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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「原作版『攻殻機動隊』解説:世界に衝撃を与えた作品が生まれた背景とは?」
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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「原作版『攻殻機動隊』解説:世界に衝撃を与えた作品が生まれた背景とは?」

2019-01-28 07:00

    岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2019/01/28

    おはよう! 岡田斗司夫です。

    今回は、2019/01/20配信「『攻殻機動隊』講義~マンガ版第0-1話を徹底的に語る」の内容をご紹介します。
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    2019/01/20の内容一覧


    『攻殻機動隊』講義 第1回 第0話「THE GOST IN THE SHELL」

     今回、第1回で取り上げるのは、『攻殻機動隊』エピソード0の「GHOST IN THE SHELL」という、たった1ページの原稿なんですね。
     そんな、たった1ページの原稿でも「原作者が描こうとしたものから僕らが受け取れることというのには、これくらいの幅があるんだ」というのを伝えられると思うので、ちょっと、丁寧に丁寧に説明していこうと思います。
     この第1回の30分程度の講義で、何ページ目までいけるかわかりませんけれども。とりあえず、第1回の講義ですから、ゆっくりやっていこうと思います。

     それでは第0話の「GHOST IN THE SHELL」というエピソードなんですけど。
    (パネルを見せる)
     これは単行本の裏表紙です。

     まあ、「単行本」と言っても、実はこれ、いわゆる単行本じゃないんです。ここに「雑誌コード」がついてるんですよね。ということで、この本の扱いとしては、雑誌、いわゆる『ヤングマガジン』別冊扱いなんですね。
     士郎正宗さんって、あんな売れてる国際的な作家なのに、その代表作である『攻殻機動隊』の最初の本が講談社から出た時は、単行本としては出版されずに、別冊雑誌扱いされてしまってるという(笑)。
     一応、奥付とかもついてるんですけど、いわゆるコンビニとかで売られる本の体裁なんですよね。
     後に、豪華本とかがいっぱい出たんですけど、最初の時は雑誌扱いだったんだなという、ビックリすることがあります。

     この裏表紙、すごくリアリティのある画力で描いてますけど、当然これは「絵」なんですね。
     別に、こういう小道具を作って、ネジで止めたものを写真に撮ったわけではなくて。
     こういった、実写なのか絵なのかわからないような画風というのを、士郎正宗は、この『攻殻機動隊』辺りから確立しました。
     その前に描いていた、例えば彼の代表作である『アップルシード』とか、あとは同人誌時代に出していた『ブラックマジック』とか、そういうところでは、まあ、大友克洋さんの影響を大変受けているのがわかるくらい、絵面はリアルだったんですけども。
     しかし、ここまでのリアリティを持った画風ではなかったんですね。

     これは『攻殻機動隊』の本編が進む中でも、当時、最新の機材であったパソコンとかを使いながら、どんどん絵が新しくなってきます。

     この裏表紙には「単行本に収録するにあたって、どれくらい描き増しをしたのか?」というのが一覧できる表になってるんです。
     この「カラー・ニュー」「モノクロ・ニュー」というのが、後に描き足されたものです。この「オールド」という部分が、もともと雑誌に掲載されたものなんですよ。

     この表を見るとわかるんですけど、この「モノクロ・オールド」のページは、エピソード2から始まっています。
     エピソード2というのは「スーパースパルタン」という、「政府がやっている孤児院みたいな場所が、実は洗脳施設だった」という話があるんですけど。その中に草薙素子らが潜入するという話ですね。
     いわゆる、一番有名な「やれと言ってるのよ。私のゴーストが」っていうセリフがあるエピソードですね。「フチコマ」も活躍します。
     あれが事実上、雑誌連載での第1話だったんですけど。これを単行本に収録するに当たって、その前に1ページと7ページ、合計8ページの描き下ろしが追加されています。
     なので、このマンガを単行本で読む時というのは、実は後から描いた描き下ろしの部分から読み始めることになるんですね。
     つまり「この最初の第0話の1ページと、第1話の7ページは、原作者が、連載を全部描いた上で、よりわかりやすいように付け足した」という構造になっているんです。

     では、早速、「GHOST IN THE SHELL」という、たった1ページしかない第0話を見てみましょう。
     この次の、第1話は「PROLOGUE」というタイトルなんですけど。この第0話の「GHOST IN THE SHELL」というタイトル自体が、この単行本のタイトルにもなっています。

    (パネルを見せる)
     バーンとビル街が映って、「企業のネットが星を覆い、電子や光が駆け巡っても、国家や民族が消えてなくなる程、情報化されていない近未来。アジアの一角に横たわる奇妙な企業集合大国日本」というナレーションが書かれています。
     そして、またビルが映る。

     さて、これだけ見ると、ついついスーッと見過ごしてしまうんですね。
     ただ、この1ページには、ものすごく膨大な情報が詰まっています。
     というのも、こういった情報を、作者は最初の第1ページ目に、それも単行本のために、わざわざ描き下ろしているんです。
     次に、この「GHOST IN THE SHELL」というエピソード0は、たった1ページだけなんです。次のページからは、第1話の「PROLOGUE」というのが始まるんです。

     では、なぜ、この1ページのエピソードが必要だったのかというと……まあ、その前に、『攻殻機動隊』というのはどういう作品なのかをお話しましょう。
     士郎正宗さんというマンガ家は、それまでは大阪の小さい出版社の「青心社」というところでマンガを書いていました。
     「青」い「心」の会「社」ですね。ここの社長が「青木さん」という人で「その青木さんの心のままに本を出す会社だ」という意味で、この社名になったと、僕は副社長から聞いたことがあります。「青心社とはどういう意味なんですか?」って聞いたら、「それはなあ、青木の心の会社やねん」って言ってたんですけど(笑)。
     その青心社というところから、描き下ろしのマンガとして『アップルシード』という作品を発表して、マニアの間ではものすごく評価だったんですね。
     ただ、この人はとにかく筆が遅い。描き下ろしで本を出しているんですけども、1巻出すのに2年くらい掛かるので、「まあ、プロのマンガ家になるのはとても無理だろう」と。
     あとは、同人誌みたいな描き下ろしのマンガ単行本、いわゆる、昔の貸本時代のマンガ家みたいな本の出し方をしていたんですけど、「それだけで十分売れてるので、プロにならなくても食っていけるんだろうな」って、みんな思ってたんですね。
     それが、まさかの講談社のヤングマガジンの別冊の海賊版からデビューするというので、ビックリしたはビックリしたんです。

    (続きはアーカイブサイトでご覧ください)

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