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 せわしない本決算開示ラッシュが去りました。

 皆さんは決算短信をどこまでの企業チェックしているのでしょうか?


・全銘柄見る
・監視銘柄だけ見る
・保有銘柄だけ見る
・決算短信なんて見ない

 様々な回答があると思います。

 全企業の決算短信を見ておられる方を心の底から尊敬・敬服致します!


 恥ずかしながら私は全企業分の開示を見ておらず、監視銘柄までのチェックに留まっているからです。
 1分でも、表紙だけ20秒見るだけでも『見る』と『見ない』では大きな違いがあると考えています。


 0と1の差は数字の1ではありません。その差は無限大なのです。

 何かにチャレンジをして、頑張った人は必ず報酬が手に入ります。
 それは『経験』というお金では決して買えないかけがえのないものです。


 頭ではその経験値を手に入れたいと思うのに、日常に流されておろそかにしてしまう。

 苦手な事にチャレンジするというのは好きな事をやることの100倍のエネルギーがいるように思います(笑)


■相川伸夫ピックアップ銘柄フォロー
 ※5月18日(金)執筆時点

・山王(3441)2016年12月19日配信
 株価560円⇒1129円(+102%)

・テノックス(1905)17年2月20日配信
 株価815円⇒1032円(+27%)

・LCホールディングス(8938)17年4月3日配信
 株価894円⇒1541円(+72%)

・特殊電極(3437)17年6月12日配信
 株価2922円⇒4225円(+45%)

・東北特殊鋼(5484)17年9月4日配信
 株価1831円⇒1882円(+3%)

・新報国製鉄(5542)17年10月2日配信
 株価1577円⇒2060円(+31%)

・パウダーテック(5695)18年2月19日配信
 株価4845円⇒4070円(-16%)

・東京エレクトロンデバイス(2760)18年4月6日配信
 株価1970円⇒2113円(+7%)



◆本決算短信フォロー テノックス


 前期の杭打ち工事の不具合による損失引当金が1億ほど減少したことにより業績は想定より上振れて着地。
 しかし、今期予想に関しては正直物足りない印象。
 売上高は200億と通年通りだが、労務費の上昇等を理由に控えめな数字。
 31期は配当を1円増配したので配当利回りは3%弱&時価総額73億(自社株を除いた)に対し現金同等物が86億円と資産バリューな水準。

・受注高⇒前年比+10%
・受注残高⇒+6%

 売上の先行指標である受注に関しては足元好調なので、今後1Qの決算では労務費の負担により、利益が低下しているのかを注目していきたい。



◆本決算短信フォロー LCホールディングス


 大変期待していたにも関わらず、その期待を裏切られる形となり非常に残念。

 ロジコム(ホールディングス経営になる前の旧社名)の時代から同社の社長を長年していた本荘氏が出口戦略の度重なる延期、上方修正をしてからの下方修正になってしまった経緯などで責任を取る形で急遽任期中の異動が決定。

 同開示にある『出口戦略の度重なる延期』に関しての不信感から株価は低迷。

 兼ねてより説明会などで「ポーリーへの売却はスラっと行く」という説明をしていただけに株主からの不信感も強い。

 本決算短信の前期の数字に関しては市場の想定より高い数字であったと思われるが、今期予想の数字が期ズレになった数字をそのまま計算した値の半分ほどしかない為大きな失望売りが出てストップ安。

 『期ズレ』という言葉ほど怖い言葉はないのだと私も大変勉強になりました。


・市場からのニーズが高いものは大体の場合前倒しで計画を進捗していく。

 早く欲しいと言われるなら、それを前倒しで対応すれば計画より早くキャッシュが回る⇒このキャッシュでさらに事業を効率的に回すことができるからです。


 逆に遅くなる時というのは、ニーズが実は低い。という懸念も考えられます。

 例えば自分がモデルハウスの販売員をする営業マンだとして、3月末決算締めまでの残り1か月で売れると計画していたとします。
 それが思ったように買い手が付かず、予定した期日を過ぎてしまっていた場合。これは期ズレ案件となります(在庫として物件は残っている訳で現状損失は出ていない)。

 売れると予定していたにも関わらず、『何かしらの理由』により売れなかった。

A…売買契約をした後に銀行からお客さんがローンを予定通り組めなかったのかもしれない。

B…お客は内覧に来ているが、金額と物件の魅力が釣り合わなかったのかもしれない。

↑のどちらにしても売却予定が遅れる事による販売側のメリットはありません。

 もし、Bであれば遅れを挽回すべく、販売価格や手数料の値引きをして早く契約に漕ぎ着けようとするかもしれません。


 LCの今期予想数字の根拠に『保守的』という文言があります。

 前期予想の売却見込みの上方修正では営業利益が20億ほど上振れた開示がありましたが、今期予想はそれをも下回る予想となっています。

 『保守的』の中に何が含まれていて、含まれていないのかが外からでは判別することは不可能なので、私としては一旦ここは中立の判断とし、6月末に代表就任予定のダヴィンチの金子氏の経営戦略などを聞いてから投資判断をするのも良いのではないかと考えています。

 もちろん、金子氏への期待で買う。

 病院に注力するというビジネスモデルに変更がないことから株価が戻る可能性もあり得ます。


 しかし、現状わからないことが多すぎることと、会社としても不本意な結果だとは思いますが、同社に投資をしていた投資家を大きく振り回したことは事実です。

・上方修正⇒下方修正(期ズレ)⇒保守的な今期予想(詳細不明)

 私としては同社に高い魅力を感じていたので、納得の行く説明とビジョンが今後示される事を期待しています。



◆本決算短信フォロー 特殊電極


 今回も上方修正での着地となりました

 同社の本決算今期予想数値については控えめでの開示の特徴があり、前期期初予想数値と今期予想数値の経常利益の数字は13%高いので今期予想は多少強気に捉えているのだと感じられます。



◆本決算短信フォロー 東北特殊鋼


 昨年に続き、上方修正での着地となりました。

 業績も決して悪いわけでもなく、土地の含み益も換算すればPBR0.3程度の水準にある割安株という評価ができるでしょう。

 鉄鋼株にも関わらず不動産賃貸業が営業利益の4割を占めていることは相変わらず投資家から認知されていないと思われます。

 会社のHPが先日大幅リニューアルされ、とても見やすくカッコ良くなりました。

 振動発電の磁歪材、インドの子会社に関する続報が待ち遠しい限りですね!



◆本決算短信フォロー パウダーテック


 期初予想を上回っての着地。

 配当利回りが2.3%あり、今期予想は売上4%増、利益は1%増を見込んでいます。

 フェライトを使った新規開発テーマの進捗が進んでいくことでの面白いニュースに期待です。

 流動性が低い株なので焦らずに長期で会社の成長を楽しめるタイプの銘柄だと思います。



◆本決算短信フォロー 東京エレクトロンデバイス


 売上21%増収、経常91%%増益の純利益64%増で着地し、今期予想数字は売り上げは減収ですが経常利益は2.4%増益、純利益は12.6%増益予想です。

 売上の減収の原因はアナログ・デバイセズ社との販売代理店契約の解消の影響です。

 減収なのでネガティブに捉えがちですが、同社は現在メーカー機能強化に注力していることは前回の記事でお伝えした通りです。

 このタイミングで今までアナログ・デバイセズ社との取引に割いていた人員を有効に配置することができれば、むしろ利益率の更なる向上の可能性もあります。

 今期6円の増配もあり配当利回りは3.4%と高水準です。

 数年後の自社ブランドの成長に期待です。



 月に一回執筆させていただいている億の近道で取り上げてきた銘柄も気づけば8銘柄となりました。


 ここで取り上げる銘柄は全て長期で見た時に大きく化ける可能性が期待できる、又はジワジワと株主資本が伸びる株を私なりにチョイスしています。

 全体の市況がどうなるのか、個別企業の浮き沈みを正確に予見することは誰にも出来はしません。
 皆さんの多くは資産形成のために株式投資をされているのだと思いますが、『好きこそものの上手なれ』とはよく言ったもので、まさに万事そうなのだと感じます。


 投資であろうが、趣味のゴルフであろうが、こうして今書いている文章であれ、好きでやっているのであれば確実に成長するのだと漠然と感じています(笑)

 持ち株の価値が下落しても、投資が好きであれば『良い経験をした』と感じる事が出来ます。

 負けた試合を悔しかったけど、楽しかった!と言える人はかくも強いものです。

 負けてもその経験を糧に楽しみながら投資を楽しみ、気づけばオマケで利益が付いてきたと言えるようになりたいですね!


それではまた!


『全力全開全力前進!!!』

(相川伸夫)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)