岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2018/08/22

おはよう! 岡田斗司夫です。

今回は、2018/08/05配信「人類は、人工知能ではなく、機械に職を奪われる?!」の内容をご紹介します。
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2018/08/05の内容一覧

現在のAIは「人工知能」ではないけど、役には立つ

 「ザ・ターク」(トルコ人)と呼ばれるロボットがいます。
(パネルを見せる)
 この絵の中で、ロボットがチェスをしています。このロボットがザ・タークです。ザ・タークの相手をしているのはナポレオン本人です。
 これは、1809年に、ナポレオンとザ・タークという「チェスを指す自動人形」が対戦している様子を描いた絵です。
 ザ・タークは、1770年にオーストリアのマリア・テレジアの注文で作られた機械仕掛けの人形で、ナポレオンにも勝ったし、その他にも、アメリカやヨーロッパでツアーをして、当時のチェス名人に次から次に勝ったんですよ。

 この自動人形の秘密は、20世紀になるまで誰にもわかりませんでした。しまいには、いろんな人が「あれは悪魔の機械だ」とか噂をするようになりました。
 人形の中身はちゃんと見せてくれるんですよ。しかし、歯車とかがいっぱい入っているんですけど、あまりに複雑で、どういう仕組みなのかはわからなかったんですね。
 けれども、20世紀に入ってから、ようやくどういう仕組みかわかるようになってきたんです。

 実は、単純な話で「机の下に人間が入っていて、裏から磁石で駒を動かしていた」んですよね。
(パネルを見せる)
 こんな単純な仕組みだったんですけど、それでも、当時の人々はいとも容易く騙されてしまいました。
 当時、アメリカからヨーロッパに親善に来ていた、アメリカの独立宣言の起草者の1人で、メチャクチャ賢いベンジャミン・フランクリンですら、この自動人形の仕組を見抜けなかったんです。
 あのエドガー・アラン・ポーも、この人形を見に行きました。彼は「「人形の中」に人が入っているんじゃないか?」と考えて、そういう本まで書いたんですけど、「机の下に人がいる」ということは見抜けなかったんですね。
 ナポレオンは、このザ・タークと戦った時に負けそうになって、あまりにも悔しくて、3回もズルをしたそうです。すると、ザ・タークの腕がブルンと振り回されて、卓上のコマをひっくり返し、ナポレオンはすごく恥をかいたという逸話があるくらいです(笑)。

 なぜ、ベンジャミン・フランクリンですら、こんな単純な仕掛けを見抜けなかったのかというと、別に「下に人間が入っているだなんて思わなかった」というだけではないんですよ。
 「ああ、今の時代、科学が進歩して、からくり人形の技術も進歩したから、人間よりも賢い機械が作られてもおかしくないな」って、みんな、ついつい思っちゃったからなんです。
 ここがポイントなんですよ。

 「知性を持った機械は作れる」ということを、その時代に流行っている仕組みや理論で説明されると、人間というのは、ビックリするくらい簡単に信じてしまうんです。
 事実、18世紀には歯車の機械仕掛けで出来たザ・タークをみんな信じてしまったし、19世紀には、電気による人造人間である「フランケンシュタインの怪物」を、みんな信じました。20世紀でも「コンピューターがそれを可能にします」と言ったら、誰でも信じちゃいました。
 それと同じように、21世紀の現在、「ディープラーニング」や「シンギュラリティ」と言われると、僕らもついつい、それを信じちゃうんです。

 なぜかというと、「人間の心や知性」というのは、目には見えないものだからです。
 なので、「最新の技術がそれを再現可能にしました!」なんて言われると、「ああ、あるある! それってありそう!」って思っちゃうんですよね。

 今、コメントで「水素水」って書いてくれた方もいますけど、まあ、「水素水」と言ってもいいですし、「俺以外のあらゆるダイエット理論」と言ってもいいでしょう(笑)。
 こういうの、みんな信じちゃうんですよ。

(続きはアーカイブサイトでご覧ください)

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