岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2018/12/04

おはよう! 岡田斗司夫です。

今回は、過去記事から「もっとディープに楽しむディズニーランド」の特集をお届けします
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お勧め記事一覧


『LEGO ムービー』『ウォルト・ディズニーの約束』『ウォルト・ディズニーの約束』『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』

 『ウォルト・ディズニーの約束』。
 『メリー・ポピンズ』っていうのは大名作は大名作なんだけど、今観ると何が面白いのかよくわかんないし、あと歌の中で歌われてる世界観。

(中略)

 感動するためには当時の世相とか、そういうふうなものを一回心に入れて、そういう時代なんだっていうふうに入れないと、なかなかストレートに観れない。
 それをもう一回思い出させた上で、トム・ハンクス自身がウォルト・ディズニーを演じて『メリー・ポピンズ』の原作者が、お父さんとの間にある確執ですよね、そういう理想のお父さん像っていうのを、書こうとしても書けない確執っていうのと、ウォルト・ディズニー自身が一人の父親として自分の娘に、こんな映画作ろうって約束したんだけど、原作者がOKしてくれないから撮れないっていう、なんかね、数種類の葛藤がうまくまとまっていて、こう、小さいんだけど割といい作品にあがっています。

ランド研究所の考えた「遊園地の面積」と視覚的なトリック

 マーケティング会社っていうのを、ディズニーランドを開く時にウォルト・ディズニーがランド研究所を雇ったそうなんだ。
 ここらへんがね、ウォルト・ディズニーすごいなって思ったんだけどね。
 ランド研究所って、だいたいアメリカの大統領がアメリカの政策を研究する時に依頼したり、あとは米軍が新兵器を開発する時に依頼したり、あとはアメリカの当時の大統領が原子力爆弾を開発するかどうかのシュミレーションを依頼したりするような、巨大研究所なんだよ。ランド研究所って。
 そこにウォルト・ディズニーが、たぶん民間で初めてだと思うんだけども、ディズニーランドっていうのをやろうと思うんだけど、どういうふうにやれば、最も収益性が高くなるのかっていうのを、収益性が高くなるのかって言うのと、もうひとつここがおもしろいのが、どうすれば、顧客満足度、「もう一回来たい」って顧客満足度が最大値化されるのかって言うのをはかって、発注した。
 研究所が出してきたのが、面積だった。
 「ディズニーランドの面積は、これぐらいであるべきです」って出してきた。

博物館の展示品レベルの美術考証

 ディズニーランドの楽しみ方ということで、まず見せたいのはこれですね。
(パネルを見せる。ディズニーランド内の活断層のようなセット)
 これは、つい先日、マニアたちのTwitterで話題になった写真なんですけども。ディズニーシーにある、「柱状節理」です。

(中略)

 こういうふうに、ディズニーランドの内部というのは、実は適当に作っているんではなくて、かなり考証された上で作り込まれているんですよね。
 特に、ディズニーシーのいろんな場所から見える、この「プロメテウス火山」。
 これ、港側から見たらちゃんとした活火山なんですけど。ところが、「ケープコッド」という……ディズニーにあんまり行かない人にとっては憎らしく見える、「ミッキーマウスが持ってた」とかいう熊のぬいぐるみがあるじゃないですか。あれを売っている小さな町みたいな場所をケープコッドって言うんですけども。アメリカのあのマサチューセッツのケープコッドがモデルになっている街なんですよね。そこから見ると、活火山ではなく、普通の花崗岩の岩石で出来た岩山に見えるんですよね。
 実は、ディズニーシーの真ん中にあるプロメテウス火山というのは、ケープコッド側から見たら花崗岩で出来ている岩山で、正面の港側から見たら玄武岩で出来た火山に見えるという、かなり凝った作りになってるんですよ。これは、地質学をやっているマニアの人は、わりと大喜びするようなものなんですけども。
 これ、どういうことかというと「博物館としてのすごさ」なんですね。

お化け屋敷の常識を覆したホーンテッドマンション

 で、ジャングル・クルーズが終わって、「すごかったな、あれ。ただ単に船に乗って進んで、両側からロボットの動物が出てくるだけなのに、なんであんなにすごかったんだろう?」って思いながら、Eチケットで乗れる他のアトラクションを探していたんですよ。
 そしたら、ニューオリンズスクエアの近くに「ホーンテッドマンション」というのがあったんですね。これもEチケットのアトラクションだから、きっとすごいだろうと思って乗ることにしたんです。

 まあ、お化け屋敷だってことだけは、なんとなくわかるんですよ。だから、みんなでヘラヘラ笑いながら、そのお化け屋敷に行ったんです。
 そしたら、そこに並んでいる係員は、全員、黒いメイド服みたいなものを着ていて。まあ、それはそれでカッコいいんですけど。さっきまでのアトラクションとは、全然、雰囲気が違うんですよ。
 ジャングル・クルーズでは、ジャングル探検隊みたいな格好をした人が、「こちらですよっ!」とか、「すぐ乗車できまーす!」とか「あなたは○番に乗ってくださいっ!」というふうに、笑顔を絶やさないんですけど。ところが、ホーンテッドマンションでは、多数いる係員の誰も笑っていないんですよね。
 誰一人笑わずに、深刻な顔をして「こちらに入ってください……」とか、「このロープの位置まで来てください……」というふうに、うつ向き加減で静かに言うんですよ。
 で、相手が笑顔をまったく見せないものだから、こちら側のヘラヘラ顔も、段々と真顔になってくるんです。
 「ちょっと待て! お前ら、どこまで本気でエンターテイメントをやるんだ!?」って思って、ビックリしたんですよね。

(中略)

 これ、初期案では、どうやら外観まで呪われた家風に作ろうとしてたらしいんですよね。
 ところが、ウォルト・ディズニー本人が「外観は普通にしようよ。これ、ニューオリンズスクエアのすごく目立つ位置にあるんだから、いわゆるフレンチクォーターという十字路の目玉になるような豪華な建物にして、中だけは呪われてるってした方が、絶対に怖いよ」と言ったそうなんです。

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