岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2018/09/18

おはよう! 岡田斗司夫です。

今回は、2014/10/12配信「『進撃の巨人』最新話解説と、『攻殻機動隊』は100点満点!!」の内容をご紹介します。
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2014/10/12の内容一覧

単純な勧善懲悪ものとしての原作『攻殻機動隊』

 『攻殻機動隊』、僕すごい好きなマンガなんだけども、なんか評価されてない気がするんだよなあ。
 押井守版の話が多すぎるんだよ、で、なんでこのマンガがすごいのかっていうのが、いまいち伝わってない気がして、僕は事あるごとに言うんだけども、まあ今日も『攻殻機動隊』の原作の素晴らしさというのを話してみようと思う。
 で、そう、

「原作派ですか」(コメント)

 というふうに書かれるぐらいで、原作派という言い方がもうね、理解できない。
 『攻殻機動隊』はマンガを100点だとしたらアニメは60点ぐらいなんだよ。僕にとってはそれぐらい違うもんなんだよね。
 だから、原作派という言い方がもう我慢できないんだよなあ。というあたりの感覚で聞いてくれ。
 何が『攻殻機動隊』すごいかって色々あるんだけども、僕がアニメ版の『攻殻機動隊』に足りないのは、原作の有名な、アニメにもなってるあたりなんだけども、ここですね。
 上のほうでバトーがこれ陰謀じゃないか謀略じゃないのか、いわゆる公安に騙されてるんじゃないのかというふうなことで言った時に「いつの時代にも我々のような組織は必要だと。だから失うものはない。スキャンダル工作、政治家の足の引き合い、子供の洗脳、そういうクソ野郎共を一掃するために猿と取引することにしたんだ。やってやろうじゃないの。そうしろと囁くのよ、私のゴーストが」
 このセリフ、好きなんだ。
 これなんで好きなのかって言うと、押井アニメにはやっぱりね、ここがないんだよ。
 じつは『攻殻機動隊』って、単純な勧善懲悪ものなんだ。必殺とか、もう必殺どころじゃないよな、水戸黄門に近いんだよ。
 じつは完全な勧善懲悪もので、ただ昔みたいに正義の味方が正義をやるというの理由がいるじゃん、セリフがいるじゃん。
 押井版の『攻殻機動隊』は草薙素子があんな活動する理由が、全部個人のアイデンティティになってんだよね。私っていうのはなんなのか、義体なのか、それとも人間なのか、ロボットなのか、それとも魂なのか、というふうなことをさすらう話になってんだけども。
 でも、士郎正宗版の原作だったらそういう悩みはあるんだけども、そういう悩みはあくまでアクセサリーで、中心にあるのは圧倒的な正義感なんだ。
 この社会を良くしようという正義感があって、この社会っていうのはクズかもしれない。クズだから何してもいいんだ、だから人間は悩むんだってことじゃなくて、社会がクズかもしれないけど、そのクズの中で戦う一公務員、一警官だよね、一ポリスマンとしての生き方みたいなものがきっちり描かれてる。
 毎回それはその『アップルシード』にしても『攻殻機動隊』にしても『ドミニオン』にしても、絶対に社会の前線で働く一人の人間として、なぜ人間がヒーローたりうるのかっていう資質をちゃんと描いてる上で。
 上でだよ、その上で人間とは何だろうか、義体なんだろうか、ネットは何だろうかというのを描いてくれてる。
 ここらへんの、正義の一本柱が真ん中通ってるところがねすっごい面白い。

 『パトレイバー』もそうなんだよ。
 『パトレイバー』もゆうきまさみ版のマンガっていうのは正義の味方とは何だろうか、お巡りさんっていうのは本当にそうなんだろうかっていう悩みを描きながら、ちゃんと単にロボットが好きな女の子じゃいけないのはわかってるとか、政治とかそういうようなもの、経済とかにたとえば干渉できない、いわゆる移民問題みたいなものを『パトレイバー』の原作版で描いてることがあるんだけども、そういうふうな中で正義の味方のお巡りさんっていうのをきちんと描いてる。
 ゆうきまさみも士郎正宗も、そこらへんを押さえてるんだけど。
 これが毎回毎回アニメになる時に、アニメの関係者、押井さんもそうだし、みんな、ここの部分を恥ずかしがりすぎて飛ばしちゃうんだよね。
 そこらへんが僕ね、すごい不満なの。

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