Newton(ニュートン) 2018年5月号
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Newtonは毎月欠かさず読んでいますが、毎号とても興味深い記事にあふれています。特に、5月号の「ゼロからわかる量子論」の「量子コンピュータ」に関する話は、量子コンピュータとは何か(ジョージ・ジョンソン著 早川書房)の内容を圧縮して整理したような内容でわかりやすいです。
しかし今回注目したいのは、「太陽の異変と宇宙からの災害:太陽に異変がおきている?「スーパーフレア」の脅威と弱まる太陽活動」です。
現在、地球温暖化騒動が始まってからずいぶん時間が経過し、今やそれがカルト宗教のようになっています。
もちろん、ジーザス(イエス・キリスト)が処女から生まれたとか、水の上を歩いたとか、はたまたゾンビのように生き返ったということを100%否定することはできません。
また、「宇宙人に拉致された」とか「宇宙人に人体実験された」とかいう人々の話を100%否定することも困難です。この世の中(宇宙)で「ありえることは無限に存在」するので「絶対にありえない」証明は「悪魔の証明」とも呼ばれ現実には不可能です。
「二酸化炭素排出による地球温暖化による危機」という話を否定するには、上記のように「悪魔の証明」を行わなければなりません。しかし、重要な論点は「国民に多大な負担をかけて地球温暖化対策を強制するのなら、負担を強いる側が因果関係を明確に示すべき」ということです。我々の血税を投入するということだけではなく、企業が対策を講じる費用も最終的には消費者である国民が負担します。
私が知りうる限り「地球温暖化論」の根拠は薄弱です。科学雑誌や科学ドキュメンタリーにおいても、「二酸化炭素による地球温暖化」の因果関係を科学的にキチンと説明したものは見たことがありません。私に言わせれば、彼らの主張は「風が吹けば桶屋が儲かる」的なもの以上ではありません。
そもそも、地球の気温は長い歴史の中で大きく変化しています。現在のごく狭い範囲の気温が「正しい」とする根拠はどこにもありません。それは「人類がエデンの園にいたのに追い出されたから、エデンの園の状態(気温)に戻らないといけない」というような思考方法と変わりません。地球の気温にも環境にも「正しい状態」などありません。
もちろん、北京のような<毒ガスシティ>で暮らしたいとは思いません。しかし、地球の広大な環境をちっぽけな人類がコントロールしようとすること自体傲慢で思い上がった発想です。
あと数度気地球の気温が高いほうが人類にとって都合がよいのかもしれませんし、それはだれにもわかりません。少なくとも寒冷地の人々にとって温暖化はむしろ歓迎される現象といえるでしょう。
さらに、地球の気温は二酸化炭素以外に「太陽」の動向に大きく左右されます。地球の地軸の傾きや公転も重要な要素です。二酸化炭素は地球の気温に影響を与える要素のごく一部にしかすぎないのです。
歴史を振り返れば、人類の「歴史」は、氷河期が終わって「温暖化」したからこそ始まったのです。現在は氷河期と氷河期の間の間氷期であるからこそ、人類は生存できているのです。もし再び氷河期がやってきたら人類の文明はたぶん崩壊するでしょう。
もちろん、今後寒冷化するかどうかはわかりませんが、その因果関係に関する研究は温暖化に関するものよりも、きちんと科学的に行われ、それなりに説得力もあります。
太陽黒点の活動の低下はこれまでにもたびたび指摘されており、1600年代半ばから黒点が約70年間にわたって姿を消していた「マウンダー極少期」と呼ばれる時期には地球の平均気温が他の時期に比べて低く寒冷であったことが分かっています。
18世紀以前には温度計による記録などありませんが(「温暖化論」においても同じ)、木の年輪の幅やサンゴ成分、文献に記録された花の開花日などから推定されています。現在は凍ることが無いロンドンのテムズ川が完全に凍り付く様子も絵に描かれています。
そして、現在明らかに太陽黒点の活動が衰えてきています。
寒冷化と太陽黒点の活動が関連するメカニズムは必ずしも明らかになっていませんが、推論がこの特集に述べられています。
少なくとも、その関連性をうかがわせる歴史的記録が「太陽黒点と寒冷化」にはあっても、「(人類が排出する)二酸化炭素と温暖化」にはありません。詳細は、ぜひ特集を読んでいただきたいのですが(非常にコンパクトにまとまっています)、少なくとも温暖化と同等には寒冷化問題を心配すべきでしょう。
そして、それ以上に心配なのは「スーパーフレア」です。
1989年3月にカナダのケベック州で起きた9時間にわたる停電は大規模な太陽フレアが原因ですが、これは本ほんの序の口です。19世紀以前にもさらに大規模な太陽フレアが起こっているのですが、当時は現在のように通信網や電力網が発達していなかったので影響があまりなかっただけです。
現在のように電力、通信、それにコンピュータが発達した社会では24時間太陽のフレアの影響を受けただけで、映画のような大パニックになります。
24時間停電するだけでなく、電話もインターネットもコンピュータもエレベータも電車も使えない状況を想像すればすぐにわかります。
二酸化炭素以上に心配すべきことは、この世の中に掃いて捨てるほどあるのです。
念のため申し添えると、「地球温暖化対策」に熱心な企業はホームページや会社案内などでその努力を自慢していますが、この主張の欺瞞が明らかになれば、当然マイナスに評価されます。
(大原浩)
*2018年4月に大蔵省(財務省)OBの有地浩氏と「人間経済科学研究所」
(JKK)を設立します。HPはこちら https://j-kk.org/
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(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)