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企業の評価は定量的なものと定性的なものによる組み合わせによってなされると考えられます。
多くのアナリストがこれらを見極めながらレポートしようとします。現在は3月期決算企業なら第3四半期までの定量データが明らかになっており、通期をほぼ見通せる段階まで来ています。また、来期の業績にも関心が寄せられ、その動向を探ろうとします。
取材の多くは集合的なプレゼンによることが多いのかも知れませんが、時間を割いて個別に面談し質問を重ねていきます。
証券アナリスト協会は会員であるアナリスト向けに企業説明会を開催しており、私も頻繁に関心を持った企業のプレゼンには出向いています。
◇
たった30分で終わった先週の鈴木(6785)という長野を拠点とした金型やコネクター部品会社の第2四半期の業績はまだすこぶる本調子とは言えない が、徐々に上向いているとの感触を得ました。同社の期待は直近になってスタートした医療機器の事業拡大です。日本のモノづくりを支える金型を基盤にしてい る会社なのでぜひ頑張ってほしいとひそかに応援している身ですが、長野の地にあってのんびり構えていては上場している意味がありません。何とか新たな成長 の基盤を求めていかないとなりません。
そこで取組み始めたのが医療機器です。
守秘義務があってクライアントの手前、詳細を明らかにはしていませんが、止血バンドの生産を柱に新たな医療機器分野に進出しようとしているようです。
医療機器の月商は現在9000万円程度ですが、今期末にあたる6月には月商1億3000万円が見込まれます。来期以降は徐々にこれが積み上がっていくと説明会ではコメントがありました。
同社は低PER(8倍前後)、低PBR(0.4倍)の代表のような企業。既存事業の成長に新たな成長分野が加わり、売上、利益の拡大が期待されます。
◇
同じ長野に基幹工場を持つ日本フェンオール(6870)も先週の27日に前12月期決算の説明会を開催。防災関連企業として徐々に評価を高めつつありま すが、説明会では世界最小の煙検知器を開発・販売していることで新たな成長が見込めるとのニュアンスの発言があり、この点を好意的に受け止めたアナリスト は多かったに違いありません。前期は特殊要因で業績は期初計画を上回りましたが今期は小幅の経常減益とやや慎重に見ています。
実は同社に新たな評価のポイントが加わりました。PM2.5関連という評価です。まだ製品化には至っていませんがPM2.5を感知して知らせるという小型の製品がすでに開発されているというものです。話題のPM2.5に対応するという話は気になるところですね。
鈴木も日本フェンオールも規模としては中堅企業ですが、それぞれにユニークな特色をもっています。両社とも医療機器分野にも参入しており、品質クオリティの高さと成長を意識しています。
株式市場では流動性の問題からPER、PBRともに低評価に甘んじていますが、皆さんの評価はいかがでしょうか。
◇
日本コンセプト(9386)の決算説明会も26日に証券アナリスト協会で開催されましたが社長が風邪で欠席。代わりのIR担当、仁科取締役が熱心に説明されていました。
同社はシェール革命で米国の事業が拡大するという点を主たる背景にした中期計画の達成を目指しています。タンクコンテナを用いた液体危険物輸送のパイオ ニアとして今後の成長が期待できるという説明です。膨らんだ有利子負債の削減のための施策と更なるタンクコンテナへの投資が財務向上、事業成長のポイント となります。今後3期間の前提為替レートはドル円で1ドル=85円。現状はそれより円安水準ですからメリットが生まれます。今期はやや慎重な業績見通しを 期初段階で打ち出していますが、現状の為替水準が継続したとして余裕があります。
◇
カジュアルレストランのきちり(3082)も21日に決算説明会を開きましたが、タニタ食堂との連携で話題を集めた昨年とは変わり多少落ち着いた感じの 説明会でした。今回は精米機の最大手サタケとの提携でGABA米の普及を図っていくというのがネタとなりそう。ブランドを持った企業の外食店運営を受託し ていくという同社の作戦が今後どのように進んでいくかはともかく自社の店舗を関東で本格展開し2015年6月期の経常利益目標を10億円としている点は改 めて評価の余地があるように思われます。
◇
説明会で語られたことはたとえ小さな発言であっても定性情報としてアナリストの頭に刻まれ、時にレポートとなって投資家に伝達されます。投資家もそれに呼応して積極的に投資するか否かを決めながらアクションを起こすとすれば、それを無視するわけにはいきません。
これからもまたあちらこちらで説明会が開かれ、新聞やインターネット上のレポートなどで皆さんの元にも届くことになります。
ただ、どういう訳か決算説明会を開かない企業もあります。それは個別にアナリストが取材をしてレポートすることになります。
私もある企業の社長に取材を申し込んでいますが、そうした知られざる企業のレポートを私はいずれ皆さんにお届けしたいと考えています。
(炎)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)
多くのアナリストがこれらを見極めながらレポートしようとします。現在は3月期決算企業なら第3四半期までの定量データが明らかになっており、通期をほぼ見通せる段階まで来ています。また、来期の業績にも関心が寄せられ、その動向を探ろうとします。
取材の多くは集合的なプレゼンによることが多いのかも知れませんが、時間を割いて個別に面談し質問を重ねていきます。
証券アナリスト協会は会員であるアナリスト向けに企業説明会を開催しており、私も頻繁に関心を持った企業のプレゼンには出向いています。
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たった30分で終わった先週の鈴木(6785)という長野を拠点とした金型やコネクター部品会社の第2四半期の業績はまだすこぶる本調子とは言えない が、徐々に上向いているとの感触を得ました。同社の期待は直近になってスタートした医療機器の事業拡大です。日本のモノづくりを支える金型を基盤にしてい る会社なのでぜひ頑張ってほしいとひそかに応援している身ですが、長野の地にあってのんびり構えていては上場している意味がありません。何とか新たな成長 の基盤を求めていかないとなりません。
そこで取組み始めたのが医療機器です。
守秘義務があってクライアントの手前、詳細を明らかにはしていませんが、止血バンドの生産を柱に新たな医療機器分野に進出しようとしているようです。
医療機器の月商は現在9000万円程度ですが、今期末にあたる6月には月商1億3000万円が見込まれます。来期以降は徐々にこれが積み上がっていくと説明会ではコメントがありました。
同社は低PER(8倍前後)、低PBR(0.4倍)の代表のような企業。既存事業の成長に新たな成長分野が加わり、売上、利益の拡大が期待されます。
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同じ長野に基幹工場を持つ日本フェンオール(6870)も先週の27日に前12月期決算の説明会を開催。防災関連企業として徐々に評価を高めつつありま すが、説明会では世界最小の煙検知器を開発・販売していることで新たな成長が見込めるとのニュアンスの発言があり、この点を好意的に受け止めたアナリスト は多かったに違いありません。前期は特殊要因で業績は期初計画を上回りましたが今期は小幅の経常減益とやや慎重に見ています。
実は同社に新たな評価のポイントが加わりました。PM2.5関連という評価です。まだ製品化には至っていませんがPM2.5を感知して知らせるという小型の製品がすでに開発されているというものです。話題のPM2.5に対応するという話は気になるところですね。
鈴木も日本フェンオールも規模としては中堅企業ですが、それぞれにユニークな特色をもっています。両社とも医療機器分野にも参入しており、品質クオリティの高さと成長を意識しています。
株式市場では流動性の問題からPER、PBRともに低評価に甘んじていますが、皆さんの評価はいかがでしょうか。
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日本コンセプト(9386)の決算説明会も26日に証券アナリスト協会で開催されましたが社長が風邪で欠席。代わりのIR担当、仁科取締役が熱心に説明されていました。
同社はシェール革命で米国の事業が拡大するという点を主たる背景にした中期計画の達成を目指しています。タンクコンテナを用いた液体危険物輸送のパイオ ニアとして今後の成長が期待できるという説明です。膨らんだ有利子負債の削減のための施策と更なるタンクコンテナへの投資が財務向上、事業成長のポイント となります。今後3期間の前提為替レートはドル円で1ドル=85円。現状はそれより円安水準ですからメリットが生まれます。今期はやや慎重な業績見通しを 期初段階で打ち出していますが、現状の為替水準が継続したとして余裕があります。
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カジュアルレストランのきちり(3082)も21日に決算説明会を開きましたが、タニタ食堂との連携で話題を集めた昨年とは変わり多少落ち着いた感じの 説明会でした。今回は精米機の最大手サタケとの提携でGABA米の普及を図っていくというのがネタとなりそう。ブランドを持った企業の外食店運営を受託し ていくという同社の作戦が今後どのように進んでいくかはともかく自社の店舗を関東で本格展開し2015年6月期の経常利益目標を10億円としている点は改 めて評価の余地があるように思われます。
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説明会で語られたことはたとえ小さな発言であっても定性情報としてアナリストの頭に刻まれ、時にレポートとなって投資家に伝達されます。投資家もそれに呼応して積極的に投資するか否かを決めながらアクションを起こすとすれば、それを無視するわけにはいきません。
これからもまたあちらこちらで説明会が開かれ、新聞やインターネット上のレポートなどで皆さんの元にも届くことになります。
ただ、どういう訳か決算説明会を開かない企業もあります。それは個別にアナリストが取材をしてレポートすることになります。
私もある企業の社長に取材を申し込んでいますが、そうした知られざる企業のレポートを私はいずれ皆さんにお届けしたいと考えています。
(炎)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)