日本ではゴールデンウィーク真っ最中。
 天気もおおむね良好。そして、暦は新緑の5月になりました。
 連休の谷間の今日、サクサクと注目点を纏めてみようと思います。


 日本の大型連休中、海外市場では注目される経済指標発表やイベントがかなりあります。

 米国の金融政策を決めるFOMCが1日&2日に開催され、日本時間3日未明に結果が発表されます。
 利上げした3月会合から経済指標に特段変化はなく「政策変更なし」との見方が大勢です。終了後の会見予定はなし。注目材料とすれば、声明文の中でインフレ関連事項でしょう。
 トランプ政権により出された所謂「貿易戦争」とも呼ばれる状況が今後の経済にどう影響し、特に今後の金融政策(特に利上げ関連)にどう影響するかについての議論がFRB内でどうされているのかが一番知りたいところですが、経済指標などの材料が揃っていない現時点では時期尚早かもしれません。


 経済指標関連で最も注目されるのが、週末金曜日4日に発表される4月分の米・雇用統計でしょう。中でも、インフレ関連の指標「平均時給」(現予想では+2.7%/前年比)が強めに出た場合には、利上げへの連想に繋がり、ドル金利上昇からドル高へと反応する可能性が高いと思います。10年債利回りは3.02%を先日ヒットした後は、3%未満で動いていますが、3%以上が定着となると株式市場への影響は大きいと思います。


 4月後半から上昇に切り返した米国金利。金利反転と共に、為替市場ではドル買いが優勢になりました。日米金利差との相関が高くなったことからドル円相場も節目の110円を目前に109円後半まで買われました。節目の110円を上抜け、112~114円水準まで戻すかどうか注目されます。

 4月中の対米ドルでの主要通貨パフォーマンスは、カナダドル以外は、ドル高・各通貨安でした。
 米ドルの対主要通貨相対的指数である「ドル・インデックス」は1年ぶりに200日移動平均を上抜けしました。直近では、やや買われ過ぎ領域ではありますが、大きな動きでした。


 「ドル・インデックス」の上昇に貢献した最大の要素は、インデックスに最も組み入れが大きい通貨ユーロの下落です。節目でもある1.20を割りこむ下落が影響しました。1.20を割ったのは1月10日以来です。

 経済状況リカバーから金融政策の正常化方向を材料に大きく上昇したユーロでしたが、ここへ来て欧州の経済指標にやや陰りが見えてきたこと、また、ドル金利の上昇も影響しました。4月はレンジ内取引にとどまり、方向感が見えにくかったユーロでしたが、これまでのユーロ買い投機的ポジションの累積の解消売りが大きく響いたものと思います。

 また、先週行われたECB理事会もユーロ売りに影響したと見られます。
 ユーロ圏での成長率の最近の鈍化傾向は一時的なものとしながらも理事会ではかなり議論された模様で、今後の正常プロセスについては総裁会見でも言及がなかったこともユーロ売りに繋がりました。これまでのレンジ相場を下抜け、200日移動平均1.2016が破られました。ややスピードが速い感もありますが、これまでの上昇の調整と考えると、1.15~1.17水準までの調整の可能性はあるように思います。


 最後に、ドル相場上昇の背景にもあったドル金利の上昇に関連して、長短金利差について少し触れておこうと思います。

 このコラムでは何度か触れてきたと思いますが、2年債と10年債の利回り格差の縮小が続いています。直近で、0.46%(2年債2.5%vs10年債2.96%)と、過去20年間の平均1.25%を大きく下回り、この傾向が続いています。過去の経験からは長短金利逆転は景気後退の前振れの兆候ともされてきたので気になるところです。
 今のところ、縮小傾向というだけで逆転にはなっていないのですが、この縮小傾向が何を示しているのか、FRBの今後の金融正常化を目的とした利上げ計画にも影響するのではないかと思います。引き続き要チェックと考えます。


 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 ゴールデンウィーク後半を元気にお過ごしください!

※5月2日東京時間11時執筆
 本号の情報は5月1日のニューヨーク市場終値ベースを参照しています。
 なお、記載内容および筆者見解は参考情報として記しています。


式町 みどり拝


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)