みなさん「マネープラン」をご存知でしょうか?
なんとなくイメージを持っている方も多いのではないかと思うのですが、恐らくボヤッとしたイメージなのではないかと思います。
マネープラン作成を私流に定義するならば、
将来へ向けてやりたい事を実現しながらでも
家計の資金繰りが可能かをシミュレーションし、
「各種調整」を行いながら将来設計を明確にする作業
といったところです。
ここでいう「各種調整」は、収入支出及び保険の見直しであったり、資産運用を取り入れる事だったりします。
自分の人生設計ですから、マネープランは自分自身で作成するものだと思いませんか?
しかし、多くの方は私たちのようなプロに作成を外注します。
なぜ外注するのでしょうか?
当たり前ですが、外注するメリットがあるからです。
私は8年ほどFPとして人様のマネープランを日々ひたすらに作成し続けているのですが、自分のマネープランを他人に作成してもらうメリットについて改めて考えてみました。
手前味噌になりますが、数百世帯のプランを作成してみて感じることを率直に綴ります。
■1.自分で考えるよりも選択肢が広がる
マネープランはライフプランとも言い換えが可能ですが、将来設計なので、考えなければいけない範囲は多岐に渡ります。
具体的には、子どもの教育、住宅ローン、老後(年金)、税金などなど…。
FP資格を取得する際には、ライフプラン、リスク保険、税金、不動産、相続、金融資産の6つの分野を幅広く学びます。
私も最初にFP資格を学び始めたとき、その範囲の広さに驚いたものですがこのように、広く浅くバランスの取れた知識を持っているFPに相談することは、自分の課題がどこにあるのか?を考えたり解決方法を模索する時の選択肢が、自分で考えるよりも大きく広がるのです。
これはFPに限らずその道のプロに相談するメリットとも言えますが、マネープランにおいては、そのプロフェッショナルがFPであるということです。
■2.家族がいる場合、意見がまとまり易い
個人的には相談を受けていて1番喜ばれていると感じる部分です。
成果や数字に表現できないことなので、伝わり難い部分ですが、その役割は小さくないと感じています。
例えば、近々入籍するというカップルが相談に訪れる事があります。
結婚生活をスタートするということは、今まで自分の収入を自由にしていたお互いが、今後はチームとなってお互いに人生目標を共有し、財産を作っていくことになります。
マネープランをパートナーと共有しておくことは、結婚式を挙げる、新居を決める、親へ挨拶を済ませる事等よりもしかしたら重要だったりするのです。
しかし恋人同士だった二人がいざ結婚をするからとお互いの収入や支出、財産状況などをいきなり開示し合うのは奥ゆかしさを重んじる日本人らしい話ですが多くの方にとってハードルが高いらしく、そこで賢い方は、
「これからの結婚生活のために二人のマネープランを作成しよう」
などと言ってパートナーを誘い、FPの元に訪れるのです。
すると、私たちは勿論その全てを聞き出しますから、自然とお互いの現状についてや将来へ向けての意見が聞き出せるのです。
大切な家族だからこそ、話し難い話題は沢山あります。
相続について考えておきたい、生活支出を見直したい、転職を検討したい…。
重要な議題だけど、家族だけで話し合いを進めると問題が起きそうな議題についてファシリテーター(進行役・調整役)としての役割を求められていると感じることは多いです。
■3.プラン達成へ向けての強制力が高まる(ライザップの法則)
苦労して作成するマネープランですが、今作成したものが生涯に渡って有効かというと残念ながらそうもいかず、人生は山あり谷ありで計画外のことが殆どの人に発生します。
また、ダイエットの計画と同じように、計画を実行しなければマネープランは「絵に描いた餅」であり、なんの効果も発揮しません。
顧問顧客に対しては、最低でも1年に1度お会いし、最初に作成したマネープランについての進捗状況を確認します。
予定通りに進んでいない場合には、原因を解明し対策を講じます。
すると、
「この間、急に高価な物が欲しくなったけど梶原さんの顔が思い浮かんで思いとどまったのよ」
「車の買い替えを検討しているが、妻が梶原さんにOKを貰ってからにして欲しいというので」
実際にこのような連絡が来るのですが、どうやら私たちの存在が、人生の至るところに存在する誘惑に打ち勝つ、自制心に働きかける様なのです。
<結果にコミットする>で有名なライザップ方式と良く似ていますね。
計画の立案から実行まで他人にサポートしてもらうことで、達成率を飛躍的に上げることが可能となります。
さて、今回は作成・サポートする側から、お客さまがマネープラン作成を私たちに外注する理由について考えてみました。
しかし、作成にはお客さま側にもそれなりの時間と労力が発生するので、作成を躊躇してしまう方がいるのも事実です。
一方で、そこを乗り越えて作成に踏み切る方は上記のメリットを享受することが出来ています。
未作成の方は新しい年度がはじまるこの時期に、ご自身のマネープラン作成に臨んでみてはいかがでしょうか?
(梶原)
プロフィール:梶原真由美(かじはら まゆみ)
ファイナンシャル・プランナー
日本ではまだ珍しい顧問契約制のFP会社である
株式会社マネーライフプランニング所属。
1976年千葉県生まれ。40歳で出産、
12歳年下の夫と長女の3人家族。
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(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)