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いつの世もトラブルや問題がないのが珍しいと言えますが、ありすぎると慣れてしまうことも良くあります。
4月に入ってから、国内国外、いろいろと問題は伝えられるなかで注目された日米首脳会談。トランプ大統領から伝わった話、それに加えて米国の一部企業の好決算が伝えられたこともあり、リスクオフの動きで株高、やや円安・ドル安(円以外の通貨にドル安)に反応しました。恐怖指数とも言われるVIXも13%水準まで低下しています。
日米首脳会談一日目を終えてのトランプ大統領からの発言は、安倍首相と北朝鮮、貿易、軍事についての意見交換で進展が見られたこと、朝鮮半島における融和へ協議を歓迎で一致、また、とりわけ日本の悲観である北朝鮮拉致問題を米朝首脳会談で取り上げると約束したことで安倍首相訪米にお土産をくれたとも言えます。
さらに、トランプ大統領の希望で、二日目の朝は予定外のゴルフを一緒にプレイするという情報も聞こえてきて、親密度をアピール。訪米前には、通商問題で日本に厳しい顔や発言を繰りかえしていたトランプ氏、「さすがビジネスマン」ではあります。
米国の中間選挙を秋に控え、選挙向けや私的問題の目くらましか、大統領による国内向けのアクションが注目されてきました。通商政策、シリア攻撃、ロシア批判等々。
トランプ氏のアクションは、ショータイム好きなのか、最初はツイートなどでセンセーショナルな伝え方をしてショックを起こし、その後の個別は上手く取引できるように柔軟に対処してきたようにも見受けられますが、次にターゲットにするのでは?、と見られている為替政策については、どう出てくるのでしょうか。
4月16日に、米国財務省から米国為替報告書がリリースされました。
日本は、5回連続で監視対象国とされました。理由は、日本の対米貿易黒字と経常黒字が対象でした。円安誘導は指摘されなかったものの、貿易不均衡是正へ進展が見られない、「日本の当局者は円高になると懸念を表明する」というのも気に入らないようです。
一方、トランプ大統領は同日、為替関連でツイート、「米国が利上げをしている時期に、中国とロシアが通貨切り下げゲームを行っているのは容認できない」と攻撃しました。ただ、実際には両通貨とも対ドルで、一時的には下落もあるものの、トランプ氏就任以来上昇(ドル安)しているので、発言が現実に即していない(言いがかり)とも言えます。
実際、人民元、ロシアルーブル以外でも、通貨ドルはトランプ大統領就任以来、複数回の利上げにも拘わらず、ほぼ全ての主要通貨に対して下落してきています。
ファンダメンタルズから大きくかい離したドル安政策を取って通商問題に利用するとなると、昨今、貿易決済通貨としての利用が低下しているドルが基軸通貨としての有利な面を失っていくのではないかとも懸念も出てきます。
さて、米国の年内利上げについて見てみましょう。
最近のFRB理事の一部からの発言「あと3回以上の可能性は低いと市場は理解している」と伝わり、金利の過度な上昇への懸念も後退したようにも思います。これは、株式市場にも好感されリスクオンに繋がった材料の一つでもあります。
その一方で、2年米国債の利回りは2.40%水準と上昇していて、毎度見ている2年VS10年債利回り格差は0.43%と10年ぶりの縮まり具合になっています。この指標は、将来のインフレへの期待値の現れとも言われていますので、引き続き注目していきたいと思っています。
各主要通貨の最近の動きでは、ドル円は105円水準を耐え、リスクオンへの戻しと共に107円台まで反発してきています。
4月という新年度時期という季節要因もあるかと思います。暫くは、105円~108円水準のレンジ内での動きになると思っています。
レンジ内での動きは、ユーロ・ドルも同様で、1.22~1.24のレンジ内での動きが続いています。相変わらず、ユーロ買いのポジションは大量に持ち高として残っていて、頭を重くしているように思います。
一方で、最近、元気な動きを見せたのが英ポンドです。BREXIT交渉の進展、国内経済で好調な指標が出たのも援軍でした。
4月に入り、2月、3月の荒れ模様からリスク許容度が緩和してきました。
今後、歴史的にも重要な階段が4月末から6月にかけて目白押しです。
日本では大型連休も控えていることから、月末にかけて調整も入ってくることも考えられます。注意が必要でしょう。
政治面での重要な日程を以下に下記にあげます。
4月27日南北首脳会談
5月に、日中韓三国首脳会談
5月24~26日日ロ首脳会談
6月上旬頃、米朝首脳会談
6月初旬頃?日朝首脳会談?
期待のイベント日程の一方で、中東情勢の悪化、5月にサッカーWC開催のロシア関連のニュースも気になるところです。米国の対ロシア政策もあってか、ロシアの通貨、株式が値を崩しています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
※4月18日東京時間14時執筆
本号の情報は4月17日のニューヨーク市場終値ベースを参照しています。
なお、記載内容および筆者見解は参考情報として記しています。
式町 みどり拝
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)