2017年のIPOも4月までで32銘柄が上場を果たしました。5月は例年通りIPOはなく関係者にとっては束の間の休息なのかも知れません。ただ既に6月のIPO3銘柄が発表され、再びIPO市場に慌ただしさが戻って参ります。
さて、株式運用で資産の増強を図ろうとされている皆さんにとってこのIPO市場はどう映っているでしょうか。
東芝などの事例でもわかるように既存の大企業中心の株式市場には多くの投資家が関心を寄せ、現に大量の売買がなされていますがまだ聞いたこともないようなIPO銘柄に関心を寄せる投資家は限定的と言えます。
ただ、敢えてIPO銘柄(過去1,2年にIPOした銘柄も含む)にアクセントを置き運用されている投資家もお見えになるかも知れません。
そうした皆さんは既にIPO銘柄での資産運用のポイントなりコツなりを身につけておられるものと推察されます。経験を積みながらリスクテイクし、ある段階ではリスクオフするなど活発な取り組みをなさっているのではないでしょうか。
一般的に言うと個人投資家の多くは企業の業績内容、すなわちファンダメンタルズを中心に評価し株式投資をなさっているか、短・中・長期のチャートをはじめとした様々なテクニカル指標を参考にしながら株式運用に取り組んでおられるものと思います。
IPO銘柄も上場した途端に投資家の評価を得て株価が変動し、その結果チャートが形成されます。
IPO銘柄の投資に際しては公開価格、公開初値、その後の高値、安値を経て時価に至る過程の中で公募株を得て初値で売るか、初値で買ってその後の高値形成で成果を上げるか、上場後の安値を捉えて投資し成果を上げるかといったパターンが考えられます。
3600社余りの上場企業はそれぞれに様々な株価変動を見せており、これらはすべてチャートで表されています。
上場した後のIPO銘柄においても同様にチャートが描かれ、それを参考になさりながら売買されている投資家も多いかと思います。
このようにIPO銘柄の株価を決める要素としてはファンダメンタルズや需給要因に加えテクニカル面の分析も重要になります。
個別銘柄では初値からの下落トレンドがどこで終了し、反転に向かうのかは多くの投資家の関心の的になりますが、いつまでも下落することはなく、反転するパターンを念頭に置いて、投資のタイミングを探っておられる投資家も多いのかも知れません。
冒頭に触れたように1月から4月にかけ今年は既に32銘柄がIPO。これらの銘柄の多くは国内外の不透明要因によって上場後に調整を余儀なくされた銘柄も見られますが、調整が完了で高値に踊り出た銘柄やボトムから反転上昇に向かう銘柄もあり、取り組み方によっては中・長期的に見て大きなリターンを得るチャンスがあると考えても良さそうです。
IPO銘柄特化型の運用は絶えずIPO銘柄の動向に関心を寄せ、単に株価動向のみならず決算動向についても把握しておく必要があります。IPO後の株価の位置を見極めて投資のチャンスを得る努力が皆さんの投資成果に表われることを祈願致します。
(炎)
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