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公立中学校という選択:区立から難関大学へ その3
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公立中学校という選択:区立から難関大学へ その3

2016-04-11 13:51
    ~我が家は中学受験をしないことを決めました 続編~


    1年前、中学受験をしないことを決めた我が家。

    江戸川区で4人の男児を女房と共に育てている。通塾はむしろ子どもの好奇心の芽を摘む可能性があるし、小学生にとっては勉強よりも友達と遊ぶことが一番だ。


    我が家の4人の息子たちは、全員が区立保育園、区立小学校に進んだ。そして、全員が中学受験をしないこと、塾に通わないことを決めて、区立中学校という選択をした。


    2年前のコラムで強調したのは、子どもは親だけではなく地域社会によっても育まれることだった。区立中学が属する地域社会。地域は玉石混合、多種多様。
    そこで強い心、創造性、感受性等を育む試みだ。

    区立のよさは、健常者と障害者とが一緒に学び、一緒に育つこと。
    いじめや不登校をクラス全体で解決していくことであった。(2年前の主張)

    http://www.okuchika.net/?eid=4789



    ■中学生としての心構えを説く。意識は高く。


    勉強は本人に任せて、何もいわない。

    少なくとも中学1年生の1学期の期末テストまでは待つ。
    親は先回りしない。
    わざと子どもに「失敗」させる。
    その「失敗」から自然に学ぶように仕向ける。


    9科目の期末テスト合計が9割未満の場合(900点満点で810点未満のと
    き)、「どうしてこんなに低い点数になったのかなあ」と感想を子に伝える。
    子どもを褒めない。
    9割できなければ義務教育は落第であると高い水準を課す。
    これは我が家の考え方で、一般的には、ちょっと厳しすぎるかもしれない。
    だが、何度考えても、やはり、義務教育の内容を問う試験で9割以下はまずい。



    ■言い訳する子どもたち


    テストの点数が明らかになるにつれて、子どもは平均点云々という話をする。
    いかに「みんなが」できなかったか、という話をするだろう。

    子どもというものは、元来、勉強嫌い。
    意識は低い。
    言い訳が大好きだ。


    そのとき、親が言うべきことは、
    「平均点?平均という概念は、人生で生きていく上で必要ない。テストでは平
    均点ではなく、理想点を取れ。理想は我が家では90点以上だ」。


    それで目覚めないなら、もう、放置するしかないだろう。

    こればかりは本人次第だ。
    温い点をとってそれで本人が満足なら仕方ないではないか。


    いろんな生き方がある。たかが義務教育だ。
    教育を受ける「権利」が子どもにある。
    人権思想に基づく子どもたちのための権利だ。
    その権利を行使せず、温い学習態度で過ごすなら、子は「権利」を自ら放棄し
    たのだ。


    一方で、親には教育を子に受けさせる「義務」がある。
    「教育を受けさせる義務」とは、ただ、学校に行かせれば終わりか?


    そう考えてもよいだろうが、もう少し親がピンと背筋を伸ばして、
    親としての義務を遂行しようとするなら、
    子に教育内容を完全に習得させる責務とも取れる。

    一般的には、親にとって、厳しすぎる解釈かもしれない。
    だが、家のルールとしては、各家各様。
    我が家は残念ながら厳しい家だ。
    子どもは我が家に生まれて運が悪いのだろう。


    英語を習得するとはどういう意味だろうか?
    あるいは数学を習得するとはどういう意味だろうか?
    それは先生が課す試験で満点を取るという意味に違いない。
    もし、温い点しか取れないなら、子は基礎まで戻り、「あいうえお」の読み方
    や数の数え方からやり直すしかない。
    義務教育が習得できないなら、親の義務を果たしてないということだ。
    子に一定の学力は担保してやるのが親としてフェアであろう。

    とにかく、
    「義務教育で習うことぐらいは完璧にしようぜ」
    と子どもの意識を高く設定させて、
    「9割に満たない点をとるのは恥ずかしいことだ」
    とわからせることだ。

    一方で、子というのは面白いもので、一度、9割をとれば、後は、一人で努力
    するようになる。
    なぜならば、努力が裏切らないことを知った後では、点数が下がるのが嫌にな
    ってしまい、親に言われなくても勝手に机に向かうようになるからだ。


    子どもに限らない。
    人間というやつは、どうも考えが甘い。
    考えが甘いのであれば、少し、基準を上げるようにすればよい。



    ■子どもが自立するために必要なものは覚悟


    難関高校とは、江戸川区在住の生徒の場合、都立で独自作成の入試を実施する
    高校か、もしくは、中高一貫校で高校からも募集をする高校である。

    都立なら日比谷高校、戸山高校、青山高校、新宿高校等である。
    都立両国高校が一番近くて便利だったが、残念ながら公立の中高一貫になって
    しまった。

    独自入試に対応するためには、それなりの準備をしなければならない。
    遅くとも中学2年生春から準備するのがよいと思う。


    私立の場合、江戸川区という事情から、ラッシュアワーがないという重要な理
    由により、千葉の高校を受験する。

    渋谷幕張高校、市川高校、東邦大東邦高校、昭和学院秀英高校等がある。
    このうち、渋谷幕張は5科目入試、市川も5科目になるため、
    目指すのであれば、中学校1年秋から準備をした方がよいと思う。


    この事実は情報として子どもに与える。
    親の希望は経済的には学費がかからない都立だろう。

    中高一貫でも、千葉の中高一貫は、高校からでも十分難関大学に行ける。
    実際、長男は都立を受験せず、第一志望の高校に入学した。

    こうした生徒は高入と呼ばれる。
    高校1年で数学が週8時間あり、進度が速い。

    長男はその進度をさらに上回る先取りを自らに課し、
    数IIIを高校1年のうちに終えてしまった。

    今春、現役で旧帝大医学部医学科に合格した。
    高入でも中入でも、どの高校に行くかは問題ではなく、
    本人がどれだけ勉強したかで大学の合格は決まる。


    都立志望であれば、独自作成入試で高得点をとらなければ合格できない。
    その現実を中学生1年生のときに伝える。


    中学校の試験で90点以上をとり、
    さらに入試に備えた勉強をする覚悟があるか。

    結局は、本人の覚悟。覚悟のあるなし。
    こればかりは、親にはどうすることもできない。


    (続く)


    日本株ファンドマネージャ
    山本 潤

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