週初は円高と原油安の進行、熊本など九州で相次ぐ地震への懸念などから、大幅に続落して始まりました。しかし、19日(火)以降、米国株式相場の上昇、円安傾向などを好感して回復に転じ、22日(金)まで4日続伸して、1万7572円で取引を終えました。
22日には「日銀が金融機関への貸し出しにマイナス金利の適用を検討」との報道もあり、日銀の追加緩和への期待が拡大。銀行株や不動産株が買われたほか、外為市場で1ドル=110円台まで円安が進行し、輸出関連株も買われる展開となりました。
「1万7000円を超えると上値は重い」とみていた筆者にとっては意外な株式相場となりましたが、来週の焦点は日銀の金融政策決定会合(27~28日)と考えます。
国内景気のもたつきに加えて、九州での地震の影響への懸念から、日銀は何らかの形で追加緩和に踏み切るものと予想します。
24日の衆院補選の結果を見るまでもなく、政府は景気対策を強化するものとみられます。衆参同日選は実施が難しくなりましたが、17年4月の消費増税も見送りの公算が大きくなっています。
楽観的なシナリオを描けば、国内での景気対策の強化に伴う内需拡大、再び円安傾向が強まることによる輸出関連株の業績回復が揃うことにより、株式相場は上昇基調を維持することが見込まれます。
一方で、英国のEU離脱問題、ギリシャなどの財政問題、中国の経済情勢、産油国の景気低迷など海外情勢が再び混迷を深める材料には事欠きません。
やはり、株価指数の上値は重く、むしろ個別に材料性のある銘柄を拾う動きが継続するのではないかと予想します。
(水島寒月)
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