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FinTechと日本金融の将来
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FinTechと日本金融の将来

2017-04-01 01:53
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     マネーライフプランニングの梶原真由美です。

     いよいよ今週末、娘の保育園入園式です。
     なんと、入園式に小池東京都知事が式にいらっしゃいます。

     なぜかと言うと、今回入園する保育園は国家戦略特区に基づき、都立公園内に全国で初めて新設された園なのです。
     もともとは都立公園内のゲートボール場だった場所ですが、園の屋上は園庭となっており、人工芝が敷き詰められていました。
     週末はゲートボール場として開放されたり、園児とお年寄りの交流の場になったりするそうです。
     保育園用地不足の中、とても良い取り組みだと思いました。


     さて、前置きが長くなりましたが、本題です。

     先日、日本FP学会に参加してきました。

     日本FP学会とは、グローバリゼーションのもとにおけるパーソナル・ファイナンスの研究及びその教育・普及によって、わが国の金融システムの安定・発展を図り、個人の資産管理に関する教育及び研究を行う人材の育成を目指すことを目的に設立された学会です。

    http://www.jasfp.jp/

     今回の学会ではFinTechがひとつのテーマとなっていました。
     日々、ファイナンスの研究をされているお二人の教授により講演で語られた内容をみなさんにシェアさせていただきます。



     学会長である吉野直行慶応義塾大学名誉教授の講演
     「FinTechと日本の金融の将来」より

    <要点>

    ○スマートホン、インターネットによって世界中の金融商品が買えるようになる
    ○世界的な金融の規制をしっかりしないと、不正が横行する
    ○金融経済教育は不可欠、さもなければ、悪い金融商品を買わされてしまう
    ○最悪のシナリオは、日本の大手金融業はすべて海外に取られてしまう


    <講演内容より>

     世界には過去の日本がそうであったように、今高成長をしている国々があります。
     それらの国では投資も融資も活発であり、お金を借りたい人・企業が沢山います。例えばインドの2017年利子率は7~8%とマイナス金利下の日本と比べたら驚くような数字です。

     また、日米それぞれの家庭における投資信託の保有率を比べると1980年中頃までは双方10%強と日米の差はなかったものの、そこから日本はほぼ変わらず10%前後の保有率を推移、米国は右肩上がりに高めていき現在は40%を超えています。
     吉野教授が分析するにその要因は、日本の投資信託は運用コストによる運用効率の悪さにあると指摘されていました。同じ内容の投資信託であったとしても米国のものは利益が出て、運用コストが米国に比べて割高な為、日本のものはあまり利益が出なかった。その為に日本人には「投資信託はそんなに増えない」と人気がイマイチなのでしょう。
     運用効率を高めたいなら、現状では国内投資信託よりも海外投資信託やETFを購入したほうが有利だという結論になります。
     その結果、最悪のシナリオは、日本の大手金融業はすべて海外に取られてしまいます。

     Amazonが日本に来てどんな変化が起きたでしょうか?
     地方の本屋さん、書籍店が消滅しました。
     こういった変化がFinTechによって金融業にも訪れる事を示唆しています。

     海外では日々新しいFinTechベンチャー企業が誕生しています。
     米シカゴ大学では金髪ピアスの若いお兄ちゃん達がオープンスペースで新しいFinTechを考案しています。彼らによって生み出された新しいサービスが今後もどんどん日本に入ってくる事でしょう。

     健全な競争の中で良いサービスが生まれるはずなので、IT産業と大手金融機関は手を組むのではなく競争すべきです。
     ベンチャーIT産業を大手金融機関が子会社化して保有していては、より良いサービスを生み出す競争の原理が働きにくいのです。

     また、FinTechの成長により、金融商品の選択肢も広がりますが、同時に世界的な規制も強化していかないと不正が横行します。日本国民の金融経済教育は不可欠であり、今のままでは悪い金融商品を買わされてしまいます。



    東京大学大学院経済学研究科、柳川範之教授の講演
     「FinTechは金融・産業構造をどう変えるか」より

    <要点>

    ○FinTechは単なる流行りではなく、本質的な変化を金融産業および経済全体にもたらす可能性がある
    ○金融業は情報産業であり、ビッグデータをどう集めどう活用するかがポイント
    ○他産業に進出する企業が出てくるなど、産業の垣根はあいまいになってくる
    ○大手金融機関はプラットフォーム型経営への切り替えが急務


    <講演内容より>

     金融業界は規制に守られIT産業の成長による変革からは比較的隔離されてきました。
     しかし、技術は制度や規制を超えます。金融業界も変革の波にのまれていくでしょう。
     金融業は淘汰されていきますが、そこには大きなビジネスチャンスが存在してます。

     ・新しい組み合わせが価値を生む業界横断的なビジネス。
     ・AIやITの活用による大幅なコスト低下による価格競争激化の可能性
     ・セットアップコスト低下により、新しいアイディアの参入が容易になる

     これらは金融業にとって、ビジネスモデルの再構築が急務であることを示唆しています。
     「どこで稼ぐか」はとても重要な課題となるでしょう。
     金融業の集めるビッグデータには大きな可能性があり、プラットフォームビジネスとしてFinTech企業をうまく取り入れていくことで成長が可能なのではないでしょうか?



     いかがでしたでしょうか?

     私はお二人の話を聞いて「いよいよ、日本の金融機関も変革の時を迎えたかな」と感じました。
     今までも変革すべきだとは思っていましたが、大手金融機関が変革した後、新しい収益構造をどう構築するかのイメージがありませんでした。


     しかし今回、プラットホーム型経営の提案を聞き「なるほど」と思いました。
     日本の金融機関は信頼も厚く、詳細な個人情報を集めることが出来ます。
     その個人情報を適正に活用し、各企業のプラットフォームとなれば、収益構造を変えながら金融機関も生き残ることが出来るように思いました。

     もはやそれは金融機関とは言えないのかもしれませんが、そもそも産業の垣根自体もなくなっていくのかもしれませんね。
     私たちはFinTechにより手軽さや、さまざまな投資の選択肢を得ることとなりそうですが悪い金融商品を買ってしまうことがないよう、金融経済知識を身に付けていかなくてはいけません。


    株式会社マネーライフプランニング
    パートナーCFP(R) 梶原 真由美


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    (情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)

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