本当にね、才能がある。
     で、『スタンド・バイ・ミー』も映画は見た人は多いんだけども、原作読んだ人はいない。
     『グリーンマイル』も原作読んだ人はいないんだけど、映画観た人は多い。
     『ショーシャンクの空に』に、これもスティーヴン・キングですよ(笑)、本当に(笑)
     こんなに多いのにですね、あんまり読んだ人がいない。

    (中略)

     で、映画版でも出てきた、ダニエル・トランス。
     ダニーっていう男の子ですね。「レッドラム、レッドラム、レッドラム」っていう言葉を言ったり書いたり、あと何だろうな。
     「輝き」──「シャイニング」って輝きで、超能力みたいなもんのことなんですけども──を持った男の子が怖い目に会うという。
     ま、お父さんに追いかけられるっていうそういうような話なんですけども。
     それが成長して、中年男になった話なんですよ。
     で、その意味でキングって続編って書いたことなかったんですけども、読んでたら、かなりこうドキドキドキドキする話を作ってたんですね。

     で、なんでこの人ね、キングは日本で読まれないのかな? と思ったんですけども。彼は日本人に不得意な概念を扱ってるんですよね。
     で、それ何か? っていうと、「善と悪」なんですよ。
     キングの小説の中には必ず善と悪っていう概念が出て来る。で、最後には必ず善は勝つんだけども、善が勝つ時は必ず代償を要求すると。つまり、最後に正義は勝つんだけども、そのために何かが犠牲になると。
     最も大事なものが犠牲になるっていう、そういう交換的な話になってるわけですよね。そういう善と悪っていうのは、やっぱ僕らの中にはないんですよね。
     たとえば、呪怨とかリングとか見ても、善と悪との戦いじゃないんですよ。
     貞子がなんで貞子になってしまったのかって言うと、貞子が悪の世界に行ったからではなくて、貞子がかわいそうだから、結果自分の恨みつらみの世界に閉じ込められてこんなふうになったっていう、同情する余地っていうのがあるし、お岩さんだってそうなんですよね。
     そんな目に遭ったから人間の恨みっていうのは恐ろしいねっていう話になるので、どうやればその恨みを鎮めてもらえるんだろうかっていう、ある種怖いものは神として僕らは祀るんですね。
     この神っていうのはキリスト教的な神ではなくて、カタカナで言うところの「カミ」、祟りをなす祟り神のようなものとして祀るんですよ。
     だから僕らにとってみれば、稲とかを豊かに実らせてくれるのもカミであれば、お盆の時に川で泳いだら、足を引っ張ってくるその怖いものもカミであるし、あとお稲荷さんでお参りするのもカミであれば、狐が年をとって変身して人間に悪さをするのもカミであるというですね、すごい善悪ではなくて、人間の手が届く、届かない、怖い、怖くないっていうふうなもので、超自然的なものを解釈するんだけども。

     スティーヴン・キングはキリスト教的な世界観で作ってるんで、善と悪というのをやってしまう。
     なので、『キャリー』っていうのは、僕らが見る時には超能力を持った子がいますと、女の子がいますと。ブライアン・デ・パルマ版の『キャリー』もそうですね。
     その女の子が学校でいじめられっ子です。その女の子がいじめられっ子なんだけども、恋をして綺麗になるんだけども、でも最後の最後、いじめっ子たちの陰謀で、豚の血をバッと浴びせられて、ついに最後の堪忍袋の緒が切れて、まあ水戸黄門の印籠みたいなもんですね、超能力がドーンと出て周りの人間をすべて滅ぼしてしまうっていうような話なんですけども。
     スティーヴン・キング版の『キャリー』っていうのは、もっと青春ストーリーなんですね。
     キャリーっていうのはいじめられっ子なんだけども、なんでそんないじめられっ子なのかって言うと、お母さんがもう本当に狂信的なキリスト教の信者、それもカルト的なキリスト教の信者なんですね。
     それが娘に対して、お前は男の穢れた血で生まれてきたっていういうふうにずっと教えてて。
     だから、生理とかがあってはいけないみたいなこと言ってる。
     そのキャリーって女の子が他の友達よりずっと遅れて生理が学校であって、自分の足から血が出てるのがなんでかわかんないので、周りの女の子からすごいタンポンとか投げつけられていじめられるというようなシーンから始まるんですね。

     それを書きながらも、そのキングっていうのは、キャリーとあとそのキャリーをイジメている女の子と両方に感情移入するんですよ。
     いじめている女の子のほうがキャリーをいじめたんだけども、そのいじめグループの中でも、あんな子いじめていいのよと言う子と、あれはやり過ぎだったんじゃないのかなっていうグループに分かれてきて、主役の一人がやり過ぎだったんじゃないかなっていうふうに考える子なんですね。
     やり過ぎだったんじゃないかなって思う子が、でも私はキャリーの友達になりたいと思うんだけども、でももうあんなことをしたからなれないと思ってて、自分のボーイフレンドに、じゃあキャリーをプロムっていう、アメリカでよくある高校の卒業パーティーですね、あれに招待してあげて、あなたが誘ってあげて、あなたは素敵な男の子だから、あなたに誘われたらキャリーもきっと喜ぶと。
     で、男の子のほうがそれは同情か? お前は俺のガールフレンドだから、俺と行くのが当たり前だろ、なんでキャリーを俺が誘わなきゃいけないって言ったら、その女の子は私は何かを失わなければいけない気がすると。
     これもキングの、何か善なることをするには何かを失わなければいけないっていうテーマが、ここずっと流れているんですね。

    (続きはアーカイブサイトでご覧ください)

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