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 ちょうど2か月前、円ドル為替は6日連続の円高となり7月8日には瞬間的に100円/ドルを超えた後、20日までの僅か8営業日で107円(7%安)まで売られました。この間に日経平均株価は11%も上昇しました。

 それまで6月下旬からの1か月間は指数が乱高下するだけの(寒々しい)博打相場でしたが、その後は為替動向と株価指数の連動性が落ちていることが分かります。


 まさに日銀がETF増額を発表した以降です。

 評判の悪い日銀のETF買付策ですが、少なくとも今のところは投機ファンドによる相場操縦を抑え込むことに成功しているようです。ただその一方で失われたものも大きく、長い効果を期待する(正常な)オペレーションとは言えないのでしょう。


 まだ暫くはファンドのポジション調整による売買が続きそうですが、米大統領選の行方が見えてくる10月に入れば徐々に物色の方向性が見えてくるのではないでしょうか。


 さて、プロミス、アコム、アイフル、モビット・・・Etc。街中でもTVでも、それこそメガバンク系を筆頭に個人向けローン各社の広告宣伝が溢れています。

 日銀のマイナス金利政策により、買った傍から国債を日銀に売り渡すというテラ銭ビジネスも出来なくなり、いよいよ儲け口が無くなってきた銀行がこぞって高利貸しビジネスに雪崩れ込んでいます。
 2極化(格差拡大)によって所得水準の中央値が低下することで、今までは借り手にならなかった中間層が新たな潜在顧客になりつつあることを察知して(想定して)のことでしょうか?


 「金の亡者※」は人の不幸を利用して儲けます。振り返れば銀行取引も証券取引も商品取引も・・・彼らの言うなりにやっていて儲かった人は居ません。下手をすれば身ぐるみ剥がされます。

(注※)金融業就業者の大半は真面な方達です。「金の亡者」とはそれら組織のトップマネジメントと天下りしてきた人、及び天下りを目指している人達のことです。


 そして主務官庁(天下り製造業者)はどうしているかと言うと、管轄業界の椅子(天下り先)を維持するために、合法的消費者(投資家)被害に見て見ぬ振りを決め込んでいます。

 何度も申し上げますが「(業界が儲からない)貯蓄から(業界が儲かる)投資へ」との虚言に注意しましょう。儲かりそうな話には一層注意しなくてはいけません。

 そのうち「サラ銀行業」と言った新業態が出てくるかも知れません。ちょっと高めの金利で預金を集め、ちょっと高めの金利で貸し出すビジネスに特化すれば既存の銀行のように高コスト体質では成立しない新たな貸金業が出来そうです。
 たぶん庶民にとっては結構便利な金融業になりそうです。上手く規制を緩和すれば新たな雇用を生み出せる事業になりそうですが、金融界(巨大既得権団体)が大反対するでしょうね(笑)。


 余談ですが、先日は町内会の方とのお話しで、保育園児の声が煩いから、そして送迎する父母のマナーが悪いからとの理由で保育園設置に反対する高齢者が結構いるのが悩みと聞き驚きました。
 以前住んでいた隣に小学校がありましたが、彼らの「キャー、キャー」と大騒ぎして遊ぶ声を聴いてほのぼのとした気分になったものですが、少子化を問題としながらも預ける側にも取り巻く側にも共に自己中心的な要因によって、状況はより悪化しているそうです。

 国内最大の既得権(自己中心的)集団があらゆるところで日本の成長を阻害し、そしてその集団は膨張し続けています。もう日本は手遅れかも?と感じる一番の理由です。


 硬直的な縦割り行政や特定利権によっても産業の活性化が阻害され、新事業が抑制されています。そんな中で大手銀行を除いた地方銀行で60行余り、信金信組で約400行もの金融機関が生き残れるのか?
 それに加えて、ゆうちょ銀行やJAの金融事業が既得権を保持したままゾンビのように勢力拡大を虎視眈々と狙っているのです。凄まじい状況であると言わざるを得ません。


 先々週のコラムでも書きましたが、円クレジットで利益が出せるビジネスは限られてきています。今はまだ裏でカルテルを結んでいるかのように、どこの個人 向けローンも似たり寄ったりの金利になっていますが、メガバンクを筆頭にサラ金的ビジネスにあらゆる金融業態が参入してくる日も近いのではないか?と感じ ます。
 副作用としてヤミ金さんが駆逐されるのなら良いことではありますが…(^^)


 不動産にしても昨年辺りからは「自宅が高く売れた!」と言った、仲介案件発掘を目当てにしたオトリ広告や不動産投資を勧める広告が顕著に増えています。美味しい案件が減っているのでしょうが、こちらも節操のない業界です。
 飽和状態にある不動産業者やデベさんは「作っては売る」または「案件を仲介する」作業をし続けなければ食べていけませんから、投資家や居住者の将来のことまで配慮しているヒマなどありません。
 その一方で賃貸住宅の増加や空家率、空室率の増加が頻繁にニュースで流れるようになりました。いよいよ需給の悪化(業界の負の部分)が表面化してきたと感じます。


 さて、国内に滞留した巨大な円金融資産はどこへ向かうのか?


(街のコンサルタント)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。また、当該情報は執筆時点での取材及び調査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。)