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7月の市場注目イベントだった主要国中央銀行の理事会スケジュールのラストは、本日26日(日本時間では明日27日未明)のFOMCです。
それに続いて、28日(金)に発表される米国第2四半期のGDP速報値が、夏休み前の市場を動かす材料の最有力候補です。
今回のFOMCは、FRB議長の記者会見は予定されておらず、直近の金利予想も99.9%が現状維持。焦点は終了後に発表される声明文です。
中でも、以下の2点が声明文の中でどう表現されるのかによって、市場への影響があるでしょう。
1.物価動向についてどう記述されるか?
2.FRBのバランスシート縮小について、どの程度踏み込んだ表現がされるか?
以上のうち、1.の物価に関しては、6月のイエレン議長発言にあった、物価低迷は「一過性」との表現を引き続き採用するのか、「不確実性」との表現も加えられるのか?
どちらが採用されるのかにより今年後半の利上げ期待が変わります。「不確実性」についての表現もある場合には、利上げ期待には慎重な見方が増えるものと思います。
2.のバランスシートの縮小に関しては、開始時期に関しての具体的なヒントが盛り込まれるか?です。それが近い将来なら、債券市場は利回り上昇で反応、為替市場は取り敢えずドル買いで反応でしょう。
利上げもなし、声明文で注目点への言及も無しなら、反応は「スルー」となりそうです。
一方、28日の米第2四半期GDPは、前年比の予想中心値2.5%を上回るか?が今月末相場を左右する可能性が高いと思われます。実績値が、どちらかに大きく振れれば、今後の金融政策の方向性予測にも影響。もちろん、市場への影響は大きいものと思われます。
次に、今月に入ってからの主要通貨の対ドルパフォーマンスを見てみましょう。
小さく下落した南ア・ランドと英・ポンド以外の主要通貨は、対ドルで全て上昇しました。
現時点では、ドル安基調の7月と言えます。
最も上昇したのが、ノルウエイ・クローネ(+4.68%)ブラジル・レアル(+4.24%)豪ドル(+3.23%)と続きます。
よくご紹介するドル指数(貿易規模などを加味したドルの総合的価値を示す指数)は、1月の年初来高値103.82から下げトレンドに入り、昨日(ユーロが1.17台をつけた際)93.63の年初来安値をつけました。ドル指数の対通貨バスケットには、ユーロの比重が高いため、ユーロ相場に最も左右されます。
ドル・円相場は、ドル安基調の中で、7月11日に114円49銭の2か月ぶり高値をつけ、買われ過ぎゾーンまで入ったわけですが、その後、トランプ政権のオバマケア代替案早期成立の期待後退、ECBの金融政策の早期変更期待の高まりによるユーロ一段高に加えて、トランプ政権への司法上の追及がロシア・コネクション疑惑のみならず、トランプ氏のビジネスへも拡大するとの報道、続いてトランプ政権でメディア対応として(メディア上で叩かれたり、揶揄の対象でもあった)スパイサー報道官が辞任(解任?)したこともドル安への材料となりました。
また、本日もトランプ陣営の選挙本部長に召喚状が出たというニュースも報じられています。
欧州中銀の金融政策の正常化によるユーロ高、政権を取り巻く問題の不透明感がドル安へ寄与したというのが、ドルのサイドの材料です。
その一方で、円サイドの材料として注目されたのが、7月20日の日銀政策決定会合でした。
終了後に、物価目標2%が2018年度から翌年に先送りされたことで、111円台へ下落した相場が一時112円半ばまで戻した場面もありましたが、強力な材料とはならず、短い滞空時間となりました。
市場が全般的にドル安基調の中で、今月前半までのポジションがやや円安に傾いたことの戻しで110円60銭近辺のサポート・ポイントまで下げたと見ています。ポジション調整後は、他の主要通貨との違いである金融政策の方向性の違いから、円高圧力は限られたものになろうかと考えています。
8月は、中央銀行も夏休み入りし、市場関係者も夏休みを取る向きが多くなるものと思います。
8月の注目は、24日から26日まで米国ワイオミング州ジャクソンホールで予定されている経済シンポジュウムです。今年のテーマは「ダイナミックなグローバル経済を促進する」とされていますが、市場は、イエレンFRB議長、ドラギECB理事長の講演で、今後の金融政策、特にバランスシート縮小について言及があるかに注目が集まるでしょう。
例年、夏休みシーズンになると、市場参加者の減少から流動性の低下が言われ、そのために乱高下が大きくなることも予想されます。良く休むために、リスク管理も肝要のようです。
最後までお読み頂きまして、ありがとうございます。
※7月26日東京時間12:00執筆
本号の情報は7月25日のニューヨーク市場終値ベースを参照しています。
なお、記載内容および筆者見解は参考情報として記しています。
式町 みどり拝
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)