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公立中学校という選択:区立から難関大学へ その6
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公立中学校という選択:区立から難関大学へ その6

2016-05-06 16:07
    ~我が家は中学受験をしないことを決めました 続編~


    1年前、中学受験をしないことを決めた我が家。

    江戸川区で4人の男児を女房と共に育てている。通塾はむしろ子どもの好奇心の芽を摘む可能性があるし、小学生にとっては勉強よりも友達と遊ぶことが一番だ。


    我が家の4人の息子たちは、全員が区立保育園、区立小学校に進んだ。そして、
    全員が中学受験をしないこと、塾に通わないことを決めて、区立中学校という選択をした。


    2年前のコラムで強調したのは、子どもは親だけではなく地域社会によっても育まれることだった。区立中学が属する地域社会。地域は玉石混合、多種多様。
    そこで強い心、創造性、感受性等を育む試みだ。

    区立のよさは、健常者と障害者とが一緒に学び、一緒に育つこと。
    いじめや不登校をクラス全体で解決していくことであった。(2年前の主張)

    http://www.okuchika.net/?eid=4789


    ■幼馴染みたち。旅立ちの日に。


    長男の保育園からの同級生のA君が近所のコンビニでバイトをしていた。

    最近、両親が離婚。弟二人の面倒も見る。
    受験料や入学金はバイトで払った。
    声優になるという夢。養成学校に入学。
    新聞奨学生として学費は自ら払う。
    弟たちの学費も払っている。

    長男にA君の話をした。

    「自分の努力だけで医学部に受かったと思うかもしれないが、
    そうではないのでは?我が家は恵まれていた。
    勉強に専念できたのは、環境があってこそだ」。


    長男の保育園からの同級生のBさん。
    父親が小学生のとき病死。
    母に負担をかけたくない。私立大学をひとつも受けなかった。
    自宅から通える国公立大学を受験。見事合格した。
    首都圏の国立大学は難しい。地域の誇りだ。


    片親のC君。
    息子たちがお世話になったクラブチームの主軸打者だ。
    3年間、高校野球にどっぷりとはまった。野球にかけた青春。
    夏の大会。最後にマウンドに上がった。
    地元の大手企業に就職。野球は続けるつもりだ。
    将来、出身チームのコーチや監督になって
    子どもたちに夢を与えてくれるだろう。


    A君、Bさん、C君、そして長男よ。
    君たちを地域社会はずっと見守ってきた。

    人は自らの意思で生きる覚悟を決めなければならない。
    自らの意思で人生を選び取って生きなければならない。

    そうでない人生は「生きている」とはいえない。

    たまたま健常者に生まれ、たまたま、この地域社会で育った。
    与えられた環境はそれぞれに違うが、一様に、道を自ら切り開いた。
    感動をありがとう。

    高校卒業おめでとう。


    ■少子化と教育費


    教えすぎる親。習いすぎる子どもたち。

    教育をサービスととらえるならば、
    講師に1:1で教えてもらえば、
    講師の生活費を生徒が負担することになるから、
    べらぼうなお金がかかる。

    集団塾で実績を上げているところは、
    ノウハウで実績を上げているように主張するだろう。

    だが、実際は、寡占化し、教室が何百もある大手の塾が
    大量の生徒を成績順に輪切りしている。
    その一番成績がよいクラスが成果を出しているのだ。

    親は安心を高値で買い、文字通りの「浪費」をする。
    だが、これは、子どものためを思っての親心でもある。


    果たして子育てにお金は必要なのか。

    偉そうなことを書いているわたしも、試行錯誤の連続だった。
    実は、いろんなことを試した。
    Z会の通信教育。
    トーマスという個別指導の塾。
    東進という映像授業の塾。
    都立を受けなかった長男は高校を私立に行かせたために、
    年間80万円の学費がかかってしまった。

    子育てにはお金がかかるはずだと信じていた。

    我が家は中学受験をさせなかった。

    その分、塾代はケチらずに使おうと思ってしまった。
    わたしは間違った考えを持っていた。


    子どもを「ライザップ」に行かせる必要はない。
    ペースメーカーは高校の試験でよい。
    皆が満点を目指して、クラスが一丸となって学び教え合う。
    学校の教科書と学校の問題集をボロボロになるまで使いこなせばよかったのだ。

    健全だし、いかにも学校らしい。
    内職がない学校になる。


    二男はサクシードという数学の問題集を何度も繰り返し復習する。
    サクシードがボロボロになる。
    ボロボロになった問題集には愛着が湧く。


    長男、次男の二人の高校受験を終えてわかったことは、

    子育てにお金なんてかからない。

    いや、お金はかけてはならない、ということ。


    みんなが習っているから習い事をさせ、
    みんなが行くからといって塾に行かせる必要はない。

    そうはいっても。なかなか難しい・・・


    教育費がかかるから、みんな子どもを産まない。
    だが、むしろ、教育費はかけない方が子どもは伸びる場合がある。

    子育てにお金がかかるとは限らない。
    これが素直な感想だ。


    さて、三男。

    結局、この子はひとつも習い事をしなかった。
    前回のコラムでも紹介した。
    朝から夕方まで外で遊ぶ。早寝早起きを自分に課しているようだ。
    小学校は6年間皆勤賞。
    早いもので、この4月で中学生になる。
    三男は自らが拘った半そで半ズボンのスタイルで小学校の6年間貫き通した。
    真冬に半そで。
    それで親に虐待疑惑が流れたこともあったのだが・・・


    さて、三男の区立小学校は素晴らしい学校だ。
    体育の授業がとても多いことは前回のコラムに書いた。
    先生が忙しい授業過程を上手にやり繰りする。

    まず、校庭で2時間体育をする。
    そして課外授業として、隣接する公園にクラスを連れて行く。
    さらに2時間子どもたちを公園で遊ばせる。
    ワイワイ、キャッキャという子どもたちの大きな声が地域にこだまする。
    それをお母さんたちが暖かく見守っている。


    (本コラムは中学受験を否定するものではありません。
    子育てにノウハウはありません。
    我が家のケースも、数ある「たまたま」のケースに過ぎません。

    また、ライザップは顧客満足の高いサービスです。
    本コラムはライザップを否定するものではありません。)


    日本株ファンドマネージャ
    山本 潤

    (情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)


    山本潤氏の過去コラム → http://okuchika.jugem.jp/?cid=6
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